平成19年4月定例記者会見

市長説明

1.境港妖怪ジャズフェスティバル2007について
 第62回みなと祭前夜祭「境港妖怪ジャズフェスティバル2007」の日程が決まったので、まず報告したいと思う。
 昨年から、このジャズフェスティバルは、みなと祭の前夜祭という位置づけで行なうようにしており、今年は7月21日(土)に開催することに決定した。場所は境港駅前の特設ステージで、出演予定者は、今年は資料に掲げている4つのグループの方に出演いただく。入場料(前売り券)は、今年は一般が5,000円、高校生以下が2,500円としている。
 参考までに次のページに、これはまだ案だが、今年のみなと祭のそれぞれの行事の日程を掲載している。

2.境港市中期財政見通しについて
 次に、境港市の中期財政見通しについて、この度まとまったので報告したい。
 説明資料をご覧いただきたい。この中期財政見通しについては、概ね向こう5年間程度の財政の見通しを推計したもので、平成17年から実施している。こういった見通しを示すことによって、情報公開に資するということもあるので、今後もこういったものを積極的に公開していきたいと思っている。
 ただ、この推計は、「現在の状況がそのまま続く」ということで推計しており、単純推計である。財政運営計画ではないことを承知いただきたい。
 推計期間は、平成20年度から24年度。1ページに掲げていることが、推計に当たっての条件としている事項である。平成17年からこの財政見通しを推計しているが、今後はこういったものをもとに、将来の財政需要であるとか、あるいは財政的な指標をしっかりと目標に立てて、財政運営計画というものを今年度作っていきたい、秋口ぐらいまでには作りたいと思っている。
 2ページが、平成24年度までの推計をした基礎数値であり、平成18年度の前回推計との比較をしたものである。
 それと比べると、2ページの表の一番下を見ていただきたいが、平成23年度のところで見ると、前回は「基金が2.3億円程度残るであろう」という推計をしていたが、今回は「約18.7億円基金が残る」ということで、約16億円の改善をみている。
 ただ、4ページの下段を見ていただきたいが、退職手当債を借り入れることにしている。
 平成20年度から23年度にかけ、ここで約8億円借り入れることにしており、推計の期間外になるが平成25年度にも約1億円借りることとしているが、推計の期間内では、平成20年度から23年度までに約8億円退職手当債を借り入れることとしているので、前回推計と比べ約16億円の改善効果が出ているが、実質的には、この8億円を除くと約8億円の改善の効果となる。
 これは、平成19年度で6年連続のマイナス予算、緊縮財政を敷いてきているが、一番大きな要因というのは、徹底した歳出の削減と、総人件費の抑制である。給与の減額、あるいは総職員数の純減と新陳代謝、この影響が効果として一番大きく現れている。
 こういうような状況を踏まえて、行財政改革の成果というか果実が少し出てきているので、平成19年度においては、保育料の値下げといったことで、子育て世帯の支援に果実を重点的に配分しているところであり、それと、義務教育施設の耐震診断を小中学校の全施設で19年度に行なうこととしているが、こういった教育施設にも果実を振り向けたところである。
 5ページをご覧いただきたいが、これまで、極力、投資的経費の抑制をしてきている。
 上段の表を見ると、平成23年度まではまだまだ公債費は横ばいだが、平成24年度からは急激に減るような形になっている。これは、24年度以降に償還が終了するものが集中してくるということである。こういう状況を踏まえて、将来、財政需要が生じるものについては「ある程度対応していける状況になったのかな」というのが、この表でご理解いただけると思う。
 しかしながら、その下の表をご覧いただきたいが、これは一般会計と下水道会計とを加えたものであるが、これで見ると、市債の残高と公債費いずれも減少傾向にある訳だが、一般会計のみと比べると、その減少の傾向というかカーブは緩やかになる。それだけ、まだまだ高いレベルにあるということも言えると思う。こういった下水道会計を踏まえたものでみると、実質公債費比率についても県内でまだワースト4という状態なので、こういった状況もよくみながら、これからはさらに規律ある財政運営をしていかなければならないと思う。
 しかしながら、いずれにしてもこういう状況を踏まえて、将来に向けて新たな財政需要に対応していく、そういった「素地が出来つつある」と思っているところである。
 そしてもう一つは、本市の財政基盤の確立に向けて大変大きな問題である夕日ヶ丘の販売促進の問題であるが、現下の経済状況では、一足飛びに分譲促進が進むとは考えておらず、これについては、長期的な体制というか「長期的に分譲促進をしていく体制づくりが不可欠である」と思っているので、そういった対応をするためにも、「基金についてはこれからもしっかり積んでいかないといけない」と考えているところである。
 いずれにしても、将来に向けて、「若干明るい兆しが見えてきたな」という感想を持っているところである。


妖怪ジャズフェスティバル[pdf:19KB]

境港市中期財政見通し1[pdf:15KB]

境港市中期財政見通し2[pdf:14KB]

境港市中期財政見通し3[pdf:15KB]

境港市中期財政見通し4[pdf:19KB]

境港市中期財政見通し5[pdf:21KB]

境港市中期財政見通し6[pdf:19KB]

質疑応答

【記 者】資料によると、単年度の収支で、平成26年度から黒字化するということでよいか。
【市 長】収支のバランスが歳入の方が上回るのが、2年ほど遅れた。
【財政課長】退職手当債を借りたことによって公債費が出てきたということで、若干赤字額は平準化されているが、その分だけ歳入超過になるのが2年ずれ込んだ。
【記 者】前回の推計では黒字化は平成24年だったのか。
【財政課長】そう。
【市 長】退職手当債を借りて平準化したために、その分2年後ろにずれた。
【記 者】先ほど「若干明るい兆しが見えてきた」といわれたが、どのあたりが一番大きいと言えるのか。
【市 長】これまで、投資的経費を極力抑制してきて、5ページのグラフで平成29年度まで挙げているが、これは今の状態が続けばという前提だが、市債の残高が約145億円から約50億円になり、公債費も10億円程度になる推計となっている。
 この平成29年度の状況というのはあり得ない訳で、やっぱり財政運営をするということは、何も借金の返済ばかりでなく、新たな市民サービス、そういった需要にも応えていかないといけない。これまでソフト事業にはしっかりと対応してきたつもりだが、今後は、こういった市債残高とか、公債費のバランスなどを見ながら、投資的経費にも充てていくことができる、そういう素地ができるということをこのグラフは表している。こういったことをとらえて、「明るい兆しが若干見えてきつつある」と申し上げた。
 平成19年度予算については、国際交流基金等から2,000万円ちょっと基金を取り崩すだけで、歳入に見合った歳出の状況にすることが初めてできた。これまでは1億から2億円程度基金を取り崩して予算を編成したが、言わば、身の丈にあった予算を初めて平成19年度組むことができたということであり、今しばらくそういった取り組みを続ければ、将来の義務教育施設の大改修であるとか、建て替え等が想定されるし、そのほかの投資的な事業にも、何とか対応ができそうな状況になりつつあることから、「明るい兆しが若干見えてきた」という表現をした訳である。
【記 者】今後の見通しの中で、今想定しているのは、義務教育施設の大改修や建て替えをイメージしているのか。
【市 長】平成19年度に耐震診断を実施する。これは年度末ぐらいには結果が出ると思う。そういったことも踏まえて、大改修なり、建て替えというような診断結果もあるいはでるかもしれない。財政推計を見据えて、長期的な計画になろうと思うが、そういった投資的な経費にもまわしていくような計画もつくれる。
【記 者】新年度予算編成で、学校再編も検討するということか。同時進行ということか。
【市 長】そういうこと。例えば統合とかを合わせて考えないと大改修や建て替えはできない訳で、そういったことも踏まえながら計画は作っていかないといけないだろうと思う。
【記 者】少子化で生徒数も減る中で、大規模改修では費用対効果も考えていくのか。
【市 長】費用対効果もそうだが、少なければ少ないのが本当にいいのかどうかも含め、子どもをしっかり教育していく上でどういった状況が望ましいのかということを基本に、そういった改修計画なり統廃合も考えていくということである。
【記 者】学校の耐震診断で、年度末に文部科学省が発表した中で、境港市は県内の市町で未整備だったが、今回予算化したのは。
【市 長】これは子どもの安全にかかわることであり、早急に取り組む必要があるものであり、それを平成19年度すべての義務教育施設でやるということである。
 これは、投資的事業ばかりでなく、19年度には保育料の値下げをした訳だが、これには3,000万円ぐらい値下げによって持ち出しが増え、しかもこれは翌年度以降も経常経費となりずっと負担していくことになるが、こういう状況を見ながら決断できたものである。
【記 者】見通しが前よりも好転したというのは、行革の効果が現れてきたということだが、それは人件費の抑制が一番大きいのか。
【市 長】そう。そしてまた、歳出の削減についても、毎年度予算編成の過程で、さらに削減する項目はないか、費用対効果はどうなのか、あるいは従来の事業を止めてそれに代わる何か新しい効率のいい事業を起こすとか、そういったことを担当課で日常的にやっているが、予算編成の際にはさらに厳しくやってきており、そういった経費の削減の効果と総人件費の抑制といったことも大きい。また、16億円という効果で捉えると、退職手当債を借り入れて効率的な財政運営をしていくということも入ってくるのでないか。




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