平成23年4月定例記者会見

市長会見要旨

 本日の報告事項は3件あります。
 1件目は、中期財政見通しについてです。
平成19年12月に境港市の将来の財政運営方針を定めた中期財政計画を策定しました。中期財政見通しは、この計画を基に毎年度当初予算編成後に近未来を推計し、明らかとなる課題の把握を行い、将来に向けての規律ある財政運営を行うための指標として活用します。
 推計期間は平成28年度までの5カ年間で、参考までにさらに5年間の推計を試みています。
 推計の考え方は、歳入は、市民税が横ばい、固定資産税は評価替え等の影響を考慮。臨時財政対策債は平成23年度をベースに毎年度4分の1ずつ減額し、その減額分の4分の1を地方交付税に上乗せしています。歳出は、義務教育施設の改修、中海護岸整備、夕日ヶ丘公園墓地整備などの大型事業を盛り込み、そのほかは例年どおりの見込みです。
 推計の結果、平成32年度に黒字転換となる見込みです。各年度の財源不足は最大でも2億円程度であり、現在の積立基金状況から考えて深刻な状況になるとは考えていません。普通建設事業費は平成25年度がピークとなり、平成27年度以降も一定の事業枠を確保できる見込みです。公債費は年々減少し、平成32年度以降には12億円未満に抑制される見込みです。

 2件目は、全国コットンサミットへの参加についてです。
 5月21日に大阪府岸和田市で第1回全国コットンサミットが開催されます。伯州綿の産地として境港市も参加します。5市町村(4市1町)が参加し、綿関連団体や経済界も参加します。サミットを通じて伯州綿の栽培を進め、将来的に産業の域まで高めていきたい。来年、境港市でサミットを開催する予定にしています。

中期財政見通し[pdf:137KB]

全国コットンサミット[pdf:88KB]

質疑応答

【記者】4市1町とはどこか?
【市長】境港市以外は、香川県観音寺市、奈良県広陵町、奈良県大和高田市、大阪府岸和田市です。
【記者】どういった経緯で開催か?
【市長】トークショーを行う大正紡績株式会社の近藤部長は綿製品の第一人者で広い人脈をもっている。この方を中心に和綿をもっと普及させていこうという想いから開催に至った。
【記者】5市町は綿の栽培をしているのか?
【市長】そうです。
【商工農政課】広陵町は靴下の産地。観音寺市は讃岐三白ということで県と一緒になり、綿・砂糖・塩を地域おこしとして取り組んでいる。綿作りが盛んな地域を中心に実行委員会が立ち上がった。
【記者】来年境港で開催される経緯は?
【市長】近藤部長が境港の取り組みに大変共感しており、境港を応援しようという想いからではないでしょうか。
【記者】全国コットンサミット実行委員会には境港市は加入済みか?
【市長】そうです。
【商工農政課】実行委員会という組織があり、さらに5市町や商工会議所の会頭が組織する常設の会長会という組織があります。実際のコットンサミットは実行委員会が運営します。5市町の関係者以外に繊維産業に関係のある方が実行委員会に参加しています。近藤部長が実行委員長です。
【記者】加盟者数は?
【商工農政課】実行委員会が事務局を含めて30人。会長会は9人で構成。会長会の正式名称は全国コットンサミット会長会です。会長会の中で開催地を順番に変えていきます。開催地が会長会の会長を務めます。来年は境港市での開催が内定しておりますので、境港市長が来年は会長になります。決議文をサミット後に発信します。
【市長】近藤部長には境港にお越しいただき綿を見てもらい、質がよくすばらしい素材だと評価してもらいました。
【記者】コットンサミットを今開催するのはどうしてか?
【市長】機運が高まったのではないか。
【記者】大正紡績株式会社の所在地はどこか?
【商工農政課】大阪府阪南市です。
【記者】決議文はどういったことを発信していくか?
【商工農政課】綿作りなどの生産だけでなく繊維産業を盛り立てて元気出していこうといった内容になると思います
【記者】産業振興がメインか?
【商工農政課】その側面もあります。
【記者】サミットでどんなことを学びたいか?
【市長】かつて弓浜では綿栽培が盛んだったが今は衰退しています。何とか復興して、産業のレベルに育てていきたい。紹介される町は先進的な取り組みをしているので色々吸収し、われわれの取り組みに活かしていきたいと思います。
【記者】来年境港市で開催する意義は大きいのでは。どう生かすお考えか?
【市長】綿栽培は、荒廃農地対策や雇用の拡大になります。地元で育てた綿を活用し、生まれた子ども用にバスタオルを作ってお母さんに配り親子の絆を深めてもらいたい。100歳になったお年寄りには伯州綿で作ったひざ掛けをプレゼントしたい。境港でのサミットを契機に情報発信していきたい。
【記者】来年のサミットはいつ頃か?
【市長】未定です。
【記者】シンポジウムの中身は?
【商工農政課】5から8地域が苦労話や問題点を事例発表します。5市町村だけでなく北海道などからの参加も聞いています。
【記者】境港市の発表はあるか?
【商工農政課】予定に入っています。
【記者】境港市は和綿の栽培面積は全国1位?
【商工農政課】統計はないが、組織のアンケート結果などから、ほかに比べ群を抜いてトップです。
【記者】伯州綿の栽培面積は?
【商工農政課】2ヘクタールです。

市長会見要旨

 3件目は、伯州綿の茎から「伯州和紙」を開発したことです。
 鳥取県産業技術センターに相談を持ち掛け、伯州綿の茎から和紙を作ることに成功しました。因州和紙・出雲和紙と東西にありますが、なんとか伯州綿からとれた和紙を商品化したいという構想があります。また、綿の実からとれる油も石けんに使えないかと考えもあります。

伯州和紙[pdf:74KB]

質疑応答

【記者】ほかの植物を使う和紙はあるか?
【産業技術センター】コウゾやミツマタが有名だが、ほかの和紙もあり、混合したものもあります。
【記者】伯州綿の和紙がかつてあったか?
【産業技術センター】分かりません。
【記者】伯州和紙という言葉はあるか?
【産業技術センター】今回名前をつけました。
【副市長】西伯分場の記録の中に伯州綿で和紙を作ったという記述がありました。これが和紙作りのきっかけになりました。
【記者】原料からどれくらいの割合で製品ができたか?
【産業技術センター】皮が20%で、原料処理しパルプになったのは6%。茎まで使うと20%くらいは取れます。
【記者】和紙作りの装置を持っているか?
【産業技術センター】原料処理する装置はありません。家庭用のなべ等で行いました。簡単な道具でできます。
【記者】作りやすいか?
【産業技術センター】初めは出来るのかと思ったが、簡単に手で皮がはげ、意外に簡単だった。原料処理をつめなければならない課題はあります。
【記者】難点は?
【産業技術センター】繊維が固くほぐしにくいため、取り出しに工夫が必要です。
【記者】市からの相談はいつ?
【産業技術センター】3月中旬に相談があり、試作は3月下旬にできました。
【記者】コストがかかりそうか?
【産業技術センター】通常と若干手間がかかる程度です。
【記者】因州和紙なら工場があるが、伯州和紙を1から作るのは大変ではないか?
【市長】どういったものを作るかによります。赤ちゃん製品に特化するとか。赤ちゃんの命名の紙とか台紙にしたら面白い。用途、販路を考えていかなければならない。大きな場所や建屋、機械は必要ないのではとの意見があります。需要に見合った形で対応していくつもりです。
【記者】今年栽培した分から和紙を作る予定は?
【市長】いきなりは難しいと思います。和紙作りの可能性が見つかったということです。
【記者】原木は収穫が終わった後のものか?
【市長】そうです。毎年種から栽培しています。
【記者】焼却の費用はどれくらいか?
【商工農政課】草を処理する事業所で、1トンあたり9,900円+消費税で処理しています。昨年1.5ヘクタールの面積で4万本植えました。
【記者】伯州和紙の品質は?
【産業技術センター】コウゾ100%とほぼ同じ強度です。和紙らしい試作品は少し強度が低くなっています。




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