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令和2年2月定例記者会見(2月19日開催)

市長会見要旨

 今回は、令和2年度当初予算案が編成できましたので、その概要について発表します。
 まず、予算規模です。一般会計で170億5000万円、特別会計8会計合計で102億8250万円、合わせて総額273億3250円です。前年比で6億61万円の減です。
 平成15年度から本格的な行財政改革を進めてきて、この間、相応の成果を上げてきました。市債残高の大幅縮減や財政調整基金をはじめとする基金残高の増加など、持続可能な財政基盤の確立が計られてきました。令和2年度については、境港市民交流センター(仮称)の建設や、防災行政無線システムの更新、そして第三中学校の大規模改造など、大型投資事業が加わる中にあって、多様化する市民ニーズに対応するために基金の有効活用を行なうなど、将来を見据えた財源配分を行なってきています。
 また、令和2年度が「境港まちづくり総合プラン」の計画最終年度にあたります。本市が将来都市像として掲げる「環日本海オアシス都市」に実現に向けた総仕上げの予算となるように、関連する事業には最大限に配慮して予算編成しました。
 予算のポイントです。
まず、一般会計の予算規模は170億5000万円です。対前年度比2億5000万円、率にして1.4%の減となっている予算です。これは過去最大でした令和元年度の173億円につぐ、過去2番目の予算規模となるものです。
 また、「境港市まちづくり総合プラン」の最終年度になるということで、この総仕上げをする予算編成としました。
 規律ある財政運営を徹底しました。既存事業の節減合理化として、一般的な行政経費と継続的な政策的経費について予算要求段階から-0.1%の枠配分として意を用いたところです。
 公債費の適正管理として、次世代に過大な負担を残さないように市債の発行、公債費の適正管理に努めました。大型投資事業も行なう中で、市債発行額は前年度に比べて減額となっています。今後も公債費は減少していく見込みです。市債の発行状況ですが、通常債は前年度比1億3000万円減の11億2000万円、臨時財政対策債を合わせても1億2000万円減の15億円となっています。市債残高の縮減については、ピークだった平成14年度には179億9000万円ありましたが、令和2年度には128億7000万円、率にして27.2%の減となっています。そして、交付税で措置される臨時財政対策債を除いた通常債で見ますと、ピーク時が171億5000万円あったものが、令和2年度末には74億3000万円、率にして56.7%と大幅な縮減をしました。借金の返済である公債費についても、ピークであった平成20年の18億円から令和2年度は12億8800万円となり、約5億1000万円縮減したところです。令和3年度以降も漸減していく見込みです。
 基金の有効活用については、行財政改革の成果等で積み増した基金を有効に活用して、様々な事業に活用しています。また、令和2年度について特徴的な事としては、財源調整的な基金からの繰り入れを大幅に減らす事が出来ています。令和元年度は2億9000万円ありましたが、令和2年度については、5000万円の繰り入れで抑えることができているということです。
 基金残高の状況ですが、行財政改革を始める前の平成14年には20億8800万円でしたが、基金の有効活用をしながらも令和2年度末では36億3800万円になる見込みです。
 以上が、予算の概要です。
 ここからは、主な事業の中から、新規事業を中心に特徴的な事業について説明いたします。
 まず、広域連携による一体的発展です。
中海・宍道湖・大山圏域市長会負担金として789万円計上し、引き続き圏域の一体的な発展を目指して5市、西部圏域の7町村と連携をして、しっかりと振興を図っていくための予算としています。
 全国ブランド「さかな」と「鬼太郎」を生かした経済振興です。
水産業6次化支援事業に2000万円計上していますが、これは市内の事業者のカニの詰め肉の処理加工ラインと上屋を新築するための補助金で、国・県・市からの助成です。市が6分の1の負担をします。
 次に、観光振興課の水木しげるロード4000万人突破記念事業補助金75万円です。4000万人の突破を記念して、記念セレモニーと記念事業をするものです。それから、Sea級グルメ全国大会in境港実行委員会負担金821万円です。10月24日・25日に予定されている、みなとオアシス全国協議会に加盟する港のSea級グルメを境港に集合していただいて、多くの皆さんに楽しんで頂く事業です。立候補はしておりましたが、令和2年度は境港市に当たりまして、実行します。場所は、境夢みなとターミナル周辺を予定しています。
 次に、水木しげるロード街なみ環境整備事業、これは駅前公園の改修です。駅前公園で照明演出、影絵を楽しめるようなものにするということで2849万円計上しています。
 一人ひとりを大切にした教育と福祉の充実です。
 『ほっとはあと』講演会開催事業に109万円計上します。これは社会にあるバリアを減らしていく必要性に気づく機会を作るということで、パラリンピック出場経験のあるアスリートをお呼びして講演会をします。次に、聴覚障がい児(者)コミュニケーション支援事業です。これは筆談セミナーを開催するほか、市役所の市民課の窓口に卓上対話型支援スピーカーを1台設置する費用を計上しています。
 次に、世帯第3子等副食費助成事業です。これは国の減免基準から外れる世帯の第3子以降の在園児の副食費を無料とするために、実施する支援です。これに589万円です。これは単市での支援です。次に、3歳児未満の保育料の引き下げに370万円です。過去、平成19年と25年に2度保育料を引き下げて子育て世代の経済的負担を軽減してきましたが、令和2年度に3回目の軽減策を講じます。次に健康推進課の中の、ロタウイルスワクチン予防接種助成事業に256万円です。今年からロタウイルスワクチンの定期接種化が始まります。国の基準では今年の10月以降に生まれた者が対象になりますが、市単独で同じ年に生まれた子どものうち4~7月生まれの者へ助成します。80人分程度見込んでいます。
 次に、小学校体育館改修事業です。老朽化した渡小学校の体育館の外壁や屋上防水、煙突等の改修を行なうもので、4496万円です。次に、外国語指導助手招致事業に1000万円と、中学校外国語指導業務委託事業1858万円です。これは令和2年度から小学校3・4年生に週1時間の英語の時間が設けられるということと、5・6年生は週2時間で教科化されることに対応するため、現在4人のALTの配置となっているところから、令和2年度の1学期は5人、2学期からは6人配置をしたいと思っております。これによって小学校は2校に1人の計3人、中学校は各校1人の計3人、合計6人を配置します。次に、第三中学校施設整備事業です。昭和59年建築でずいぶん老朽化が進んでいますので、外壁や屋上、給排水、トイレ、LED化を進める為の経費、3億5153万円です。
 安心で住みよい生活基盤の充実です。
 新屋町と財ノ木町の会館の耐震改修等事業は、基地周辺の振興策として実施するもので、令和元年度には小篠津町と三軒屋町、令和2年度は財ノ木町と新屋町、令和3年度には麦垣町と幸神町、と計画的に順次整備を行なっていきます。
 次に、渡地区集会所建設事業に628万円です。これは、渡町の集会所は、自治会所有・市所有など多く混在していて、この再編をする為に計画を進めていますが、最初に渡11区と18区の集会所を統合する、そのための実施設計をするものです。
 次に、防災行政無線システム更新事業に3億7627万円計上しています。デジタル化するため令和2年度に工事を行ないます。
 次に、小規模自治会合併支援事業です。令和2年度から3年間に期間をきって、小規模自治体が合併した場合に新たな自治会の運営や活動を支援する為の補助金を創設しました。これに80万円です。合併する自治体の数×3万円が定額で、プラス合併した自治会の世帯数×1000円を支援します。ただ、片方が100世帯を超える大きな自治会の場合はその分は数に含めない形になります。
 次に管理課の中で、生活関連道路整備事業として1億3622万円計上しています。令和2年度の大きな所としては、三軒屋―小篠津線の舗装の改修、市内全域の側溝改修をする予算です。
 次に、市営住宅建替事業に1億704万円です。これは老朽化した既存の住宅を集約し、一部建て替えを行なって、政策的空家対象の住宅の解体と管理戸数の縮減を図るものです。令和2年度は、1棟5戸の建設と2棟9戸の解体をします。
 次に生涯学習課の、美保基地周辺まちづくり整備事業です。これは境港市民交流センター(仮称)の建設事業費です。令和2年度は9億1131万円を計上していますが、3カ年度にわたる事業で総額は46億9936万円を見込んでいます。
 最後に、その他の取組みです。
 再生可能エネルギー活用調査・研究事業に1217万円計上しています。これは国の経済産業省のエネルギー構造高度化転換理解促進事業費補助金を活用し、リサイクルセンターなどの公共施設に送電できる太陽光発電を設置するもので、令和2年度は調査・設計費用を計上しています。これにかかる事業規模は2億円を見込んでいます。全額国の補助事業です。
 次に、多文化共生推進事業に33万円計上しています。これは外国人材が安心して地域で生活が送れるように、やさしい日本語の生活マップを作成したり、市役所や図書館に多言語音声翻訳機5台を導入したりします。
 次に、東京2020オリ・パラ聖火リレー開催事業です。5月22日に水木しげる記念館を出発し、県内の聖火リレーが始まる事になっています。その記念館前で式典を行なうものです。市内は、記念館から市役所までリレーが行なわれます。
 最後に、市民温水プール改修事業で1億7397万円です。大変老朽化が進んでおり、外壁や各種の設備等、老朽箇所を大規模に改修します。

 報告は以上です。

質疑応答

【記者】
 中村市長は既に勇退を表明されていらっしゃり、この予算編成が最後となりますが、予算編成に臨まれたお気持ちと総括を聞かせてください。
【市長】
 まずは令和2年度の予算を本格的な予算とするのか、骨格予算とするのか、という論があると思います。この予算は、境港市まちづくり総合プランの最終年度にあたりますので、しっかりと総仕上げをしていかなければならないと思います。そこで本格的な予算としたところです。
 私は、平成16年から4期16年にわたって市政を担当させていただきました。振り返ってみますと、就任当初は大変な財政状況でした。そういったことでまずはしっかりとした行財政改革を行なって、将来につながるような持続可能な財政基盤をつくるということが本当に急務でした。これについては、市民の皆さまにも一部負担を求めさせていただいたり、市職員の給与カットをしたり、内外でこのことに理解、そして支援をいただき、相応の成果をあげ、将来に向けて持続可能な財政基盤を作ることができました。至らない点も多々あったと思いますが、この最後の予算編成はまちづくり総合プランの総仕上げの予算として、私の気持ちを込めさせていただきました。
【記者】
 境港市民交流センター(仮称)の予算が、前年から半額程度になっているのはなぜですか。
【財政課長】
 令和元年度に前払い金相当として約4割、令和2年度にはその進捗を見まして約2割、令和3年度に完成払いとして最後の約4割を払うということとしています。
【記者】
 境港の土地柄、あるいはポリシーを生かした予算を、金額の多寡にかかわらず紹介ください。
【市長】
 令和2年度の予算は、境港市民交流センター(仮称)の建設、防災行政無線システムの更新、第3中学校の大規模改修、その他大きな投資事業があります。その中にあっても、市民ニーズの多様化にしっかりと対応したソフト事業についても、意を用いて施策を立てたところです。ソフト事業もたくさんありますが、特徴的なものとしては、幼児の教育無償化約4000万円、第3子の食費の助成に単市で約60万円、3回目の3歳未満児の保育料の引き下げなどで子育て世代の経済的な負担を軽減しています。また、出産の後いろいろなケアの必要があるということでデイサービスを利用できる制度がありますが、この個人負担部分を県と市で助成して個人負担無しとなります。ロタウイルスについても対象にならない子どもについて単市で助成しますし、児童生徒の英語教育支援ということで約2800万円計上し、2学期以降は6人体制で支援することに市独自でします。その他、アワビの養殖への助成もします。
【記者】
 16年にわたり予算編成のトップを努められましたが、各種団体や自治会要望がある中で、どう歳出を振り分けていくのかには苦労されたと思います。その中で自分なりのこだわりのようなものがあったと思いますが、今度新しい市長に代わっていったときに、こういう所には気をつけて欲しいというようなことがありますか。
【市長】
 平成16年の就任時から公明正大ということで、私利私欲を徹底して排さなければならないと思ってきました。偏らないということだと思います。特定の一派や勢力に偏らないということを徹底してきました。この16年間、首長を務めてきましたが、この仕事は大変大きな権限と権力を有しています。したがって、この権限・権力を公平・公正に判断して、自制をしながら行使していく、このことが行政のトップとして求められる資質だと思っています。
 私は退任いたしますが、境港はこれからまだまだ発展していくまちですので、そういった考え方をもってしっかりと市政を運営していっていただける者に引き続きお願いしたいと思っています。
【記者】
 水木しげるロード4000万人事業は、いつ頃を予定していますか。
【産業部長】
 4000万人達成の見込みとしては6月くらいです。ただ、イベントは皆さんに来て頂きやすい7~9月にと考えています。
【市長】
 4000万人は本当に大変な数字だと思います。大々的にやりたいと思います。
【記者】
 予算編成にあたって、どんな境港市にしたいとお考えですか。
【市長】
 本市の将来像に「環日本海オアシス都市」を掲げています。平成16年からこの仕事を担わせていただいていますが、これを目指して毎年度毎年度施策を講じて取り組んできました。環日本海オアシス都市のイメージするところは、人や物や情報やあらゆるものが行き交う、その中で暮らす人々が安らぎや潤いを感じながら、安心して暮らせるエリアをイメージしていまして、まだまだすべきことはたくさんありますが、少しずつでも、この都市像に近づいてきているのではないのかなと思っています。
 この令和2年度の予算についても、私の最後の予算編成ですので、そういった思いを込めて、さらに前進するように編成したところです。
【記者】
 今年度の予算編成はこういう所に重点を置いた、こういう予算だと見てください、というところを教えてください。
【市長】
 境港市まちづくり総合プランは5カ年の計画です。令和2年度はこの最終年度を迎えます。このプランの総仕上げの年です。ですので、プランに関連する事業に最大限財源を配分して、施策を講じました。
 環日本海オアシス都市の実現を目指しています。人や物や情報が大いに交流するところが整ってきましたが、それと合わせて市民の皆さんがこのエリアで潤いや安らぎを感じながら安心して暮らせるまちづくりを進めていまして、そういった意味で、高齢者対策や少子化対策、教育環境の整備などには引き続いて予算を重点配分して取り組んできました。
【記者】
 環日本海オアシス都市の実現に向けて配分した予算の中で、市長が一番思いがあるものを挙げていただいて、そこに対する思いを聞かせてください。
【市長】
 環日本海オアシス都市の実現に向けては、この事業をもって終わりといったことではなくて、平成16年度からさまざまな施策を講じて、毎年度毎年度それに少しでも近づけるように一所懸命努力してきていまして、令和2年度もそれと同じように様々な事業を用意して、総仕上げとしたいという気持ちを込めて編成しました。
記者会見資料[pdf:24KB]



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