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平成19年10月定例記者会見

市長説明

中期財政計画について 
 このほど境港市の中期財政計画(原案)を作成した。
 全国のどの地方公共団体も財政状況が大変厳しい状態であり、本市も例外ではない。
 そういった中でも、市民のみなさんに適切なサービスを提供していかなければならないが、そのためには、しっかりとした財政基盤が前提であり、今後、境港市が自立・持続可能なまちとなっていくためには、財政基盤の確立が避けては通れない課題。ということで、この計画を作成した。
 計画の期間は平成20年度から24年度までの5年間。25年度から29年度までについての見込みも一部示している。
 原案については、11月1日から30日までに、パブリックコメントを募集する。市民のみなさんから意見を賜り、必要があれば変更し、最終的には12月議会での説明後、計画として決定するということになる。
 本日は、概要版に沿って説明する。
 この計画は、三部構成としている。
 1.「財政白書」で、これまでの財政運営を分析し、課題を洗い出している。
 2.「中期財政見通し」で、平成20年度から24年度までの財政推計を行なっている。現状のままで推移すれば5年後にはどういう状況になるのかを示している。
 3.「中期財政運営方針」で、財政白書や財政推計をふまえ、今後、どういった運営をしていくのかを示している。
 具体的な目標・具体的な施策を定め、これを財政計画として運用していく。

1.財政白書について
(1)
・市税が平成5年度以降、微減あるいは横ばい状態であること、地方交付税が平成13年度頃から減少していることにより財源が不足している。
・平成4年度から実施した多くの投資事業に伴う市債借入により公債費が増大し、そのまま高止まりしている。これが大変大きなこと。
 例えば平成5年度には10億円だったものが、平成9年度の4年後には17億円となり、以降17~18億円のレベルで高止まりしている。
 これが市の財政を圧迫していると分析している。
(2)
 土地開発公社の借入れの金利負担の問題。
 夕日ヶ丘関係で44億円とその他で7億円、計51億円の債務があり、これに対する金利負担がある。
 少し前までは、年間7千万円であったが、一般会計からの無利子貸付により、現在では4千4百万円で収まっている。
 また、区画整理事業では、保留地を抱えており、これが処分できていないことで、区画整理による特別会計の赤字が増大している。
 このまま販売・処分がすすまなければ一時的には11億円程度の赤字になる。

2.中期財政見通し
 今後、現在の状況が続くものとして単純に将来を推計すると5年後の赤字額が16億4千万円となり、このことは同額の基金が減ることを意味している。
 この期間は、一番財政需要が大きなものとして大量退職による人件費の増大で20~23年度に50人程度の退職がある。
 その他、下水道会計など特別会計への繰出し金の増大が予想される。
  
3.今後、中期財政見通しを踏まえて、境港市としてどのような財政運営を行なっていくか具体的な目標の設定や施策を掲げた。
 財政運営の基本方針として以下の3つをもって進めていく。
 (1)収支の均衡
 (2)財政構造の弾力性の向上
 (3)実効性の確保と透明性の向上

 経常収支比率については、通常は80%程度が望ましいが、現状は18年度決算で89.5%となっている。これを平成24年度決算では90%未満を目標とした。
 数字的には余りかわらないが、この5年間には大量退職による人件費の増大や公債費の高止まり等によりまだまだ上がる状況だが、歳出削減に努め、これを現状維持に保つという考え方。
 実質公債費比率については、20%程度が望ましいが、現状は平成18年度決算で20.1%となっている。これを平成24年度には20%未満を目標とする。
 公債費は借入れ期間が10年・20年ものということで、これを減らすには長い期間が必要。現状維持をめざすが、公債費の抑制により、平成24年度からは、債務が終わるものが出てくるので、改善していくという状況。
 基金の積立額は財政調整基金、減債基金、退職手当基金合わせて現在35億円あるが、24年度には現状維持を目標とする。
 先ほど平成24年度の(中期財政見通しで予想される)赤字額を16億4千万円と推計されると申し上げたが、この赤字は当然基金で補うので、基金は16億4千万円減る。これについても歳出の削減を図る努力をしながら、これまでの区画整理特別会計への補填を取りやめるなどして、現状維持を目指し、基金の取り崩しを回避するというもの。
 主な取り組みとしては、次の6点。これについてしっかりと取り組んで将来に備えることのできる財政基盤を築こうというもの。
(1)市税収納率の改善と滞納繰越額の削減
 現在、現年分の市税収納率は97.4%の収納率を98%にまで改善する目標をたてている。
(2)歳入規模に見合った歳出規模への圧縮
 第一義的には公債費を削減すること
 今後は扶助費などの社会保障関係経費は増大していくが、経費削減によりこの増加分を吸収すること
(3)公債費の削減と将来公債費の適正管理
 将来の一般会計の公債費の適正額を平成29年度、12億円に設定している。この目標達成のためには、市債借入れ許容額を毎年度9.1億円以下に設定する。しかし、計画期間の5年間には、当面の借入額をこの5割程度に抑制するということにしている。
 将来の公債費の適正額を平成29年度、12億円に設定し、この早期達成のために、引き続き市債借入れを抑制し、この5年間には特に9.1億円の5割程度におさえるということだが、(この5年間を抑制せずに計画どおり)平成29年度までに毎年度9.1億円借りたとしても12億円は達成できるわけであり、この間にどうしてもやらなければならない事業を前倒し、あるいは特定の年度に集中させても29年度には達成できるということ。
 いいかえれば、12億円を目標としながらも、将来の境港市のためにどうしても必要な事業には何とか対応していくことができるということ。
(4)投資的事業費の適正枠の確保
 これは今申し上げたようなこと。
 この間は、将来のための喫緊の課題に対応しながら、公債費を抑制していく。二律背反するようだが、こういうことも可能になるということ。
(5)下水道特別会計への繰出し金抑制
 将来の適正な公債費の確保額を8億円とし、現在は10億円なので2億円を圧縮したいということ。これも10年間でしっかりと管理すれば、前倒し、
あるいは特定の年度に集中も可能になってくるということ。
(6)土地開発公社等も含めたトータルでの収支均衡
 土地開発公社の債務総額は51億円で、これに対する金利負担は一般会計にとってとても大きい。一般会計から支援してもなお、利息負担が年間4千万円ほどかかる。
 市の区画整理特別会計の赤字見込みも一時的には11億円が見込まれる。
 こういった債務に見合う基金を造成しておく必要がある。
 そのため、平成24年度の推計では、16億4千万円の赤字になるところをなんとか35億円の基金を現状維持する、というのはそういう意味。
 もうひとつは今後も現在持っている基金を活用して、公社の金利負担を軽減する取り組みをしていきたい。
 
以上で概要の説明は終わる。
 
 私が市長を担当させていただいた時に、「境港市は単独での市政を選択した。
 将来に向かって自立・持続可能なまちにするためには、財政基盤の確立は避けて通れない問題で、これに道筋をつけたい。」ということを申し上げてきた。 
 この3年間、本格的な財政改革をみなさんの理解を得ながらやってきた。
 この間には、市民・職員の協力もあり、相応の行革の成果をあげてきたと思っている。
 しかしながら、なお推計すると自立・持続にはまだまだ厳しい状態がある。そのため中期財政計画を作成した。 
 今後も、しっかりと規律をもって財政運営をしていかなければならない。
 平成24年度以降については、身の丈にあった、収支のバランスの取れた財政基盤が確立されてくる見込みを持っている。今以上に市民のみなさんの要望に応えたり、懸案であった大きな事業にも積極的に取り組んでいける。
 そういった財政体質になるという見込みをもっている。
 しっかりとした基盤を作って、次代のみなさんにつなげていく。
 このように思っている。


中期財政計画の策定と意見募集[pdf:20KB]

中期財政計画(原案)の概要[pdf:28KB]

質疑応答

【記 者】先ほど、市長の話の中に「懸案の大きな事業」とあったが具体的には何か。
【市 長】今、義務教育施設の耐震診断を(境三中、誠道小学校を除く)8校で行っている。年度末に結果がでるが、この結果で耐震改修計画を立てるつもりでいる。
 生活基盤となる道路整備などにも計画的に取り組んでいく。
【記 者】歳入規模に見合った歳出規模への圧縮の中にある、人件費の抑制とは具体的に何か。
【市 長】人件費については他市に先駆け平成15年度から職員の協力の下、給与カットを続けているが、これを理解を得て維持していくということ。
定員管理をして、総職員数を抑制、給与の適正化も含んでいる。
【記 者】給与削減や職員数の削減など具体的なものは・・・・
【市 長】現状の給与カットを維持しながら能力に応じた給与体系にするということで、削減額は大きなものは上がってこない。定員管理については総職員数の抑制ということ。
【記 者】5年間で適正数を見極めていくということか。
【財政課長】例えば、ここで市税の現年分収納率の改善を98%に設定しているが、これをどのように達成していくかということは今後、収税課がこれに向けた形で計画をつくっていくということ。
 人員管理については人件費の抑制にむけて総務課が今後、計画していくということ。
 ここでいう「歳入規模にみあった歳出規模への圧縮」というのは、基本的には公債費の削減でやっていくということ。
 裏を返せば、境港市で大きな削減が見込めるのは、もう公債費しかないということである。しかし、これは、削減の効果が現れるまでに時間がかかる。
24年度までに大きな効果は望めないが、この間、扶助費や社会保障費が増大していくので、この分を人件費等を抑制することで吸収していこうということ。
採用計画についてはホームページで公開しているが、これは別の計画で作っている。
【市 長】職員数については、平成20年の4月1日に265名の予定。
 少し先まで採用・退職を管理しているが不確定要素が多く、先までのことは申し上げられない。
 平成21年4月1日には250人台の半ばまで削減をしていく考え。
【記 者】パブリックコメントは11月30日までに、自由に応募すればいいということか。また、ホームページまたは公民館や財政課に行けば、本編が見られるということか。
【市 長】そう。概要版を11月号の市報でお知らせすることにしている。
【記 者】財政状況を県内市町村で比較するとどうか。
【財政課長】経常収支比率については、4市では、鳥取市についで2番目によい。実質公債費比率は県内19市町村のうち、12市町村が18%を上回っている。当初は5団体のみであったがその中に境港市は入っていた。悪いほうから4番目だったと記憶している。4市では倉吉市についで悪い。
【記 者】この計画策定ははじめてということだが、この時期に策定したという理由は何か。
【市 長】時期的な理由としては特にはないが、毎年度5年間程度を推計していたが、ここでしっかりとした基盤をつくるためには計画を作り、取り組んでいくことが必要であると考えた。
【記 者】1年くらい前から、行財政改革の若干の成果・果実がでてきたということであった。絞るだけではなく、必要なものは対応していかなければならない。どれだけ余力があるのかを改めてここで確認し、これから本当に必要なものをこれまでぐらいにはできるのではないかというたたき台をつくり、それをスタートさせる。
そういう時期になったということか。
【市 長】そのとおり。
【記 者】市税・交付金のピークはいつで、どれくらいか。
 議会に説明ということだが、それはいつか。
【財政課長補佐】市税はピークが平成9年に41億円弱。平成18年度決算では約37億円。交付税はピークが平成12年に約43億円。平成18年度決算で約32億円となっている。
【総務部長】議会日程については、11月5日の議会運営委員会で決定する。
 予定では12月5日。常任委員会を13日。
【記 者】12月議会で説明するということだが、議会の関与の程度は?議決はいらないということか。単純に理解を求めるということか?
【市 長】そのとおり。