平成15年10月27日 |
平成16年度当初予算編成方針
1 本市の財政事情 本市の財政事情は、デフレ不況、水産業の長期不振等により市税が大きく落ち込む一方、過去におこなった投資や震災等により市債残高が累増し、その償還に充てる公債費や、生活保護・高齢化等に伴う扶助費等の義務的経費が増大し財政構造が硬直している。 今後、市税や地方交付税を始めとする一般財源の減収が見込まれ、また、定年退職者数の激増による人件費の伸び等が見込まれていることから、数年後には基金が底を尽き、赤字団体へ転落しかねないという、将来展望は正に危機的なものとなっている。 また、国においては国庫支出金、地方交付税、税源移譲を見直す三位一体の改革が議論されているが、税基盤の脆弱な本市にとっては、この点においても予断を許さない状況である。 このような状況下、一定の市民サービスを維持し単独市政存続を可能とするための選択肢は厳しいものとならざるを得ず、中長期展望の下、行政改革大綱に基づき全庁的に徹底した制度改革・歳出改革等を積み重ねることが不可欠である。 以上の厳しい現状を踏まえ、平成16年度当初予算は、昨年度スタートした予算編成方式(一般会計ベースでの枠配分)の基本方針を一層徹底し編成することとする。 2 基本方針 @実質的なプライマリーバランスの黒字化、基金繰入の最大限の抑制 平成15年度当初予算においては、職員の給与カット等により、収支均衡を保ったが、平成16年度以降については大幅な財源不足が予測されている。 このような厳しい将来を展望し、持続可能な財政構造の確立に向け、実質的なプライマリーバランスの黒字化の継続、基金繰入の最大限の抑制を目標に予算編成を行うこととする。
A中期見通しを基本とした枠配分方式(一般会計ベース)による予算編成 このほど策定した中期的な財政見通しを基本とし、一般財源の総額を把握した上で、各部にそれを割り当てる枠配分方式を実施することとする。 ただし、平成15年度は全事業を対象に枠配分したが、平成16年度については、全体事業を投資事業(B経費)とその他事業(A経費)に二分し、A経費についてのみ各部に一般財源を配分する方式とする。 なお、B経費については、先に行った総合計画ローリングのヒアリング結果をベースに事業の選択をすることとするが、本市の財政構造上、投資事業の実施は基金の取崩しに直結するという現実を踏まえ、緊急度等を十分精査し要求することとする。
B各部(課)が主体性と責任を持つ庁内分権型の予算編成 総額抑制の中では予算配分の重点化、効率化を図ることが重要な課題となる。 各部においては諸制度の根幹に立ち返り、歳入の確保や徹底した歳出の見直しや施策の優先順序化等を行う中で、各部(課)が主体性と責任を持つ庁内分権型の予算編成を進めるものである。 前年度につづき、要求書提出までの期間を十分とっているので、過去の慣例に捕らわれず社会経済情勢の変化等を鑑み既存のあらゆる施策について、様々な角度から徹底した見直しを行い、歳出の合理化を図ることとする。 ※十分な部(課)内調整を 枠配分方式が成果を上げるためには、各部課内での調整が重要なことは言うまでもない。特に各課長においては、予算編成方針に従い、所属職員に的確な指示・調整を行い、例えば、優先順位が高い事業であっても内部経費の節減努力がなされていないため要求額が膨らみ、他の事業が要求枠に収まらないといったことがないよう、各部内調整の場で、市民の目線で公平な調整が行われるように努められたい。 また、各部に配分される一般財源は前年に増して厳しいものとなっているため、要求枠にはまらない事業が生ずることが予測されるが、各部の要求は最終的に市全体を見渡し市長が最終調整するので、前年同様、要求枠に収まらなかった事業についても、優先順位をつけた枠外事業一覧表を提出することとする。 なお、要求書の作成に先立ち早急に一定の方針を示すべき課題(例 12月議会に条例制定の必要のあるもの)等について、財政課、行財政改革推進室が、事前に各主管課と協議することとする。 3 予算要求基準 @歳入
A歳出
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