平成22年7月定例記者会見

市長説明

 伯州綿については、水木しげる先生とも縁がありまして、水木先生の三代前の曾祖父の武良惣平氏が回船問屋を営んでおり、この地域で算出される鉄や伯州綿を関西や東北地方に北前船で運んでおりました。

 このたびは水木先生の一反木綿を活用して、この伯州綿をPRしていこうと考えております。将来的には、弓ヶ浜の特産品でありました伯州綿を栽培、製品化し事業化したいという思いがあります。本日は伯州綿の活用について三点ほどご説明させていただきます。

 まず一点ですが、この「一反木綿壁掛け」です。これは伯州綿に一反木綿を染めたものでございます。もちろん伯州綿を100%使用しております。この藍染は、天野紺屋 青蛙 天野尚氏に染めていただいております。和紙がここに1つ入るのですが、これは出雲の民芸紙を使っております。ここに「伯州綿」という文字を入れます。枠の木材ですが、これは日南の杉を使っております。この製品を限定100個製作いたしまして、7月25日から水木しげる記念館で1万500円で販売して、伯州綿のPRに努めたいと思います。これには水木夫妻の直筆のサインも入っております。

 二点目は、これもまた伯州綿で製作した一反木綿をあしらった「しおり」と「缶バッジ」でございます。「一反木綿壁掛け」と同様に天野紺屋 青蛙 天野尚氏に染めていただきました。これらは500個ほど製作するのですが、その内の100個につきましてはふるさと納税をいただいた方に対して記念品として差し上げる予定でございます。

 三点目は、伯州綿を使用した一反木綿の展示でございます。6m~12mの一反木綿を6個作りまして、米子空港、水木しげる記念館、夢みなとタワーに7月24日から8月31日まで展示をしてPRをしようと考えております。これは100%伯州綿使用というものではなく、緯(よこ)糸のみ伯州綿を使用しております。市内の弓浜絣の作家である南家敦美氏が製作いたしました。併せて、7月24日から8月25日まで米子空港ビル1階で「伯州綿・弓浜絣」の展示を行います。内容は、「弓浜絣」の製品展示、伯州綿の製品、パネル展示、プランター設置でございます。期間中の火、金、日曜日の午前11時~午後4時には弓浜絣の機織り実演を実施します。

 先ほども申し上げましたように、夢ではありますが、伯州綿の事業化を促してこれからも取り組んで参りたいと考えております。

 続きまして、赤ちゃんサミットin境港についてですが、10月9日と10日に本市で開催します。コンセプトは「小さな命に感動し、生きる元気と勇気を育むために」となっております。

赤ちゃん登校日は本市が始めてから4年が経ちますが、子育てをしていらっしゃる保護者の方から大変評価をいただいております。赤ちゃん登校日を通じて、小学校の児童は、赤ちゃんの成長や命の尊さを実感しながら相手の気持ちを思いやる心、自己肯定感や役立ち感を育てることができます。また子育て中の親御さんにとっても、小学校の児童との関わり方を通じてわが子の成長した姿をイメージしたり、あらためてわが子への愛情を実感し、毎日の育児への励みにつながるなど、こういった効果が評価されています。参加者相互に気付きや学びがあるということから、本市から全国へそういった取り組みを情報発信しようということであります。開催する会場は、市民会館と市保健相談センターとなっております。

 9日には、赤ちゃん登校日、境港ハッピー子育て応援団の発表会、赤ちゃん登校日の模擬授業、基調講演、シンポジウム等を行う予定です。10日には、児童虐待防止研修会を予定しております。

 境港市は、子育て環境をしっかりと整備することを市政の重要課題としております。今、親子の絆が希薄化する時代にあって、こういった取り組みを全国の皆さんに発信して、改めて認識する機会としたいと考えています。

 このサミットに併せて、市内の赤ちゃんの写真を応募していただいて会場に展示します。これはコンテストではありません。応募要領等については資料の別紙に記載がございますのでご覧ください。

伯州綿PR[pdf:99KB]

赤ちゃんサミットin境港[pdf:48KB]

赤ちゃんサミットin境港添付資料[pdf:56KB]

質疑応答

【商工農政課長】 先ほど、直筆のサインという説明がありましたが、直筆で書いていただいたサインを印刷したものでございます。

【記者】 一反木綿壁掛けの寸法は?

【市長】 A4サイズで21センチ×29.7センチです。

【記者】 しおりと缶バッジは他では手に入らないものか?

【商工農政課長】 販売ではなくイベント等で配る予定です。

【記者】 一反木綿壁掛けはスタンドも付くのか?

【商工農政課長】 額縁と壁掛けで10,500円で、希望があればスタンドを500円でお付けします。

【記者】 一反木綿壁掛けの意味合いは何か?

【商工農政課長】 鬼太郎のいちばんの味方という意味合いで作った。

【記者】 伯州綿の事業化するというお話があったが、このような製品を作ることからスタートしていくのか?

【市長】 伯州綿は今年度1.5ヘクタール栽培しております。この収穫した綿から種を取って製品にするまでの一連の流れができれば事業化したいという思いはあります。

【記者】 製品化、販路開拓と非常に専門的な仕事になると思うが、市が片手間にはできなくなるのでは?

【市長】 今は市の農業公社が製品化、販路開拓について研究をしているところです。ただ事業として採算が取れるようなものになるとは考えていません。この地域の特産品である伯州綿をもう一度復活させたいという思いがあります。環境にも良いし綿の肌触りが人に優しいものですので、広めていきたいと考えています。

【記者】 壁掛けの製造元と発売元はどこか?

【市長】 製造元、発売元ともに市の農業公社です。

【記者】 市の持ち出しはいくらか?

【市長】 ほぼ実費を負担しているが、補助率10割の国のふるさと雇用再生特別交付金を活用して、5名を雇用して栽培している。

【記者】 予約販売はするのか?

【水木しげる記念館館長】 水木しげる記念館に来られた方のみに限定販売します。予約販売や通信販売はいたしません。

【記者】 展示期間の後は大きな一反木綿はどのように扱うか?

【市長】 水木しげる記念館に常設展示します。

【記者】 伯州綿を栽培してこういうものを作ろうという計画があったのか?

【市長】 市の農業公社の業務のひとつとして荒廃農地の解消がありました。この荒廃農地で伯州綿を栽培したことから始まりました。栽培を始めた当時には、夢のような話だけれどもこれを将来事業化できればという思いはありました。

【記者】 現実的な話だと、伯州綿を製品化して売るより、ふとん綿のように伯州綿そのものを売ったほうが事業的には効率が良いのではないか?

【市長】 それでは栽培しただけで終わってしまいます。綿を紡いでベビー服であるとか、赤ちゃん用の毛布もできますし、綿を作って売るだけでは広がりがないと思います。

【記者】 製品をどのように生み出していこうと考えているか?

【市長】 市の直営ではなかなか難しいと思っておりますが、民間の事業者とどこまでタイアップできるのか、これから研究していきたいと考えております。

今、製品に使われている綿は、ほとんどが外国産のものです。私どもが栽培しているのは全くの無農薬で有機栽培したオーガニック・コットンであり、これが今非常に注目を浴びております。

弓浜絣の展示会には、伯州綿で作った製品も展示する予定です。

【記者】 壁掛けが伯州綿を使った初めての商品なのか?

【市長】 初めてです。実用的なものはこれから出していこうと考えています。

【記者】 今回の製品は市の農業公社で栽培した伯州綿のみを使っているのか?

【市長】 そうです。

【記者】 伯州綿の栽培面積は1.5ヘクタールということだったが、収穫量はどれくらいか?

【商工農政課長】 22年度は1.5ヘクタール栽培しており、収穫量はだいたい1500キロを見込んでおります。

参考までに21年度は1ヘクタールで栽培して、収穫量は668キロでした。このときも1000キロほどの収穫を見込んでおりましたが、天候不順で収穫量が落ちました。今年も春先天候が悪かったので、収穫量の心配をしているところです。

【記者】 弓浜半島の痩せた土地は、伯州綿の栽培には適しているのか?

【商工農政課長】 弓浜半島はもともと江戸時代から伯州綿の産地として栄えてきたところですから、そのあたりは問題ないです。

【記者】 今回の製品は21年度に栽培して収穫した668キロで作ったのか?

【商工農政課長】 そうです。

【記者】 残りはどうしたのか?

【商工農政課長】 紡績糸にして、ベビー服、タオルマフラー、靴下、タオル、赤ちゃんのお包み等の試作品を作っています。

【記者】 この壁掛けに次いで販売するのはどれか?

【商工農政課長】 この壁掛けは販売というよりもPR目的ですので、消費動向も見てどういった製品を販売するのかを研究したいと思います。

【記者】 完全無農薬か?

【商工農政課長】 そうです。虫が発生したら人力で取っています。

【市長】 畝に虫除けになるマリーゴールドを植えています。

【記者】 壁掛け100個は1週間~10日間くらいで売れる見通しか?

【水木しげる記念館館長】 そのあたりはなかなか読めませんが、朝のNHKドラマ「ゲゲゲの女房」にも一反木綿は出てきておりますし、来館者も多いということで、すぐ売れることを期待しております。

【記者】 大きな一反木綿は6mもあるとさすがに大きすぎるが、もう少しサイズを小さくすれば売れるのではないか?

【市長】 検討したいと思います。

【記者】 明日、水木しげるロード総決起集会があるが、200万人を目指すというような発言はあるのか?

【市長】 水木しげる記念館の入館者も水木しげるロードの入込客数も前年に比べて5割くらい多くなっています。朝のNHKドラマの「ゲゲゲの女房」の放送期間も秋までありますからその効果の大きさもあると思いますが、これは水木しげるロード振興会、ボランティア、観光協会、市等の人々の日々の取り組みが基本になっていると思います。200万人を目指すと言う方向になると思います。

【記者】 明日の水木しげるロード総決起集会の出席者は何人くらいか?

【市長】 50人くらいです。

【記者】 着ぐるみは何体来るのか?

【水木しげる記念館館長】 8、9体の予定です。

【記者】 赤ちゃんサミットは市民向けのイベントなのか?全国向けなのか?

【子育て支援課長】 全国にもPRしておりますが、主に市民の方に多く来ていただきたいと考えております。




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