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施政方針要旨(平成22年3月5日)

今期定例市議会において、平成二十二年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考え方を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。 

 議員各位におかれましては、このたびの市議会議員一般選挙において、めでたく当選を果たされましたことに対し、心からお慶びを申し上げます。

これからも皆様と一緒になって、境港市勢の伸展と市民福祉の向上に、誠心誠意取り組んでまいりたいと存じます。

さて、昨年は、国政において政権交代が現実のものとなり、政治・行政の仕組みが大きく変わるとともに、経済も低迷した激動の年でありました。

そのような時代の転換期にあって、本市にとっても、長年の夢であった韓国、ロシアを結ぶ環日本海定期貨客船が就航し、また、米子空港の滑走路も二千五百メートル化が実現した、歴史的な年でありました。

これはまさに、本市が将来都市像としてイメージする「環日本海オアシス都市」の実現に向けて、強力な推進力が備わったことを実感させます。

経済発展著しい北東アジアを俯瞰するとき、今私たちは、環日本海交流への時勢を確実にとらえ、地理的な優位性を活かし、日本海側における「北東アジアに向けたゲートウェー」をめざすことが、大変重要となっていると考えます。

依然として厳しい経済雇用情勢の中、当圏域のさらなる発展の「鍵」は、まさに私たちの、この「海と空の道」にあると確信しております。重要なのは、今後これを「どう活かすか」であります。

私は、市政運営の柱に「連携と共栄」を掲げておりますが、周辺の様々な主体とあらゆる分野で「連携」を強化することによって、より強い広域圏を創り上げ、圏域全体の発展を図る中で、私たちのまちも「共に繁栄」していきたいと考えるものであります。とりわけ港湾や空港は、広範な背後圏があってこそ機能が活き、圏域の発展に資するものであります。

今はまだ細い「海と空の道」でありますが、「環日本海時代」を切り拓くこの道を、何としても途絶えさせてはなりません。圏域共通の財産として、行政のみならず、経済界、地域を挙げて支えていただき、連携・協調のもとに「大きく、太い動脈」にしていきたいと考えております。

 また、本市の「環日本海オアシス都市」のめざすところは、対外的な市勢伸展ばかりではございません。

 市民の暮らしに根ざした基本的な施策をしっかりと進めることで、市民の皆様が、元気で心豊かに、そして快適に、安心して暮らせる独自の魅力を持ち合わせることによって、あたかも「オアシス」のごとく、まち全体が憩いの場のように人やものが寄り集まり、活気あふれるまちをめざしたものであります。

これからも、このような都市像に少しでも近づけるよう、「公明正大な市政―市民と共に築く風格あるまち」を自らの政治理念に、引き続き協働のまちづくりを進めるとともに、規律ある財政運営のもと、経済の活性化と都市基盤の整備、市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実に邁進していく所存であります。


一.規律ある行財政運営と協働の推進

○平成二十二年度予算案について

本市の財政状況につきましては、歳入におきまして、市税収入が、不況の影響による個人市民税や法人市民税などの落ち込みによって大幅な減額となる見込みですが、地方交付税の特例的な増額や、国の後年度補てんが約束されている臨時財政対策債の増額によって、一般財源の総額としては前年度より増額が見込まれます。

一方、歳出におきましては、経費全般について、本格的な行財政改革に取り組んだ平成十五年度以来、引き続き節減合理化に努めているものの、平成二十三年度まで高水準で推移する公債費や社会保障関係経費の自然増など、圧縮することのできない経費の増大が大きく影響し、依然として厳しい状態が続いております。

このような状況の中、平成二十二年度の予算編成は、これまでの方針と同様、将来を見据え、自立・持続可能な財政基盤の確立を基本とし、社会保障関係経費等の増加分を歳出全般の効率化によってできるだけ吸収し、原則として現状の歳入の範囲内で編成したところであります。

主な内容としましては、引き続き行う職員の給与カット等による総人件費の抑制をはじめ、経常的経費を一%マイナスシーリングするとともに、継続的な政策的経費においてもできる限り圧縮するなど、歳出の削減を図る一方、現状の市民生活に密着したサービスは、堅持することとしております。

また、特に「教育」や「子育て支援」の分野においては、さらなる充実に努め、「全小学校と第一中学校の校庭芝生化」、小学校に引き続いての「中学校の耐震改修着手」、「産後ヘルパーの派遣」などといった新たな取り組みにも予算措置したところであります。



○協働のまちづくりの推進について

 私は、「自分たちのまちは、自分たちで考え、自分たちで創り上げる」ことがまちづくりの原点であると考えており、市民や市民活動団体などと行政が協力し合いながら、より良いまちをつくっていく運動として「協働のまちづくり」を提唱してまいりました。

市内では様々な場面で市民活動が展開されておりますが、特に、地域との協働事業として一昨年から取り組んでいる小学校や保育所等の園庭の芝生化については、平成二十二年度には、市内全小学校で取り組まれることとなったほか、さらに中学校にも拡がる見込みであります。

また、市民活動の拠点となっている「市民活動センター」では、利用者が着実に増える中、本年は開設五周年を記念する行事を実施します。

市民活動団体それぞれが工夫を凝らしながら、体験型の催しや、講演会、活動風景のパネル展示などを、年間を通して実施することとしており、市民活動の楽しさなどを伝えることにより、市民活動に携わる方々の裾野を拡げていきたいと考えております。

市民と行政が互いの立場を尊重し、それぞれが果たすべき役割と責任を分担しながら、住み良いまちを創っていくため、今後も引き続き「協働のまちづくり」の取り組みを進めてまいります。



○行財政改革の継続について

行財政改革につきましては、平成十五年度から本格的に実施し、大きな成果を挙げてきております。事務事業や各種委託事業の見直し、人件費の抑制、補助金や負担金の適正化など、様々な分野で無駄をなくす取り組みを不断に続けてきたことにより、その効果は、単純に積み上げてもこの七年間で約六十二億円に上ります。

その行革効果の中でも大きな部分を占めているのが、人件費の抑制でありまして、平成十五年度からこれまで、平均四・四六%の給与カット等を実施してまいりました。平成二十二年度においても、職員の協力を得て、引き続き給与カットを行うこととしており、改めて感謝するものであります。

こうした改革の取り組みと、平成十九年度に策定した「中期財政計画」に基づく規律ある財政運営によって、今日までの子育て支援施策の充実や、平成二十一年度から取り組んでいる義務教育施設の総合的整備などの投資的事業にも、積極的に対応することができているところであり、今後も、引き続き改革に努め、誤りない財政運営を行ってまいります。

なお、行財政改革の一環として平成十五年度から実施した、「直接搬入ごみの有料化」におきまして、搬入料金の「下限制度」については、「公平な負担」の観点から従量応分制に見直す考えであり、適切な時期に、改めて市議会にご提案したいと考えているところであります。



○次期総合計画の策定について

 本市は、平成八年に「第七次境港市総合計画」を策定して以来、将来都市像を「~環日本海オアシス都市~魅力あるふるさと・心豊かで活力あるまち」と定め、この実現に向けて施策を進めてまいりました。

これまでの十四年間には、「山陰・夢みなと博覧会」の開催をはじめ、米子―ソウル便の定期就航、国際コンテナターミナルの整備、そして今また、環日本海定期貨客船の就航などというように、環日本海交流の拠点として新たな時代を切り拓いていくイメージが具現化しつつあります。

一方、鳥取県西部地震に伴う震災復興に加え、過大な投資だった夕日ヶ丘団地開発のための新都市土地区画整理関連事業、市単独存続の選択、そして、ごみ袋の有料化や個別外部監査をはじめとする徹底した行財政改革の取り組みなど、困難を経験しながらも、水木しげる記念館の建設や、清掃センターの大規模改修、一貫した公共下水道の整備促進、保育料の引き下げ、小・中学校の耐震改修など、時代の要請に果敢に取り組んできたことで、市勢は着実に伸展していると思っております。

次期総合計画につきましては、これまで培ってきた「海と空の港」を中心とした社会基盤や地域資源を活かした取り組みと、市民福祉の向上の両立を図っていくというまちづくりの機軸は、今後も変わることのないものとして認識しており、「環日本海オアシス都市」の発展イメージも、基本的に継承していきたいと考えております。

また、短期間にめまぐるしく変化する近年の社会経済状況の中にあって、長期的な視野に立った計画づくりが困難であることから、計画期間は概ね五年間とし、構成も、これまでの行政の全分野を網羅する計画ではなく、より重点的に取り組むべき施策に絞った、新しいスタイルの計画にしていく考えであります。

内容的には、私の掲げている公約を基本に、周辺自治体等との連携強化による一体的な発展、全国ブランドである「さかな」と「鬼太郎」を活かした経済振興、一人ひとりを大切にした教育と福祉の充実、安心で住みよい生活基盤の充実、などを柱に施策を体系づけていくことを考えており、今後、総合計画審議会や市議会、パブリックコメントなどで幅広くご意見をいただきながら、計画を策定していきたいと考えております。



二.経済の活性化と都市基盤整備

○環日本海交流の推進について

日本・韓国・ロシアを結ぶ環日本海定期貨客船は、就航以来、半年以上が経過しますが、境港―東海間における旅客数は、韓国からの観光客を中心に堅調に推移しております。

本年は、東海市をはじめ韓国企業との経済交流や、日韓の青少年交流、さらにはロシアを含めたスポーツ交流など、様々な交流が予定されており、航路を活用して北東アジアとの交流の拡大を図ってまいります。

 貨物の状況は、依然として厳しい状況が続いておりますが、スケジュール通りの運航が続いていることから航路の信用度も高まり、徐々に貨物量が増えてきております。

今後も、既存コンテナ航路の利用促進とあわせて、定期貨客船航路の情報発信やポートセールス、商談会の開催、さらにはロシア貿易のサポートなど、民間と行政が一体となって貿易支援体制を充実させることにより、貨物の一層の確保に取り組んでまいります。

米子―ソウル便につきましては、昨年は新型インフルエンザや景気低迷の影響から、前年より利用者数は減ったものの、団体旅行への助成や格安旅行商品の造成、韓国テレビを活用した旅行商品の販売などにより、一月以降の搭乗率が上向いていることから、四月以降も現状どおり週三便の運行継続が決まったところであります。

山陰唯一の国際定期路線を今後も維持するために、日韓相互の利用に加え、韓国を経由した香港、バンコク、シンガポールからの誘客促進に向けた旅行商品の造成など、鳥取、島根両県をはじめ関係機関とともに、さらなる需要の開拓・拡大に取り組んでまいります。


中海圏域の連携について

 

北東アジアとの地理的近接性を活かすことは、山陰地方のみならず中国地方の発展の鍵であり、日本海側の核となるのが、「海と空の道」を有するこの中海圏域であります。

中海市長会では、二月十八日、中海市長会シンポジウムを開催し、策定中である、圏域の今後の指針となる「中海圏域振興ビジョン」と、具体的な事業計画を掲げる「定住自立圏共生ビジョン」の原案を説明したところであります。

特に、振興ビジョンでは、圏域のめざすべき姿として「北東アジアに面した日本のゲートウェーとなるまち」など三つの姿が示されるとともに、共生ビジョンでは、環日本海定期貨客船の運航支援や広域観光の振興などが盛り込まれ、まさに本市が求め、取り組んでいる重点目標が、中海圏域全体で共有する発展方向として大きく位置づけられたものと感じております。

今後、これらのビジョンは、パブリックコメントなどを踏まえて最終的にとりまとめることとなりますが、ビジョンに示した方向性の実現に向け、これまで以上に連携を深め、圏域の一体感の醸成に努めてまいります。



○観光振興について

水木しげるロードの平成二十一年の入込み客数は、百五十七万人余りで、前年より九%減少はしましたが、夏の長雨や、新型インフルエンザ、経済不況などの影響がある中で、大きな入込みだったと考えます。

今月二十九日からは、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の放映が始まります。これを追い風に、過去最高だった一昨年の百七十二万人を超える賑わいを期待したいと思います。

番組にちなんだ取り組みとしては、「水木しげる夫妻のブロンズ像の設置」や、水木しげる記念館での「ゲゲゲの女房特別展」などのほか、鳥取・島根両県や安来市をはじめ、中海圏域全体でNHKとタイアップした様々なピーアール事業に取り組み、誘客を図ってまいります。

また、山陰を一つの文化観光圏ととらえ一体となって振興を図る「山陰文化観光圏協議会」や、「松江・境港・隠岐観光振興協議会」での滞在型観光の取り組みを引き続き推進してまいります。

昨日は、民間の有志により「新・ご当地グルメ」の講演会が開催されたところですが、今後も、本市の地域資源である「さかな」を活用した、「食」による情報発信と誘客の取り組みを積極的に支援し、「さかなと鬼太郎のまち」を全国にピーアールしてまいります。

あわせて、定期貨客船航路とソウル便を利用した外国からの誘客に、鳥取県をはじめ関係機関と取り組むとともに、受け入れ態勢の充実を図ってまいります。


○水産業の振興について

境漁港における平成二十一年の水揚量は、十一万九千トン余りで前年を 一万トン以上上回ったものの、水揚金額は前年に比べ約二割減となりました。

水産業は、魚価の低迷に加え、資源の減少、漁業就業者の減少や高齢化、漁船の老朽化など、様々な課題を抱えており、総合的な対策が必要となっております。

このような中、国から承認された「境港地域水産業構造改革推進プロジェクト」改革計画では、コスト削減と収益性の向上はもとより、衛生的な市場環境でのより安全・安心な水産物の供給、資源管理による将来にわたって安定した水産物の提供など、様々な取り組みが計画されております。

今後、「ベニズワイガニ漁業」では、計画を実現していく取り組みが、また、「まき網漁業」では、改革計画の認定に向けた取り組みが、それぞれ重要となっております。

特に平成二十ニ年度には、クロマグロなど既存地域資源のブランド化によって、さらなる高付加価値化を進めていく一方、観光と連携した漁獲情報発信の強化などに、鳥取県や業界と一体となって取り組んでいきたいと考えております。

 また、新規漁業就業者への支援事業や、技術習得のための研修を実施する企業を支援する「漁業雇用促進事業」などを通じて、引き続き、漁業就業者対策に取り組んでいきたいと考えております。



○農業の振興について

 長い間懸案となっている遊休農地の解消に向けましては、従来から行っている境港市農業公社を介した農地の貸借について、貸付け条件を緩和して農地の貸し借りをさらに促進するほか、農地の適正管理を促すため、草刈経費の一部を補助する制度を創設したいと考えており、さらに、遊休水田については、農業公社に委託して学校給食用の米を試験栽培することとしております。

 また、国の協力により湿田から畑地に転換する事業を、昨年、産業中央線沿いで行いましたが、この実施区域を、さらに北側に拡大できるよう国に要望しているところであります。

 平成二十一年度から本格的に取り組んでおります伯州綿栽培につきましては、平成二十二年度は、「ふるさと雇用再生特別交付金」を活用して、栽培面積を約一・五ヘクタールに拡大する計画としており、引き続き、収穫された綿を活用した商品開発や販路開拓に取り組むとともに、広く市民への普及を図るための「伯州綿栽培講座」を開講することとしております。

 本市の特産野菜である「白ねぎ」の産地維持対策としましては、引き続き、連作障害を避けるための緑肥作物や病害虫防除薬剤の購入費助成を行ってまいります。

また、営農計画を認定した新規就農者に対しては、初期投資の軽減を図るための支援を行うこととしております。



商工業の振興について

国際金融市場の混乱に伴う世界的な景気後退により、地域経済は深刻な影響を受け、本市においても、消費の低迷による受注・売上高の減少等により、資金繰りに苦慮する企業が少なからず見受けられます。 

このため、引き続き、国や鳥取県の金融政策に積極的に対応し、市内企業の経営支援に努めてまいります。

 雇用情勢も極めて厳しい状況であり、離職を余儀なくされた市民の雇用機会を緊急に確保するため、国の「ふるさと雇用再生特別交付金」や「緊急雇用創出事業臨時特例交付金」を活用した事業を、市民サービスの向上につながる幅広い分野において実施することとしており、米子公共職業安定所や鳥取県地域雇用創造協議会などと連携して、雇用の拡大、人材の育成、就業の促進に取り組んでまいります。

 企業誘致につきましては、水産業を背景に食品加工業が集積している本市の特性を活かし、鳥取県等と連携して積極的に取り組むとともに、昨年開設された「環日本海定期貨客船航路」や、山陰で唯一の国際定期航空路を有する「米子空港」などの社会基盤を、アピールポイントとして大いに活用しながら、なお一層の誘致促進に努めてまいります。



○中海の護岸整備について

昨年十二月十九日、大橋川の改修事業について、鳥取・島根両県知事が事業着手に合意し、昭和五十七年以来中断していた同事業が二十七年ぶりに再開される運びとなりました。これに関連して、鳥取県側が同意条件としていた中海の護岸整備が、実施に移されることとなっております。

早期整備箇所として位置づけられている本市の「渡漁港」の整備に向けましては、今後、国土交通省において、平成二十二年度予算で中海護岸整備に係る事業費を確保され、調査・設計、用地取得などに着手されると伺っております。

二月十日の渡地区治水対策協議会では、新たに整備される渡漁港の規模や施設を配した計画図が示され、大方の了解が得られたところであります。

本市としましても、渡漁港の埋立てや雨水の排水施設整備に必要な調査費を、平成二十二年度予算に計上しているところであり、今後も、引き続き地元と協議を重ね、国土交通省や鳥取県と連携を図りながら、事業の実施に向けて取り組んでまいります。

一方、外江地区の内水排除対策の一環としまして、境港管理組合では、今月中に、外江中央都市下水路の樋門に雨水排除ポンプを設置することとなっており、今後、高潮時における内水排除の作業が迅速に行えるものと期待しております。



○夕日ケ丘団地の市街化促進について

夕日ヶ丘団地の分譲は、低価格で販売されている民有地との競合や景気の低迷により、平成二十年度以降の販売実績はなく、境港市土地開発公社用地と市の保留地を合わせた販売予定区画数四百四十六区画のうち、まだ二百七十九区画が未分譲となっております。

このため、土地開発公社では、分譲による費用回収が進まず、借入金の利子負担を軽減するため、市は三十五億円の無利子貸付を実行しているところであります。

 一方、昨年六月から導入しました定期借地制度につきましては、二月末現在で、十件の契約が成立し、現在、検討していただいている分譲地も多数あり、好評であります。

平成二十二年度は、夕日ヶ丘一丁目の県営住宅北側の用地を五十二区画新規分譲することとしており、アパート等へのポステイングによるピーアールなども継続し、さらに定期借地申し込みが増加するものと考えております。

また、環境改善を図るために土地開発公社が先行取得した事業所跡地につきましては、墓地を併設した公園として整備する計画について、地元自治会への説明会やパブリックコメントを実施し、概ね計画に同意が得られたものと考えております。

今後の年次計画としては、平成二十二年度に都市計画決定や全体測量、基本設計などを行い、平成二十三年度に実施設計と用地取得、二十四、二十五年度に公園工事、二十六年度以降に墓地区画の造成を考えております。

新規区画の分譲や公園墓地計画の推進などにより、夕日ヶ丘団地の一層の市街化の促進につなげてまいります。



○公共下水道事業の推進について

平成二十二年度の下水道工事は、平成二十一年度から引き続き、主に大

正川から東側の境地区の整備を行い、水木しげるロードの整備にも着手いたします。これにより、平成二十二年度末の普及率は約五十二%を見込んでおります。

また、雨水の浸水対策として、平成二十一年度からの継続事業で相生町

の旧渡船場から境小学校東側までの中町雨水幹線の整備を行い、平成  二十三年度の完了を予定しております。

現在、整備を行っております事業認可区域は、概ね平成二十三年度には完了することから、認可区域の拡大を申請しているところであります。

拡大区域としては、境港駅周辺を含む大正川の西側から米川までと、境高校の南側と西側の中野町、上道町や三軒屋町の一部と渡中継ポンプ場の、約百六ヘクタールで、概ね平成二十三年度から二十八年度にかけて整備を計画したいと考えております。

今後も効率的に整備を行い、生活環境を改善し、公衆衛生の向上に努めてまいります。



三.市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実

○学校教育の充実について

学校教育におきましては、「心豊かでたくましい子ども」、「夢や希望を持ち、よりよく生きようとする子ども」を、本市のめざす「子ども像」として掲げ、「確かな学力」とともに「豊かな人間性・社会性」、「健康・体力」を備え、将来にわたる「生きる力」を育むこととしております。

このため、教育環境の整備に努めるとともに、学校・家庭・地域による総合的な教育力の向上を図ってまいります。

特に、施設面につきましては、早急な実施が望まれる校舎等の耐震改修や建替えに加え、老朽化対策として大規模改修等をあわせて実施するなど、義務教育施設の総合的な整備を今後五年間程度で計画しております。

この中で、耐震改修の必要のない誠道小を除く小学校六校の耐震改修と校舎大規模改修については、平成二十一年度の国の大型補正予算を活用して、本年の夏には完了できる予定であり、あわせて太陽光発電設備も全小学校に設置いたします。

中学校では、第一中学校校舎の耐震改修と大規模改修、冷暖房設備整備の実施設計を、さらに第二中学校については、校舎改築の基本設計を、それぞれ平成二十二年度に実施いたします。

整備計画の中では、耐震改修等に続いて、平成二十六年度に給食センターの建設を予定しておりますが、これにあわせて中学校給食を実施すべく、平成二十二年度にその具体的な実施方法や必要経費等について検討し、基本的な方向を定めることといたしております。

また、児童・生徒の体力向上等に効果のある「校庭の芝生化」につきましては、PTAをはじめ地域の方々との協働事業をめざして調整を進めておりましたところ、既に実施した誠道小学校に続き、他の小学校六校と第一中学校についても、平成二十二年度に実施できる運びとなったところであります

○社会教育の充実について

 社会教育におきましては、市民の皆様に、心を豊かにする文化的教養活動や、気持ちよく汗するスポーツ活動などを、できるだけ日常生活の中に取り入れていただくよう、生涯学習の啓発や普及に努めてまいります。

 特に生涯読書の推進では、折りしも平成二十二年は国民読書年ですが、母子手帳交付時に絵本を贈る妊娠期からの読み聞かせ事業に始まり、学校での「朝読」、ファミリー読書をはじめとする「家読(うちどく)」、大活字本等の普及による高齢者の読書など、胎児からお年寄りまで、生涯を通じた読書活動のさらなる拡大をめざして、その啓発を図ってまいります。

 文化財保護につきましては、第四次文化財調査により、新たな文化財を指定し、大切に後世に引き継がれるよう、その保存と周知・ピーアールに努めてまいります。

あわせて、郷土の偉人や伝統芸能についても調査研究を進め、平成二十年度に続き、「境港市の誇る先人たち」のパンフレットを発行する考えであります。

 体育の振興につきましては、地域での体育振興会や体育指導委員などを中心とした市民の健康増進活動をはじめ、各種団体による中海圏域など周辺地域とのスポーツ交流活動、さらには環日本海定期貨客船などを活用した国際スポーツ交流活動が、一層活発になるよう支援してまいりたいと考えております。

また、社会教育施設におきましても、引き続き公民館の耐震診断調査を実施するとともに、中央テニスコートなど、施設改修に努めてまいります。


○子育て支援の充実について

現代社会における科学技術の進歩は、多くの便利さをもたらした一方で、親子のふれあいを希薄にしてしまう一面があります。本市では、特にこの点に着目して、親子がしっかりとした絆を築き、共に健全に成長できるよう、様々な施策を積極的に展開してまいりました。

赤ちゃんと保護者が小学校に出向き、児童と交流する「赤ちゃん登校日」は、平成十九年度から実施しておりますが、赤ちゃん・保護者・児童、それぞれに大きな効果が得られていることから、赤ちゃんの持つ力が周囲に与える影響について考える全国大会「赤ちゃんサミット・イン境港」を開催し、全国にこの取り組みを発信していくこととしております。

また、幼稚園児の保護者に支給しております就園奨励費を充実させることとしており、平成十九年度から大幅に引き下げております保育所保育料や、新たに実施される「子ども手当」の支給とあわせ、子育て世代に対し経済的な支援をしていく考えであります。

このほか、「産後ヘルパー事業」を実施して出産後の母親の負担を軽減するとともに、妊婦健康診査の検査項目を増やすほか、「子育てサークル支援事業」として、子育てサークルの活動費を補助して安定した運営を支援し、さらには、放課後児童クラブを市の直営とし、サービスの拡充と質的向上を図るなど、安心して子どもが産み育てられる環境づくりを一層推進することとしております。



○障がい者福祉の充実について

障がいのある方も地域の中で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

特に、障がいのある方の就労支援の一つとして、リサイクルセンターでの資源ごみのビン・缶を分別する業務について、平成二十二年度から「障害者就労継続支援事業所・つゆくさ」(米子市大篠津町)に、委託することを考えております。

「つゆくさ」は、障がい者を雇用して就労を支援している社会福祉法人の事業所で、本市の方も雇用されており、昨年の十月から試験的に分別作業に従事していただいたところ、良好な結果を得ることができましたので、障がい者の自立を積極的に支援する上からも実施に踏み切ることとしたものであります。

また、平成二十一年度から障害児(者)育成会で開催している「トランポリン教室」に加えて、平成二十二年度は、市民温水プールでの「水泳教室」も実施し、日頃、運動の機会が少なく余暇活動に制約のある障がい児等の、健康の増進と体力づくりを支援してまいります。

「助け合い、支えあい、みんなが笑顔で暮らせるまち」をめざしている「地域福祉計画」につきましては、現在の計画期間が最終年度を迎えることから、平成二十二年度には、これまでの成果の評価と今後の課題の解決に向けて見直しを行い、幅広い市民の皆様のご意見等を踏まえながら、新たな計画の策定に取り組みます。

さらに、増加傾向が著しいうつ病など精神疾患への理解を深めるため、講演会を開催するなど、こころの健康づくりにも力を入れ、精神障がい者の方への支援を含め、精神保健福祉への対策を進めてまいります。



○高齢者福祉の充実について

 お年寄りの方が、いつまでも健康で自立した生活を継続することをめざし、特に介護予防の充実を図ってまいります。

「認知症予防教室」につきましては、未実施だった地区も体制が整い、平成二十二年度には、市内の小学校区全地区で開催することとしております。既に実施している各地区では、参加者が認知症予防に取り組むとともに、地域で認知症高齢者を支える自主活動サークルもできており、これらのサークルに対して、今後も継続して支援をしながら、認知症予防のまちづくりを進めてまいります。

また、自宅に閉じこもりがちなお年寄りにとって、地域での貴重な交流の場となっている「高齢者ふれあいの家事業」は、地域のボランティアの協力により、高齢者の皆様に楽しく過ごしていただいており、今後も、地域と高齢者のふれあいの輪をさらに拡げていくよう、地域と協働して事業充実に取り組んでまいります。

このほか、「介護予防筋力向上トレーニング事業」では、個人の体力にあったコースを設けることにより、参加者が選択しやすい事業内容としておりますが、平成二十二年度からは、一部のコースを老人福祉センターで実施することによって、センターの利用拡大も図ってまいります。

     



○市民の健康づくりについて

 市民の健康意識を高め、自ら正しい生活習慣を身につけていただくため、健康教室などの取り組みを促進するとともに、各種検診の実施により、市民の健康増進を図ってまいります。

 中でも、平成二十一年度、特定年齢の女性を対象に、乳がんと子宮頸がんの無料検診を実施した「女性特有のがん検診推進事業」につきましては、平成二十二年度も継続して取り組むこととしております。

 また、がん検診の受診率向上対策として、従来から行っている受診券の個別送付や休日検診の実施などに加え、がんが発症しやすいとされる年齢層を中心に、様々な方法で受診勧奨を行うことで、より多くの方を受診に結びつけ、疾病の早期発見・早期治療に努めてまいります。

 

新型インフルエンザ対策につきましては、流行のピークは過ぎましたが、今後も気を緩めることなく、関係機関と連携して、感染状況の把握や予防策の周知啓発などに努めてまいります。

 


以上、本市を取り巻く状況並びに平成二十二度に臨む市政運営の基本的考え方について、その概要を申し述べました。

 具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。