施政方針要旨(平成30年2月28日)

今期定例市議会において、平成三十年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考え方を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。

議員各位におかれましては、このたびの市議会議員一般選挙において、めでたく当選されましたことに対し、心からお慶びを申し上げます。これからも皆様とともに、境港市勢の伸展と市民福祉の向上に、誠心誠意取り組んでまいりたいと存じます。

さて、我が国が本格的な人口減少社会を迎え、また首都圏や大都市への人口集中に歯止めがかからない中、持続力のある魅力的な地域づくりに向けた「地域の底力」が問われております。

 本市におきましては昨年、「境港」では、クルーズ客船や環日本海国際フェリーの乗客数が、いずれも過去最高を記録しました。また「米子鬼太郎空港」では、ソウル便や香港便の利用率が好調に推移する中、ソウル便は就航からの累計搭乗者数が五十万人を達成しました。さらに「境漁港」では、水揚げ金額が三年連続で二百億円の大台を突破するなど、本市の有する港湾・空港・漁港「三つの港」それぞれが、記録に残る年でありました。

 このことは、まさに本市が将来都市像として掲げる「環日本海オアシス都市」の実現に向けた様々な取り組みが実を結んできているものと考えております。

 今後、こうして積み上げてきた実績を土台として、竹内南地区貨客船ターミナル整備や高度衛生管理型漁港・市場整備といった大型事業を着実に前に進め、確固たる社会基盤を確立し、あわせて最大限の利活用を図っていくことが飛躍の鍵であります。

 私は、これまで市政運営の柱として「連携と共栄」を掲げ、中海・宍道湖・大山圏域の連携による一体的な発展をめざして取り組んでまいりました。

圏域の共有財産であり、圏域の発展に欠かすことのできない「三つの港」の機能強化・充実が進み、さらには圏域観光の核となる「水木しげるロード」が生まれ変わる今、より強固な連携のもと、魅力あふれ活力ある圏域づくりを牽引してまいります。

 また一方で、本市の文化・芸術・交流の拠点となる仮称・境港市民交流センターの建設や地区会館、集会所の改修のほか、子育て支援や高齢者福祉の充実、市民の健康づくりなど、暮らしに根ざした施策につきましても積極的に展開し、「公明正大な市政 市民と共に築く風格あるまち」の理念のもと、「心豊かに安心して暮らせるまち」の実現に向けて、規律ある行財政運営と協働の推進、経済の活性化と都市基盤整備、市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実に全力で取り組んでまいります。



一.規律ある行財政運営と協働の推進

○平成三十年度当初予算案について

平成三十年度の予算につきましては、歳入において、法人市民税の増加などにより市税の増額が見込まれる一方で、地方交付税は大幅に減少することから、一般財源総額としては減額が見込まれる厳しい状況を踏まえ、国費等の有利な財源の確保や、ふるさと納税を財源として積み増した基金の有効活用を図ることにより、市債借入の抑制等にも努めたところであります。
また、歳出におきましては、経費全般の節減合理化に努めるとともに、本格化する仮称・境港市民交流センターの建設関連事業をはじめ、「境港市まちづくり総合プラン」に基づいた観光及び水産業の振興、教育環境の充実、子育て支援など、地域の活性化や多様化する市民ニーズに対応していけるよう配慮して編成しております。

○協働のまちづくりの推進について

 まちづくりの原点として、提唱してまいりました「協働のまちづくり」は、人口減少社会にあって、その重要性が高まりつつあります。
引き続き、行政、自治会、市民活動団体、事業所などそれぞれが、果たすべき役割と責任を分担し、連携しながら、住みよいまちを創り上げていくための取り組みを進めてまいります。
また、市民活動の拠点である「市民活動センター」につきましては、市民会館の解体に伴い、一時的に「しおさい会館」に移しますが、市民活動が停滞することのないよう、支援してまいりたいと考えております。


二.経済の活性化と都市基盤整備

○中海・宍道湖・大山圏域の連携について

中海・宍道湖・大山圏域市長会では、これまで「圏域の振興ビジョン」や、「圏域版総合戦略」に基づき、一体的な発展をめざした事業を展開してまいりました。
平成三十年度は、「中海・宍道湖・大山圏域インバウンド機構」における、国内外への観光プロモーションや「産学・医工連携推進協議会」における医療機関と企業のマッチング支援などの取り組みを一層推進してまいります。


○環日本海交流の推進について

環日本海国際フェリー航路は、昨年、平成二十一年の就航以来の乗客数が二十万人を達成するとともに、年間乗客数も初めて三万人を突破し、これまで当圏域が一体となって取り組んでいる外国人観光客の誘客に大きく貢献しました。
 しかしながら、原油価格の高騰などもあり、運航会社の事業収支は自立的な運航が可能な水準に達していないことから、航路の維持や拡充に向けた取り組みを後押しするため、一年間の支援を継続してまいりたいと考えております。

 米子鬼太郎空港につきましては、一昨年就航した香港便が好調に推移しているほか、三月までの期間限定であったソウル便の週五便化が十月まで延長されるなど、山陰から世界へのアクセスが拡充しました。引き続き、関係者とともに、一層の国際化に取り組んでまいります。

 本年は、中国・琿春市との友好都市提携二十五周年の節目の年であります。これまで、両市で様々な分野において交流を重ね育んできた友好を祝すとともに、一層の交流促進と相互発展に向けて、この夏、琿春市で開催される第二十四回環日本海拠点都市会議に合わせ、二十五周年記念行事を実施する計画としております。

○観光振興について

 本年は、水木しげるロード誕生二十五周年を迎えます。また、水木しげる記念館開館十五周年、ゲゲゲの鬼太郎アニメ第六シリーズが放映開始されるという節目の年であることから、記念セレモニーや水木しげる記念館の展示リニューアルなど年間を通じてイベントを実施することとしております。

 水木しげるロードリニューアル事業につきましては、これから七月のオープンに向けて、一部の道路改良工事と照明設備の設置、最終段階である車道の舗装工事を進めてまいります。
また、生まれ変わった水木しげるロードをより多くの皆様に楽しんでいただけるよう、情報発信の強化をはじめ、水木しげる記念館の開館時間のさらなる延長など、夜の賑わい創出に努め、沿道の商店街とともにロードの魅力を演出してまいります。

「街なみ環境整備事業」を活用した水木しげるロード沿道の景観形成につきましては、沿道の方々が策定した「街づくり協定」において、水木しげるロードと調和した景観形成に関するルールを定められたところであり、平成三十年度からこのルールに従い店舗等の外観改修整備などを行う方への支援を開始することとしております。

広域の観光振興につきましては、「大山開山千三百年祭」、「不味公二百年祭」などの大型イベント、また、全国のJRグループ挙げての「山陰デスティネーションキャンペーン」が実施されます。この圏域にとって、またとない全国発信の好機となるため、本市においても関連事業の実施などを通じて、イベント・キャンペーンの成功に向けて尽力してまいります。

昨年、境港へのクルーズ客船の寄港は六十一回で、国内外から過去最高の約六万七千人のお客様にお越しいただきました。本年は、国際情勢等の影響から、寄港回数の減少が見込まれ、さらに、国内でのクルーズ船誘致合戦が年々激しくなっていることから、境港管理組合や、圏域の自治体と連携を図りながら、おもてなしの充実や誘致活動に努めてまいります。

○水産業の振興について

境漁港における平成二十九年の水揚げ量は、十二万八千トン余で、全国第五位、水揚げ金額は、二百五億七千万円余で、全国第八位でありました。

境漁港の高度衛生管理型漁港・市場整備につきましては、現在、陸送上屋や一号上屋の新築工事が進められているところであります。
本市としましては、新たな市場への円滑な移行に向けて、鳥取県と連携して電動フォークリフトの整備費を助成するほか、県の助成対象とならないプラスチック魚箱やパレットの整備につきましても支援してまいります。

また、老朽化した沖合底引き網漁船とかにかご漁船の代船建造への支援を、国・県・関係団体と連携して行うほか、新たに沿岸漁業に就業する漁業者の漁船等の取得も支援してまいります。

市内に在留する水産関連企業の外国人技能実習生は、年々増加傾向にあります。こうしたことから、実習生と地域住民などとの交流を通じて、円滑な地域生活の確保を図るとともに、本市の魅力を伝えることで、実習生にとって住みよい魅力あるまちとなるよう、受入企業などと連携して交流事業を実施してまいります。

〇農業の振興について

本市では、これまで鳥取県をはじめ関係機関と連携し、青年就農交付金などの諸事業を活用しながら、白ネギづくりに参入する新規就農者や若手農家への支援を行うなど、農業者育成に精力的に取り組んでまいりました。
現在では、農業法人や若手農家など意欲ある農業者が誕生し、農地に対する需要も高まっているところであります。
こうした農地需要を背景に、新たに、国の農地耕作条件改善事業を活用した農地再生事業に年次的に取り組むこととしており、平成三十年度は給食センター南側約0・八ヘクタールの農地再生に取り組みます。
さらに、余子地区の産業中央線沿いに広がる耕作放棄地約二・九ヘクタールのうち、まずは試験的に水田0・三ヘクタールについて畑地への再生に取り組み、この結果を踏まえて、年次的な耕作放棄地の再生を検討します。
なお、再生した農地については、「農地中間管理事業」を活用し、農地需要の高い若手農家を中心に利用していただけるよう集積を図ってまいります。

また、土層改良事業等にも引き続き取り組み、農業所得の向上や県外の産地に負けない力強い白ネギ産地づくりを進めてまいります。

○中海護岸整備について

国土交通省による中海護岸整備にあわせて本市で実施しております渡漁港周辺の整備につきましては、平成三十年度末の完成をめざして旧漁港跡地に内水排除施設の整備を行います。
 また、国土交通省に委託しております市道渡八十四号線の整備に伴う樋門の改築工事は、本年八月に完成の予定となっており、続いてこの市道の整備に取りかかることとしております。渡漁港周辺地区の安全・安心で快適な生活環境の実現に向け、平成三十二年度の完成をめざして旧漁港周辺の道路や多目的広場の整備に鋭意取り組んでまいります。

 西工業団地の整備につきましては、本年度から国土交通省による貯木場開口部周辺の護岸整備が行われておりますが、開口部の締切工事につきましても貯木場所有者との協議が概ね整ったことから、平成三十年度の着手に向け準備が進められることとなっております。

○港湾整備について

竹内南地区の貨客船ターミナル整備事業につきましては、国土交通省において、海底の地盤改良工事等が引き続き進められ、また、境港管理組合においては、いよいよ旅客上屋の建設工事が始まります。
平成三十一年度の完成をめざし、圏域の関係機関等と連携し、国や県への要望活動など、事業の進展につながるような取り組みを積極的に行ってまいります。

 また、国内RORO船定期航路の開設に向けた取り組みにつきましては、苫小牧港と敦賀港を結ぶ既存航路を境港まで延伸した試験輸送が、今月から毎月一回のペースで行われる予定であり、境港流通プラットホーム協議会が中心となって結果の検証とともに定期航路化が検討されます。

○道路等の整備について

 本市における道路網は、基本的に概成していると考えており、今後は、既存幹線道路のリニューアル、はまるーぷバス路線等となっている準幹線道路や狭あい道路の拡幅整備に鋭意取り組むほか、道路ストック点検や通学路点検、自治会要望等をもとに、対策が必要とされる箇所の整備を計画的に進め、快適な市民生活の基盤となる市道の整備に努めてまいります。

また一方で、国道・県道の整備につきましては、圏域共有の財産として機能の強化・充実が進む「境港」や「境漁港」のさらなる発展に不可欠な道路ネットワークの構築と、原子力災害時における信頼性の高い避難ルートを確保するため、米子・境港間の高規格幹線道路や県道渡余子停車場線のバイパス整備及びJR境線との立体交差について、引き続き国や県に要望してまいります。

○夕日ヶ丘団地の市街化促進について

 夕日ヶ丘団地につきましては、好評をいただいております定期借地権制度の利用や、大型商業施設の進出による生活の利便性の向上などを要因として、近年、民有地を含めた年間住宅建築件数は約三十件と順調に推移しております。
また、団地内には、新たに小規模保育事業所や障がい者向け生活介護事業所が進出し、これらに続く商業施設の誘致に、引き続き取り組んでまいります。

国土交通省が中海沿いで整備を行っております親水護岸につきましては、順調に工事が進んでおり、本年夏頃には水辺に親しむ憩いの場が新たに誕生します。この水辺空間と夕日ヶ丘メモリアルパークをはじめ、周辺エリアが一体となるまちづくりを推進し、新たな賑わいの創出と団地のさらなる魅力向上に努めてまいります。

○公共下水道事業について

平成三十年度の公共下水道の整備につきましては、市道外港外江線で汚水幹線を整備するほか、渡町・外江町で汚水枝線の面整備を予定しており、平成三十年度末の公共下水道の普及率は約七十五%を見込んでおります。
下水道センターにつきましては、既存の汚泥処理設備や沈砂池設備の長寿命化を図るための改築工事を引き続き進めてまいります。

〇市営住宅の整備について

 現在、市内三か所に点在し老朽化により新たな入居を停止している長屋建て住宅全八十四戸の取り扱いをはじめ、その他の中層住宅の改修や建て替えなど、必要となっていた市営住宅の整備計画を本年度策定しました。
 進行する人口減少や近年の民間賃貸住宅の増加等を考慮して、将来的な管理戸数を縮減しつつも、低所得の高齢者、障がい者、子育て世代など住宅確保が難しい世帯に対するセーフティネット機能が十分果たせる内容とする基本的な整備方針を定めております。
 その中で、老朽化した長屋建て住宅については、高齢者等に配慮した平屋の木造長屋建て住宅として、誠道地区に集約し六棟合計三十戸で建て替えることとしており、平成三十年度には実施設計に着手します。


○防災対策について

 今月四日からの断続的な降雪により、最大で六十四センチの積雪を記録し、また厳しい低温状態が続いたこともあり、市民生活への影響や白ねぎの葉折れなどの被害がありました。

市道の除雪につきましては、幹線道路や「はまるーぷバス」の運行経路等、全体の約三分の一にあたる百九キロメートルの除雪を実施しましたが、路面に圧雪が残る等の課題もありました。

市では、今回の対応を改めて検証し、関係機関等と一層の情報共有を図るとともに、効率的、効果的な対策につなげてまいります。

また、積雪時においても自助・共助の取り組みを推進し、要配慮者宅の除雪等も自主防災組織等とともに取り組んでまいりたいと考えております。

現在、本市では原子力災害対策として、島根原子力発電所での事故に備え、公民館等の一時集結所に安定ヨウ素剤を備蓄しておりますが、加えて、緊急時に一時集結所での受け取りが困難な方で、医師等の問診により事前配付することに問題のない希望者に、安定ヨウ素剤の事前配付を行います。

また、防災行政無線を利用した全国瞬時警報システムの受信機を更新するほか、各種防災訓練や自主防災組織の育成などにも、引き続き取り組んでまいります。


 ○環境施策について

市民の生活環境を保全し、快適なくらしを守っていくため、協働と広域連携の視点をもってごみの適正処理と環境対策に取り組みます。

ごみの処理につきましては、米子市に焼却を委託している可燃ごみなど、引き続き広域処理を進めながら、減量化や効率的な収集に努めてまいります。特に、ごみの収集に当たっては、市民の理解と協力のもと、分別の徹底や資源化に力を入れ、古紙や資源ごみの分別、廃品回収はもとより、軟質プラスチック類や衣類・布団類の固形燃料化、生ごみや枝木の堆肥化、使用済み紙おむつの補助燃料化などといった再資源化を進めることによって、循環型社会をめざし、環境への負荷をできる限り低減してまいります。

環境対策につきましては、中海・宍道湖一斉清掃をはじめ、地域での清掃活動などに協働して取り組むとともに、住民では清掃が困難な側溝を市で実施する地区別側溝清掃を継続するほか、不法投棄や環境問題などの予防や迅速な対応に努めてまいります。

○基地対策について

 航空自衛隊美保基地では、本年度末までに、C-2輸送機が一機追加され合計五機となり、さらに大型輸送ヘリCH-47が二機配備される予定であります。
また、昨年二月に同意しました、輸送機の配備計画に伴う地域振興策の一環として、平成三十年度から中浜地区の集会所耐震改修等を順次実施してまいります。
今後も輸送機や大型輸送ヘリの追加配備に加え、空中給油・輸送機の配備計画も控える中で、基地や国に対して、安全面の徹底を引き続き求めてまいります。






三.市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実

○学校教育の充実について

学校教育の充実につきましては、「一人一人を大切にした質の高い学校教育の推進」を目標として掲げ、新学習指導要領の実施に向けた準備を進めるとともに、道徳教育や国際理解教育、英語教育の充実を図ることなどに重点的に取り組んでいるところであります。

 「コミュニティ・スクール」の導入につきましては、現在準備を進めている第一中学校区に加え、平成三十年度からは、第三中学校区でも準備を始めます。
また、学校の組織力を高める研修や、教職員のキャリアに応じた研修について、大学等の教育機関の協力を得ながら、引き続き取り組むとともに、教職員の働き方改革につきましても、国や県の方針を踏まえ、学校と協議を重ねながら、改善を進めてまいりたいと考えております。

小中学校の適正規模、適正配置につきましては、昨年十月にいただきました校区審議会の最終答申を踏まえ、学校編成の具体的な方策を検討しているところであります。特に、誠道小学校を含めた第二中学校区の在り方については、平成三十年度中に方針を固めたいと考えております。

学校給食調理業務の民間委託につきましては、献立の作成、食材料の調達・検収及び食育指導といった給食の根幹に関わる業務を引き続き、市が責任を持って実施した上で、調理や洗浄などの業務について、平成三十一年度を目途に民間委託へ移行する方針で取り組んでまいります。
 調理業務の民間委託にあたりましては、学校、児童生徒と保護者への説明を適時行いながら、計画的に導入したいと考えております。

○社会教育について

 仮称・境港市民交流センターの整備事業につきましては、平成三十一年度の工事着手をめざし、引き続き実施設計及び管理運営計画の策定作業を行います。
また、本年五月から市民会館等の解体工事に取りかかる予定としております。なお、市民会館の閉館にあたり、四月末にコンサートや写真展を開催することとしております。

クロアチアを拠点とするセーリングのレーザー級合同チームが、平成三十一年度に美保湾で開催される世界選手権や、翌年の東京オリンピックに向けたキャンプを境港公共マリーナで行うことが決定しました。今後、五月頃に鳥取県や鳥取県セーリング連盟などとともに、キャンプ実施委員会を立ち上げ、鋭意受入の準備を進めてまいります。

○子育て支援の充実について

開設三年目を迎える「子育て世代包括支援センター」では、専門職による顔の見える支援の充実を図るため、支援が必要な家庭を訪問し、一緒に育児や家事を行いながら、子育ての不安や悩みの解消を図る家庭訪問型支援に新たに取り組みます。
また、ファミリー・サポート・センターの利用助成対象を、ひとり親世帯に加え、0歳児の在宅育児世帯にも拡大してまいります。

 保育需要が年々高まっている三歳未満児への対応につきましては、保育士の確保や設備の充実等に引き続き取り組んでまいります。

○障がい者福祉の充実について

 平成三十年度からの本市福祉行政の方向性を定めた「境港市地域福祉計画」や、障がい者施策に関する基本的な計画などを定めた「境港市障がい児者プラン」に基づき、障がいのある方もない方も、地域で暮らす人々がお互いに、助け合い、支え合い、住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる共生社会の実現をめざしてまいります。

 新たな取り組みとして、鳥取県聴覚障害者協会と共同で、聴覚障がいのある方の実態把握のための訪問調査を行い、障がい福祉サービスの周知を図り、利用につなげるとともに、生活するうえでの、要望や意見をお聞きしたいと考えております。

○高齢者福祉の充実について

平成三十年度から三十二年度の三年間を事業期間とする「第七期境港市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、認知症対策の充実や地域見守り支え合い体制の構築、「地域包括支援センター」の機能強化などに取り組んでまいります。
また、これまでの様々な介護予防事業等により、市民の健康寿命の延伸に対する関心が高まってきており、平成三十年度は新たに、「栄養」・「運動」・「社会参加」を基本とした住民主体で取り組む介護予防の環境づくりを支援してまいります。

介護保険料につきましては、サービス受給者数の増加が見込まれる中で、今後三年間の介護保険給付費等を勘案し、月額基準額を約二・四%引き上げることとしております。
被保険者の皆様には負担の増加となりますが、制度を維持していく上で、必要不可欠なものとしてご理解を賜りますようお願い申し上げます。

○市民の健康づくりについて

市民の健康づくりを推進し、健康寿命の延伸による将来の医療費や介護費用の抑制を図るため、「健康増進計画」、「食育推進基本計画」、「自死予防対策計画」を包括した「仮称・境港市健康づくり推進計画」を策定します。

この計画は、本市の健康づくりの将来ビジョン、健康目標達成のための数値設定や具体的な行動内容等を定め、生活習慣病の予防や重症化の阻止、介護予防等の様々な健康課題に対して、行政と市民・事業者が連携して取り組む事業などを盛り込み、共に実践していくことで、将来にわたる市民の健康増進を図ることを目的とするものであります。


○国民健康保険について

国民健康保険制度は、平成三十年度から都道府県が財政運営の責任主体となり、保険税の算定方法が納付金方式に変わります。

新制度では、都道府県が、市町村ごとに医療費や所得水準等に応じて保険税の総額を算定し、この総額をもとに市町村が保険税を賦課・徴収して、都道府県に納めることになりますが、本市におきましては、この保険税として集めるべき総額が、本年度の賦課総額より増額することとなりました。

また、市では、保険税の中の「資産割」について課題があることから、このたびの制度改革に合わせ資産割廃止も含めた、平成三十年度の保険税の改定について、国民健康保険運営協議会に諮問し、一月二十六日に答申を受けたところであります。

本市としましては、協議会の答申に沿って、平成三十年度の保険税においては、制度改革に伴う増額部分に対し、市独自の激変緩和措置として国民健康保険基金を充当することにより、賦課総額において影響のないように据え置くとともに、賦課方式においては、資産割を廃止することに伴い、所得割・均等割・平等割の保険税率を改定することとしております。
被保険者の皆様には、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。


以上、本市を取り巻く状況並びに平成三十年度に臨む市政運営の基本的な考え方について、その概要を申し述べました。

具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。







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