行政コスト計算書を公表します |
バランスシートは、地方公共団体の資産、負債等の状況を明らかにするものですが、地方公共団体の行政活動は、人的サービスや給付サービスなど、資産形成につながらない当該年度の行政サービスが大きな比重を占めています。 そこで、地方公共団体の全活動を総合的に分かりやすく説明する観点等から、資産形成につながらない当該年度の行政サービスの提供状況を説明する手法として「行政コスト計算書」を試算しました。 |
<バランスシートと行政コスト計算書の関係>
資産形成につながるもの ![]()
![]() 人的サービス、給付サービス等 資産形成につながらないもの
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行政コスト計算書は,企業会計の「損益計算書」に相当するものですが,「損益計算書」という呼称は,期間損益計算を前提にするものであり,営利活動を目的としない地方公共団体の財務活動にはなじまず,行政コストを説明する計算書としての意義が重要であることから,「行政コスト計算書」の名称を用いることとしています。 |
平成13年度境港市行政コスト計算書
(自 平成13年4月1日 至 平成14年3月31日)
(単位:千円)
目的別費目 | 費 目 の 主 な 内 容 | 行 政 コ ス ト | ||||
合計 | 人にかかるコスト | 物にかかるコスト | 移転支出的なコスト | その他のコスト | ||
議会費 | 市議会に関わる経費 | 203,035 | 187,766 | 13,172 | 2,097 | 0 |
総務費 | 市の財産管理、広報、情報処理等に関する経費 | 1,329,109 | 761,186 | 416,270 | 151,653 | 0 |
民生費 | 障害者、高齢者、保育所、生活保護等に関する経費 | 3,116,750 | 516,003 | 220,763 | 2,379,984 | 0 |
衛生費 | 保健衛生、ごみ処理、し尿処理等に関する経費 | 1,538,598 | 479,982 | 785,846 | 272,770 | 0 |
労働費 | ファミリーサポートセンター、シルバー人材センター等に関する経費 | 7,147 | 0 | 7,056 | 91 | 0 |
農林水産業費 | 農業委員会、農林水産業の振興等に関する経費 | 239,608 | 75,079 | 102,606 | 61,923 | 0 |
商工費 | 各種資金融資や観光振興等に関する経費 | 230,453 | 62,162 | 42,511 | 125,780 | 0 |
土木費 | 道路、街路、公園、区画整理事業や市営住宅等に関する経費 | 2,049,343 | 173,053 | 976,833 | 899,457 | 0 |
消防費 | 消防、救急活動等に関する経費 | 510,985 | 4,743 | 57,800 | 448,442 | 0 |
教育費 | 幼稚園、小中学校、公民館等に関する経費 | 1,450,188 | 439,579 | 907,683 | 102,926 | 0 |
災害復旧費 | 災害復旧工事等に関する経費 | 2,128,544 | / | / | 0 | 2,128,544 |
公債費 | 地方債(利子)の償還等に要する経費 | 413,987 | / | 66 | / | 413,921 |
不納欠損額 | 徴収が不可能と認定された税金等 | 69,484 | / | / | 0 | 69,484 |
合 計 | 13,287,231 | 2,699,553 | 3,530,606 | 4,445,123 | 2,611,949 |
行政コスト計算書からわかること
境港市の平成13年度の行政コストは約132億8700万円(市民1人当たり35万3千円)です。 これを性質別に見てみると、移転支出的なコストが全体の33.4%を占めており、次いで、物にかかるコストが26.6%、人にかかるコストが20.3%、その他のコストが19.7%となっています。 次に、目的別で見ると、民生費が全体の23.5%、災害復旧費が16.0%、土木費が15.4%、衛生費が11.6%と続いています。 行政コスト計算書は、資産形成以外にどれくらいサービスを提供したかを表しています。 例えばバランスシートでの有形固定資産では民生費の構成比は2.1%ですが、行政コスト計算書では、23.5%のコストを使っています。 このことは、民生費は資産の形成ではなく障害者・高齢者・保育所などに消費するコストが多いことが読み取れます。 |
利益を目的として活動している企業においては,売上原価,販売費・一般管理費等に分類するのが一般的ですが,営利活動を目的としない地方公共団体においては,そうした分類は適当ではなく,「人にかかるコスト」,「物にかかるコスト」,「移転支出的なコスト」,「その他のコスト」のように性質別の分類及び「土木費」,「民生費」,「教育費」といった目的別の分類で計上しています。 |
行政コスト計算書の作成基準
(総務省が示した指針に準拠)
(1)対象となる会計 | ||||||||
普通会計 | ||||||||
(2)作成基礎数値 | ||||||||
決算統計データを基礎とし、行政サービスに要した全コスト (現金支出に減価償却費、不能欠損額、退職給与引当金)を計上 |
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(3)行政コスト | ||||||||
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