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市政概要報告要旨(平成21年9月9日)

平成二十一年九月定例市議会にあたり、市政の概要について申し上げます。


環日本海交流について

 六月二十九日から、待望の境港と韓国・東海、そしてロシア・ウラジオストクを結ぶ定期貨客船航路が開設されました。

 境港と東海間の旅客数は、八月末現在、一万四百九十四人となっており、一便あたりの平均は三百九人で、開設以来順調に推移しております。  

内訳は、韓国人が八十六・九%、日本人が十一・四%であり、韓国からは大山を訪れる登山客が多いほか、観光地を巡るツアーや個人客の利用も見受けられます。 

一方、日本からの利用は、ほとんどが韓国の観光ツアー参加者で占められております。

 

 貨物に関しましては、世界同時不況の影響により「荷が動かない」内外情勢の中、本航路におきましても、市内企業をはじめとする貨物の利用はあるものの、ベースカーゴ(航路の主力貨物)の確保には至ってないと伺っております。

鳥取県や境港貿易振興会では、六月から八月にかけて、広島や大阪、東京で「境港利用促進懇談会」を開催し、既存のコンテナ航路の利用促進とともに、定期貨客船航路のピーアールを行ったところであります。また、環日本海経済活動促進協議会でも、十月には岡山と高松で懇談会の開催が予定されており、今後も民間と行政が連携して貨物の確保に取り組んでまいりたいと考えます。


米子―ソウル便につきましては、新型インフルエンザの影響により日本と韓国の団体旅行のキャンセルが相次いだために、四月と五月の搭乗率は低迷 しましたが、搭乗率向上の緊急対策として、団体旅行や貸切バスへの支援要件の緩和や拡充、格安旅行商品の造成などが図られたほか、六月以降、新型インフルエンザの影響も収束したことにより、七月の搭乗率は七十三・一%、八月は六十九・〇%と利用者が増加しております。

 
 また、八月十八日から二十日にかけて、韓国浦項市で三か国十都市の参加のもと、「第十五回環日本海拠点都市会議」が開催され、私も参加してまいりました。

東アジア経済がめざましい成長を遂げている中で、参加各都市との交流推進と連携はますます重要になっており、環日本海圏の人、物、そして産業ネットワークの構築・進展を相互協力の下で行うことが確認されたところであります。あわせて定期貨客船の安定運航について協力を要請し、参加各都市から理解をいただいたところであります。


定住自立圏構想について

 この構想は、わが国の人口が今後急速に減少することが予想される中で、地方でも安心して暮らせる地域を形成し、三大都市圏への人口流出の食い止めと、地方への人の流れを創出するために、地域のリーダーであるべき中心市とその周辺の市町村が「定住自立圏形成協定」を結び、協定で形成される圏域で互いに連携・協力することで圏域全体の活性化を図ることを目的としたものであります。

 
 こうした国の構想に応じる形で、中海市長会を構成している、松江市、米子市、安来市、境港市、東出雲町は、この「先行実施団体」に応募し、昨年これに選ばれ、さらに、本年の四月には、松江市と米子市が共同で当圏域の「中心市宣言」を行ったところであります。

 その後中海市長会では、定住自立圏形成協定の締結に向けた協議を重ね、三つの政策分野で、救急医療を担う病院の支援など、二十一項目の取り組みを盛り込んだ協定案がまとまりましたので、本議会に議案として提案させていただいております。

 
 今後は、当圏域の将来像と、協定に基づき連携して推進する具体的取り組みをとりまとめた「定住自立圏共生ビジョン」を本年度中に策定するとともに、中心市に設置してある「定住自立圏構想推進基金」の活用方策の検討などについて、中心市と連携しながら進めてまいります。


観光について

八月末における「水木しげるロード」の観光入込状況は、経済不況や天候不順、新型インフルエンザなどの影響もあり、過去最高だった昨年を約十三%下回る約百七万八千人となっております。

山陰両県の民間と行政で組織する「山陰文化観光圏協議会」では、様々な事業で山陰地方の滞在型観光の促進に取り組んでおります。

山陰の豊富な観光資源を活用し、体験型・滞在型観光メニューの開発や二次交通マップの作成などが実施され、本市では、ゴールデンウィークと夏休み期間中の市内周遊バスの運行、水木しげるロードにおける外国語案内看板の整備が行われたところであります。

また、松江・隠岐地域と連携して滞在型観光地づくりを進めるため、八月に「松江・境港・隠岐観光振興協議会」を設立したところであり、今後、地域の情報発信をはじめ滞在型観光モデルコースの検討などについて連携していくことになりました。

環日本海定期貨客船の就航にあわせた受け入れ体制の整備につきましては、

韓国人を中心とする外国人観光客への利便性向上のため、旅客ターミナル内に観光案内所の設置、旅客ターミナルから境港駅までのシャトルバスの運行を行っておりますが、不十分な点は逐次改善しつつ、おもてなしの向上を含め、引き続き鳥取県や周辺市町村と連携して充実を図ってまいります。


水産業について

平成二十一年上半期の境漁港における水揚量は、五万四千三百トン余で、対前年比百一%と前年並みでありますが、水揚金額は、八十億九百万円余で、同じく七十一%と、前年を大きく下回っている状況であります。

また、昨年過去最高の三十億円余の水揚を記録したクロマグロ漁ですが、 本年は八月末現在、水揚量八百七十八トン、水揚金額十一億百万円余にとどまっております。

このような中、取引価格の安定化や通年出荷の可能性を探るため、夏場に獲れたクロマグロを冷凍保存し、需要期の年末に出荷する準備も行われているところです。こうした取り組みにより、境港のクロマグロの知名度がさらに高まることを期待しております。


 「境港地域水産業構造改革推進プロジェクト」におきましては、昨年国の承認を受けたベニズワイガニ漁業の改革計画に基づき、新たな省エネ型のカニかご漁船一隻が建造され、今期の漁から操業しております。

本年度はさらに、まき網漁業の改革計画策定に向け、現在準備が進められているところであります。


農業について

今年の中国地方は、梅雨明けが特定できないほど異常な天候が続いたことから、長雨や日照不足等による農作物への影響が懸念されているところであります。

 本市の特産野菜であります白ねぎも生育の遅れが見られましたが、全国的な品薄状況もあり、八月中旬までは高値での取引が続いたと伺っております。


 また、かつての特産品を復活させようと、境港市農業公社が栽培に取り組んでいる「伯州綿」につきましては、遊休農地一ヘクタールを活用して栽培しておりますが、試験的に実施した昨年と同じ時期に開花し、まもなく始まる収穫に期待を寄せているところであります。


商工業について

 昨年秋からの世界的金融危機の影響を受け、国内の経済・雇用情勢は急速に悪化し、鳥取県西部地区においても、七月の有効求人倍率が〇・四一倍と前月に比べ
〇・〇一ポイント下回るとともに、九か月連続でマイナスという状況が続いています。

 また、本年三月の西部地区新規高等学校卒業者の就職状況は、就職内定率

九十七・五%、求人倍率〇・九一倍と、いずれも前年度を下回る結果となり、来春卒業予定者に対する求人受理状況は、さらに厳しい状況となっています。 このため、八月二十四日、米子公共職業安定所長、境港総合技術高等学校長とともに、境港商工会議所を訪れ、地元就職を希望する高校生が地元で就職できるよう理解と協力をお願いしたところであります。

 引き続き、鳥取県や関係機関と連携して、雇用の確保をはじめ市内経済の活性化に向け、企業誘致や産業の振興に全力で取り組んでまいります。

 今回で四回目を迎える「中海圏域産業技術展・展示商談会」が、十月二十三日に境港市民体育館で開催されます。

現在七十社余の企業の出展申込を受けたところであり、今後は、製品の販路拡大等を図るため、バイヤーなどの招致に努め、取引の開始に結びつく実りある「展示・商談会」となるよう取り組んでまいります。

 


中海護岸整備について

国土交通省では、本年三月に、中海護岸整備を含む、斐伊川水系の河川整備全体に関する基本的な考え方をまとめた「斐伊川水系河川整備基本方針」が決定され、これを受けて、事業実施の具体的な整備内容等を定める「斐伊川水系河川整備計画」の策定に向け作業が進められております。

この計画策定に向けた取り組みとして、島根・鳥取両県の斐伊川沿川自治体や学識経験者から意見を聞く「斐伊川河川整備懇談会」が七月に設置されたところであります。


 本市における整備対象箇所の検討状況として、今後十年以内に行う短期整備箇所に位置付けられている「渡漁港」の護岸整備に関しましては、国土交通省、鳥取県とともに現地視察や地元説明を実施する中で、七月十日に「渡地区治水対策協議会」の代表者から、地元の要望を伺ったところであります。


 今後も引き続き地元と協議を重ね、具体的な整備方法について、鳥取県と連携を図りながら、出来るだけ早い時期に整備を行っていただけるよう、国土交通省に働きかけてまいりたいと考えております。


夕日ヶ丘団地について

夕日ヶ丘での定期借地権制度の導入につきましては、六月一日から受付を 開始し、チラシの新聞折込をはじめ、住宅メーカーや建築設計会社、自衛隊等の近隣事業所、高校の県外同窓会への訪問など、様々な機会を捉えて制度の周知に努めており、現在九人の方から申込があり、そのうち二人の方と契約に至っております。

また、七月から緊急雇用創出事業制度を活用して、周辺市町村のアパート等賃貸住宅の各戸に直接ピーアールチラシを配布するポスティングを実施するとともに、境港市土地開発公社では、先月から中海テレビ放送による映像広告も行っており、今後も引き続き、この制度を積極的に周知してまいります。


米子空港滑走路延長事業について

 米子空港の滑走路延長事業につきましては、国土交通省から、二千五百メートル滑走路の供用開始が本年十二月十七日になると公式発表されました。

これによって、航空機材の大型化への対応や冬季の安定運航などにおいて 空港機能が強化されることとなります。増加する旅客需要への対応はもちろん、 大型機による航続距離延長も可能となり、すでにハワイへのチャーター便運行が計画されるなど、さらなる国際化も進むものと期待しております。


 また、JR米子空港駅前の周辺整備、県道をまたぐ歩道橋とエレベーターの設置工事についても、十月末には完成することとなっております。

なお、空港ターミナルビルの増床、待合室等の拡張工事につきましては、十二月の完成をめざして鋭意事業が進められていると伺っております。


学校教育について

学校教育におきましては、平成二十一年度の取り組みの重点を「気持ちの良いあいさつが出来る子どもの育成」、「新たな不登校児童・生徒を出さない」、「中学校区での小・中連携の充実」として、本市教育の一層の充実に向けて鋭意取り組んでおりますが、一学期を経過しおおむね順調に推移していると考えております。


 昨年度に誠道小学校でモデル的に先行実施し、様々な効果が確認された「校庭の芝生化」につきましては、六月三十日に関係者への説明会を開催し、平成二十二年度には、保護者や地域との協働事業として、全小学校の芝生化を実現したいと考えております。


 また、学校施設の耐震化等につきましても、誠道小学校を除く小学校六校について、財政的に非常に有利な国の大型補正予算を活用し、平成二十一年度事業として取り組み、本年度中の工事発注をめざす考えであります。

さらには、屋根構造の複雑化を懸念し躊躇していた、校舎への太陽光発電パネルの設置についても、同じく国の大型補正を千載一遇の機会としてとらえ、七小学校全校で取り組みたいと考えております。


社会教育について

本年は、文化ホールが開館十五周年を迎えることから、これを記念し、奥田あき子氏顕彰事業として、十月十八日に「小鉄和広オペラコンサート」を開催いたします。

小鉄和広氏は、境港市出身の声楽家で、昨年イタリア音楽の普及に貢献した音楽家へ贈られる「エンリーコ・カルーソ賞」を受賞されるなど、オペラの普及に国内外で活躍されており、開催に向けては、市内音楽関係者や同級生など市民有志からなる実行委員会が組織され、準備が進められております。


 また、施設の延命化を図るため実施していた市民体育館の屋根防水改修工事が、七月に完了しました。

この工事にあわせて、トップライトの側面に換気扇を整備して、夏季の暑さ対策など利用者の快適性を確保したところであります。


子育て支援について

昨年度、こども支援センターで取り組んだ「園庭の芝生化」を、本年度は、廃園予定の台場保育所を除く公立保育所全園で取り組んでおります。苗づくりから植え付け、芝刈り等の作業も各園の保護者会と協働で行い、芝は全園とも順調に生育し、現在、緑一面の園庭となっております。


 テレビなどのメディアとの接し過ぎを避け、親子を中心に人との関係づくりを推進することを目的に、「家族のふれあい促進事業」を実施しております。 

この事業は全保育所・幼稚園と保護者の皆様と共に取り組んでいるもので、六月には全施設とこども支援センターに啓発ノボリを設置したところであります。

絵本の貸出日をノーテレビデーとするなど、各園でそれぞれ工夫しながら取り組んでいただいており、子供たちの健やかな成長・発達や親子関係づくりに大きな成果が上がることを期待しております。


高齢者福祉について

消防法等の改正により、平成二十三年五月までに全ての住宅に火災警報器を設置することが義務付けられました。

全国的にも住宅火災による犠牲者の大半が高齢者であることから、本市では、市民の安心・安全を確保する一環として、一人暮らし高齢者などに住宅用火災警報器を無料で配布することとしました。

対象者としては、六十五歳以上の一人暮らしの方や七十歳以上の高齢者のみの世帯、さらに、重度の障がいのある方のいる世帯などとし、配布の際には、市から自宅を訪問して取り付けも行う予定としております。


市民の健康づくりについて

本年度、国の新たな施策として取り組む「女性特有のがん検診推進事業」は、一定年齢の女性を対象に「子宮頸がん検診」と「乳がん検診」の無料クーポン券を送付して、受診促進を図る事業ですが、対象者二千二十八人には、八月下旬にクーポン券を送付しました。今月から来年二月二十七日までの六か月間、市内の医療機関等による個別検診や検診車による集団検診で利用いただけます。

 なお、この事業は国の方針により単年度事業として位置づけられていることから、全国市長会を通じ、事業の継続実施を国に強く要望しております。

 
 世界規模で感染が拡大している新型インフルエンザは、本市でも感染者が確認されました。

市では、私を本部長とする「境港市新型インフルエンザ対策本部」を設置して対応するとともに、「手洗い・うがい」の励行や医療機関を受診する際の注意事項などを市報や防災行政無線放送等でお知らせし、感染の拡大・蔓延防止に努めてまいりました。

 引き続き鳥取県や医療機関と連携を図りながら、感染の状況把握に努め、市として取りうる対応を適宜行ってまいります。


以上、市政の概要についてご報告申し上げましたが、議員並びに市民各位の

各段のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。