平成22年2月定例記者会見

市長説明

 本日の報告事項は、4件あります。
■平成22年度境港市当初予算案
 平成22年度当初予算案について説明します。
 経済不況の中で境港市も景気の低迷の影響を受けています。税収が大幅に落ち込んでいます。そういった状況での予算編成になりました。これまで提供している市民サービスは堅持して、加えて、市民の皆さんの新たなニーズにも積極的に対応していくよう努めました。特に教育、子育て環境に重点的に予算を配分しました。新規の施策を102件、12億4千万円計上しました。また、都市基盤の整備に関する諸施策なども計上し、市民の皆さんが、快適に安心して暮らせる活気あふれるまちづくりを進めるよう予算編成をしました。
 一般会計の予算規模は、129億5千万円です。前年度と比べると6億3千万円増額し、5.1%の伸び率となりました。子ども手当ての増額が3億7千万円余り、これを除くと、2.1%の伸び率になります。主な増減は、子ども手当てによる増額、退職者が減ることによる1億5千万円の減額などです。
 歳入の説明をします。
 市税は37億1,965万円で、前年に比べ1億2,204万円の減額になっています。個人・法人共に市民税が大幅に減少しています。固定資産税も若干の減を見込んでいます。税収のピークであった平成19年度の税収が約41億3千万円なので、約4億円の税収減となっています。
 地方交付税は、33億5千万円で、前年に比べ1億2千万円伸びています。普通交付税は「地域活性化・雇用等臨時特例費」の創設などにより1億2千万円の増額になっています。参考に記載してありますが、臨時財政対策債が平成21年度は4億8千万円、平成22年度は7億8千万円と3億円伸びていますので、実質的な地方交付税は4億1,790万円の伸びということになります。
 市債は、7億7,920万円で前年度より、約1千万円増になっています。交付税で補てんされる臨時財政対策債を除くと、2億8,700万円の減になります。通常債は330万円で、中期財政計画に基づいて、市債の借り入れを抑制した結果です。
 基金繰入金は、7,926万円で前年に比べて8,392万円の半減になっています。借金を抑えると共に、基金の取り崩しも抑えました。歳入の規模に応じた予算編成になっています。
 歳出の説明をします。
 人件費は、22億2,799万円で前年に比べ1億8,338万円の減額になっています。職員数は、平成14年の292人から平成22年には242人になり50人の減となっています。これに伴い、人件費も平成14年から徐々に減っています。
 扶助費は、28億7,823万円で前年に比べ5億8,592万円、25.6%の大幅な増額になっています。子ども手当てを除いても9.2%の伸び率になっています。扶助費は、年々右肩上がりになっています。平成15年から行っている行財政改革の成果がこの部分に吸収されています。
 普通建設事業費は、5億306万円で前年に比べ1,199万円の減額になっています。平成21年度の国の景気対策に呼応して、平成21年度に予算の補正を行い、義務教育施設などの公共事業24億円を実施しました。さらに、3月補正で9,500万円規模の公共事業を前倒しで実施します。このうち、23億3千万円を繰越して22年度に事業を行います。平成22年度は実質的には、近年にない公共事業を実施する年度になります。
 公債費は、16億7,928万円で、前年と比べると8,028万円の減額になります。平成14年度のピーク時には177億円の市債残高がありましたが、平成22年度には130億円まで圧縮できています。
 予算のポイントを説明します。
 自立持続可能な財政基盤の整備ということで、歳出の削減では、経常的な経費を一律1%削減、継続的な政策的経費の原則5%圧縮を行い、また平成15年度から職員給与のカットを実施しており、平成22年には平均2.1%のカットを実施します。平成15年度から21年度の7年間、平均的なカットの率では4.46%の給与カットを職員に協力してもらっています。毎年度、予算編成をする上で、この給与カットは重要なポイントとなっています。歳入の確保では、市営住宅駐車場の有料化、下水道使用料金の引き上げを実施します。市債の借入額の抑制では、平成20年度から平成29年度の10年間の中期財政計画を立てて市債を管理し、抑制しています。市債の残高は急激に減ってきています。平成14年には約180億円の市債残高がありましたが、現在は130億円まで減ってきています。130億円の中には、交付税で補てんされる臨時財政対策債が含まれており、これを除くと一般債の残高90億円まで減ったことになります。平成14年度と比べるとおよそ半減したことになります。
 安定した市民生活の確保ということで、厳しい財政状況の中でも現状の事業やサービスはできる限り堅持していくことにしています。
 将来に向けた施策の充実ということで、特に子育て支援、教育環境の整備に重点的に予算を配分しました。
 重点項目としていくつか挙げていますが、子育て支援の充実ということで、ハッピー赤ちゃん登校日の拡充、子育てサークル活動への助成、放課後児童クラブの充実などを行います。放課後児童クラブは、開設時間を午後6時から午後6時30分まで延長します。また、これまでは運営を地域にお願いしていましたが、平成22年度からは、対象者が増えてきたこともあり、充実した運用をするためにも、市が直営で実施します。病児・病後児保育を済生会境港総合病院と協力して実施していますが、対象者をこれまでの、未就学児から小学校低学年まで引き上げます。
 教育環境の整備ということで、中学校の耐震化に着手します。小学校の耐震化は平成21年度の補正予算で実施しますが、事業自体は平成22年度に行います。事業費は、約14億7千万円です。誠道小学校と保育所はすでに芝生化を実施していますが、平成22年度は境一中と残りの6つの小学校の芝生化に着手します。この芝生化は行政が一方的に整備をするのではなく、地域住民やPTAと協働して行っていきたいと思っています。市独自で学習指導補助員を配置していますが、平成22年度からは、小学校に2人、中学校に1人増員します。
 中海圏域の連携強化として、振興ビジョンに基づく事業や定住自立圏推進事業の実施や、圏域全体での産業振興を行っていきます。
 地域の経済対策は、緊急雇用創出事業で17事業8,362万円、ふるさと雇用再生事業で8事業4,612万円を実施します。あわせて25事業、約1億3千万円になり、84人の雇用を創出することになります。
 土地開発公社への支援を継続して実施します。土地開発公社は、多額の有利子の借り入れがありますので、行財政改革で積み上げてきた基金35億円を無利子で貸し付けます。これにより、支払う利子が4,500万円軽減されます。
 主な新規事業について説明します。
 新規事業は102件で12億4千万円になります。そのうちいくつかをご説明します。
 子育て支援の充実ということで、赤ちゃんサミットIN境港を本市で開催します。子育て支援は、これまでさまざまな施策を行ってきまして、他市からも注目さています。子育て支援に関心の高い自治体に集まっていただき、情報発信をしたいと思っています。子ども手当ての支給事業では、平成22年度は1人につき1万3千円を支給することになっており、5億7,397万円を計上しています。
 教育環境の充実については、学校グラウンド芝生化事業に4,287万円を計上しています。リュウグウノツカイはく製製作事業として481万円を計上しており、境港市で水揚げされたリュウグウノツカイをはく製にして海とくらしの史料館に展示することにしています。
 保健福祉の充実では、子宮頸がん・乳がんなどの女性特有のがん検診推進事業に607万円計上しています。国の100%補助事業で無料の検診を実施していましたが、補助率が2分の1になったことにより、市が2分の1の補助を実施し、継続して無料の検診ができるようにしました。
 都市基盤の整備・充実では、中海護岸整備関連事業として、渡漁港の改修の調査費用などとして3,429万円を計上しています。夕日ヶ丘公園墓地整備事業は、セルフミンの跡地を公園墓地にする計画を進めており、その基本設計費用として600万円を計上しています。整備は、平成24年度から取り掛かりたいと思っています。墓地は、跡地の3分の1程度を活用して整備をしたいと思っていますが、実施までにはもう少し検討が必要です。市道維持修繕事業(自治会要望分)は、従来の道路維持修繕枠に加え、自治会の要望に応えるために600万円を計上しています。
 産業振興・地域雇用対策の充実ということで、新規就農者支援事業として245万円を計上していますが、就農計画の認定を受けた新規就農者への初期投資などの経費を助成するものです。「伯州綿」を活用した雇用・産業創出事業として、1,875万円を計上しています。耕作地を1haから1.5haに増やし、地域の産業として育てていく方法を模索しているところです。
 その他の事項として、水木しげるロード防犯カメラ設置事業補助金として、281万円を計上していますが、設置の主体は、水木しげるロード振興会になっており、総事業費約560万円の2分の1を補助します。農地適正管理費補助金は、荒廃農地の草刈をする経費として28万円計上しています。稲作作業委託事業は、遊休水田を利用して学校給食に提供するお米を作る事業としており、61万円を計上しています。
■「水木しげる夫妻」ブロンズ像完成除幕式
 「水木しげる夫妻」のブロンズ像の完成除幕式を3月8日に開催します。 設置場所は、JR境港駅前です。このブロンズ像は、株式会社実業之日本社からの寄贈です。当日は、水木しげる夫妻も参加予定です。3月29日から放映されるNHKのドラマのPRになると思います。
■「水木しげるが幼少を過ごした地」案内標柱の設置
 水木しげる先生が幼少期を過ごした家が入船町にあり、その家の前に案内標柱を立てることにしました。3月2日に設置します。
■水木しげるロードに鬼太郎ファミリーデザインの汚水桝蓋・マンホールを設置
 水木しげるロードの下水道資材として使用する鬼太郎ファミリーデザインの汚水桝蓋が完成しました。平成22年度から平成26年度にかけて100枚程度設置します。設置工事は、来年の3月ごろになりますが、それまでは、水木しげる記念館に展示します。
 鬼太郎デザインのマンホールも完成し、3月中旬に水木しげるロードに設置します。

平成22年度境港市当初予算案[pdf:256KB]

「水木しげる夫妻」ブロンズ像完成除幕式[pdf:74KB]

ブロンズ像イメージ図[pdf:69KB]

「水木しげるが幼少を過ごした地」案内標柱の設置[pdf:69KB]

標柱イメージ図[pdf:137KB]

鬼太郎ファミリーデザインの下水道資材[pdf:91KB]

質疑応答

【記 者】新規事業が102件あるが、市長が特に重要と思うのはどれか。
【市 長】すべての事業に思い入れがあるが、子育て支援の充実と教育環境の充実は大変重要だと思っています。また、少額ではあるが、荒廃地対策として農地の草刈経費の助成は取り組まなければならない事業の一つです。
【記 者】土地開発公社に35億円の無利子貸付を行うが、平成21年度末の債務の残高はいくらか。
【建設部長】53億円です。
【記 者】下水道事業費への繰出金が1,200万円増えているが、全体額はいくらか。
【財政課】9億6,102万円です。
【記 者】これからも増えていくのか。
【市 長】平成27年度までは微増しますが、その後、減額していき10年後には8億円程度になる予定です。
【記 者】市債の臨時財政対策債を除くと大幅に市債額が減額しているがこれまでの行財政改革の成果か。
【市 長】平成20年度から平成29年度まで中期財政計画、健全財政を行っていくために、適正な借入額、事業費を定めています。しっかりと規律を守って、財政運営を実施してきました。市債の借入額を抑制したことにより、行財政改革を実施するまえの平成14年度にくらべ約半分の90億円まで減らすことができました。
【記 者】平成21年度の補正予算から義務教育施設の整備に多額の建設事業費をつぎ込んでいるが、今後の負担増大につながらないか。
【財政課長】中期財政計画の中で見込んでいる借入額の中に納まる範囲の借入額になっていますので、今回の事業を行っても健全化の方向に進んでいきます。
【市 長】当初は、5カ年計画で義務教育設備の整備をする予定でしたが、平成22年度の国の経済対策により有利な融資をうけることができたので、これを活用し実施することにしました。



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