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施政方針要旨(平成19年3月7日)

 今期定例市議会において、平成19年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考えを申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。

 市政を担当して、今年で3年になろうとしております。この間、協働のまちづくりを中心とした市民参画の市政の推進と、自立・持続可能な財政基盤の確立を最優先課題として取り組み、一定の成果をあげておりますことは、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力の賜物であると思っております。
 現在、国においては、いわゆる三位一体の改革に引き続き、さらなる地方分権改革が進められようとしております。これまでの改革では、補助金削減や税源移譲など制度そのものの改革はなされ、大きな第一歩が踏み出されたものの、本来の目的であった地方の自由度拡大の観点からは疑問が残るものでした。
 このたび安倍首相が、「地方の活力なくして国の活力なし」と掲げ、地方が自ら考え、実行することのできる体制づくりなどを謳う新たな地方分権改革に対し、大いに期待を寄せるところであります。
 また、中海圏域では、様々な分野で行政区域を越えた連携の気運が高まっておりますが、近い将来導入が予想される道州制を考える上でも、今後ますます激化するであろう地域間競争に生き残るためには、今からこの圏域の一体感を醸成し、「中海圏域が一つのまちとして機能」するように、民間も行政も一緒になって取り組んでいくことが重要と考えます。
 本市におきましては、大部分の自治体がそうであるように、厳しい財政運営を余儀なくされており、自立・持続可能な財政基盤の確立に向けた取り組みは不断に継続すべきものと考えます。ただし、このような中にあっても、市民サービスを適正水準で堅持しつつ、市民生活に直結した必要不可欠な施策や、時代背景に即した行政需要には、時を逸することなく的確に対応したいと考えており、平成19年度においては、特に「子育て支援」の分野に重点を置いて取り組んでいく考えであります。
 あわせて、地域の活性化の面では、境港市は、重要港湾、特定第3種漁港、国際定期便をもつ空港という広域圏の核となる社会基盤と、「さかなと鬼太郎」といったユニークな地域資源を有しております。市民の皆様の英知を結集しながら、これらの基盤や資源を活かした個性豊かなまちづくりを進めていけば、人々が寄り集まる、魅力あるまちができ上がっていくものと考えます。
 市長就任以来掲げております「公明正大な市政-市民と共に築く風格あるまち」の理念のもと、平成19年度も「協働と改革」を基本に市政運営を進め、誰もが「住んでよかった」と思え、将来に夢と希望が持てるまちに近づけるよう、全力で取り組んでまいります。


1.協働と改革の推進

○協働のまちづくりの推進について

 私は、これからのまちづくりは「自分たちのまちは、自分たちで考え、自分たちで創り上げていく」という気概をもって進めていくことが大切であるとの思いから、「協働のまちづくり」を市政運営の柱にすえて取り組んでまいりましたが、市民の間でも、こういった気運が次第に醸成されつつあり、まちづくりの様々な場面で市民活動が展開されるようになってまいりました。
 こうした中、平成16年12月に設置した「境港市協働のまちづくり推進懇話会」では、協働のあり方をルール化するための条例制定に向けて、2年以上にわたり精力的に調査研究を重ねられ、このほど「境港市みんなでまちづくり条例」の素案としてまとめていただいたところであります。
 この条例素案は、市民、市民活動団体、事業者と行政の役割分担をはじめ、市民活動の促進や支援、行政参加や協働の推進などの基本的な考え方を示したもので、全て市民の視点からとりまとめられた点に大きな意義があると考えます。
 現在、市報や公式ホームページへの掲載、公民館等での閲覧などを通じて、広く市民の皆様からの意見を募集しており、今後は、これらの内容も踏まえながら条例案を固め、6月定例市議会に上程したいと考えております。


○平成19年度予算案について

 本市の財政状況につきましては、歳入において、その主体をなす市税収入が、税制改正により増額となるものの、法人関係税が好調な大都市やその周辺部とは異なり、実質的には現状維持で推移するものと予想され、地方交付税等が漸減していくことを考慮しますと、一般財源総額はさらに減少すると見込まれます。
 一方、歳出におきましては、少子高齢化等に伴い増大し続ける社会保障関係費や償還額のピークを迎えている公債費など、圧縮することのできない経費の影響が大きく、硬直化した財政構造の改善はなされつつあるものの、大きく進展しない状況であります。
 このような前年度にも増して厳しい状況の中、平成19年度予算案の編成にあたりましては、これまでの方針通り、中長期的な視野に立ち、「自立・持続可能な財政基盤の確立」と「市民サービスの維持向上」の両立に向け、真に必要な施策の取捨選択を基本に取り組んだところであります。
 主な内容としましては、引き続き、総人件費と公債費の抑制を中心に歳出規模の適正化に努めるとともに、経常経費を3.5%減額することなどによって、新たな財源を生み出しながら、現状の市民サービスの堅持、あるいは現有施設の機能保持に加え、全義務教育施設の耐震診断の実施をはじめ、保育料の引き下げや各種保育サービスの充実など、教育、子育て支援分野の充実に重点的に財源配分を行なったところであります。


○行財政改革の推進について

 平成15年度から本格実施してまいりました行財政改革につきましては、平成18年度までの4年間の累計で約29億円の行革効果があり、着実に成果をあげているところですが、現時点におきましては、まだまだ厳しい財政状況を脱したとは言い難い状況にあります。
 このため、平成19年度におきましても、職員の協力を得ての給与カット、細部にわたる事務事業の徹底的な見直し、周辺自治体との比較による受益者負担の適正化などを実施するほか、ホームページでのバナー広告、市報への広告掲載による新たな収益事業にも取り組むこととしており、これらによる事業費の縮減や増収を図りながら、新たな市民ニーズに対応する財源の確保に努めたところであります。
 また、職員の条例定数は、平成20年4月にはこれまでの319人から269人にすることとしており、計画的な職員数の削減を進める中で、より事務効率のよい、スリムな組織づくりをするため、新年度に向け機構、組織の見直しを行なうこととしております。
 このほか、鳥取県西部広域行政管理組合におきましても行政改革に取り組むこととなり、消防組織の体制見直しや職員給与の適正化などについて、構成市町村とともに協議・検討を進めているところであります。



2.市民一人ひとりを大切にする福祉と教育の充実

○少子化対策について

 深刻な少子化による人口減少社会は、地方の存立ひいては我が国の将来を左右する重大な問題であります。
 根本的な少子化対策は国の責任において実施されるべきものですが、地方は地方の責任において、子育て世代を地域全体で支援していくことによって、少子化の流れを変えていく努力が必要であると考えます。
 このため、仕事と育児の両立を支援するための保育サービスの充実や経済的負担の軽減など、様々な施策を総合的に展開することにより、若者の定住促進の意味も含め、市全体として子どもを産み育てやすいまちにしていきたいと考えます。
 具体的には、保育行政において、保育料を平均14.5%引き下げを行ないます。特に負担感の大きい3歳未満児の保育料については、23.1%引き下げますので、鳥取県西部地域では最も低い保育料となります。
 また、夕日ケ丘保育園を新たに認可するほか、「延長保育」実施園の大幅な拡充や、公立園での「一時保育」の実施など、多様な保育サービスにより子育て世代をきめ細かく支援してまいります。
 このほか、保育行政の充実とあわせ、新たに「妊娠期からの読み聞かせ事業」をはじめ、「家族で遊ぼう休日プレイルーム」、「きらきら親子菜園」など、家族や地域の絆を強めるための施策や、さらには、紙おむつ等でごみがかさばる子育て世帯の可燃ごみ袋負担の軽減にも取り組むこととしております。


○障害者福祉の充実について

 昨年4月から施行された「障害者自立支援法」は、戦後初の抜本的な改革であったこともあり、障害者団体をはじめ様々な方面から課題等が提起され、本市としても全国市長会を通じて、国に対し適切な改善を要望してきたところでありますが、平成19年度からは、国において、利用者負担のさらなる軽減や新法への円滑な移行支援などの激変緩和特別対策が講じられることとなったところであります。
 今後も、新しい制度の周知を図りながら、障害者が自立した生活を送ることができるよう、在宅福祉サービスや相談業務の充実とともに、就労機会の拡大などにより社会参加の促進を図ってまいります。


○高齢者福祉の充実について

 介護保険事業につきましては、平成18年度から第3期介護保険事業計画に基づき着実に実施しているところであります。
 中でも、高齢者が介護の必要な状態になっても身近な生活圏域で利用することができるよう、増加傾向にある認知症高齢者のための「認知症高齢者グループホーム」や「認知症対応型デイサービス」、さらには通所サービスと宿泊サービスや訪問サービスを組み合わせた「小規模多機能型居宅介護」のサービス提供事業所を新たに指定し、地域密着型サービスの一層の充実に努めてまいります。
 このほか、老人福祉センターの管理運営につきましては、境港市老人クラブ連合会をはじめ障害者福祉団体等が連携して受託するための協議会を立ち上げられたところであり、この協議会を指定管理者とする方向で検討を進めることとしております。


○市民の健康づくりについて

 各種検診事業につきましては、がん検診における費用負担の見直しを行ない、70歳以上の市民税課税高齢者からも1割相当を負担していただくこととする一方、乳がんのマンモグラフィ検診の対象を50歳代にも拡大するとともに、胃がん・大腸がん検診などを含め、受診定員の拡充を図り、さらに、国民健康保険の脳ドックについても、対象年齢を74歳まで引き上げるなど、疾病の早期発見・早期治療に努めてまいります。
 また、平成18年度に外江・境地区で実施した「国保ヘルスアップ事業」につきましては、地域住民の生活習慣の改善や健康づくり活動の地域リーダー育成に成果をあげるとともに、この事業の中で考案された「鬼太郎音頭体操」も好評を得ているところであり、平成19年度においても、国の予算内示を待って引き続き取り組んでまいりたいと考えております。


○住民負担の軽減措置について

 地方税制の改正により、平成18年度から高齢者に対する非課税措置が廃止されたことに伴い、収入額が以前と変わらないにもかかわらず、市民税が非課税から課税となったことによって、非課税世帯を対象とした福祉サービスが受けられなくなる状況が発生しています。
 このため、その経過措置として、平成19年度と20年度の2か年については、税制改正がなければ非課税世帯となる高齢者に対して、寝たきり老人等おむつ代や鍼・灸・マッサージ施術費の助成を行なうとともに、がん検診と国民健康保険人間ドック・脳ドックの負担を軽減することといたします。
 またあわせて、有料化している「持ち出し用可燃ごみ袋」の負担につきましては、減免の対象をこれまで自治会活動やボランティア活動に限定しておりましたが、平成19年度から新たに、生活保護世帯や寝たきり老人等の紙おむつを使用している世帯など、特別な事情のある世帯についても減免対象に加え、年間40枚を限度にごみ袋を無償で配布して負担を軽減する取り組みを実施する考えであります。
 

○学校教育の充実について

 学校教育においては、「こころ豊かでたくましい子ども」、「夢や希望を持ち、よりよく生きようとする子ども」の育成を本市の教育目標としており、そのための環境を人的にも物的にも整えることに努めるとともに、教育委員会と学校、保護者、地域の連携をさらに進めることによって、本市の教育力を高めてまいりたいと考えております。
 教育面については、各小中学校に指導補助員を配置して、児童生徒に対するきめ細かい教育のサポート役として成果をあげている本市独自事業の「のびのび浜っこ育成事業」をはじめ、小学校低学年の「30人学級」、開かれた学校経営による「信頼される学校づくり事業」、「中堅教員レベルアップ研修」などを引き続き実施します。
  また、新たに、保護者や地域の方々に様々な分野で学校教育を応援していただく「学校支援ボランティア事業」、中学生が外国を肌で触れ、その経験を将来に活かすための「国際理解教育事業」、児童・生徒が生の芸術に触れる機会を創出する青少年劇場や芸術鑑賞教室公演の拡充などに取り組みます。
 施設整備については、小中学校施設のうち、耐震診断が必要である全29棟について一括して調査を実施し、今後の施設改修計画に活かしていくほか、誠道小学校の冷暖房設備改修、上道小学校プール改築、第1中学校武道場屋根改修などを実施することとしております。


〇社会教育の充実について

 地域における学習・交流の拠点である公民館については、特に30回の節目を迎える公民館活動研究集会の記念大会を開催するなど、活動のさらなる活性化に取り組みます。
 また、市民図書館については、読書活動の推進に資するため取り組んだIT化と学校図書館等とのネットワークの構築により、双方の連携が強化されるとともに、他の公立図書館との相互貸し出しが可能となるなど、サービス向上の基礎が整ったところであります。さらに平成19年度は、市民活動センターにおいて、ブックスタートフォローアップ事業として「親子読み聞かせ教室」を開催するなど、引き続き生涯読書の取り組みを進めてまいります。
 体育の振興につきましては、昨年の全国スポーツ・レクリエーション祭で実施した「健康ウォーク」を、体育指導委員をはじめ関係者の協力のもと引き続き実施し、市民の体力向上、健康増進につなげたいと考えております。
 なお、安心してスポーツが楽しめるよう、既存体育施設の機能保持を図ることとしており、老朽化した中浜港スロープの改修をはじめ、竜ヶ山陸上競技場全天候舗装走路や竜ヶ山球場内野グランドの改修などを実施いたします。
 文化の振興につきましては、引き続きサロンコンサートをはじめ、市民音楽祭、ブラスフェスタなど、市民が気軽に芸術・文化に親しむことができるよう多くの機会を提供してまいります。



3.産業の活性化と都市基盤整備

○水産業の振興について

 境漁港を取り巻く状況は、平成18年の水揚げ量が10万トン台を回復したものの、今後も漁獲量の早急な回復は見込めず、地域間競争は激しさを増しております。
 このような中、漁業者と地域が一体となって、漁獲から加工、出荷に至る生産体制を改革し、コスト削減と収益性を向上させる改革計画策定のための「境港地域水産業構造改革推進プロジェクト」を立ち上げることとなりました。漁業のみならず関連産業を含めた水産業全体の振興につながる大きなチャンスととらえ、官・民が連携して取り組んでまいりたいと考えます。
 また、昨年から取り組まれているベニズワイガニの資源回復計画につきましては、懸念されていた北朝鮮水域から撤退したカニかご漁船の国内水域での操業による影響は、国際漁業再編対策に基づく減船の実施により回避されることとなり、資源回復計画の実施にかかる漁獲努力量の削減に向けて、引き続き協議が行なわれているところであります。
 漁港・漁場整備につきましては、平成19年度においては、老朽化した新港1号及び2号岸壁の改修のための調査・設計が行なわれるとともに、国の「フロンティア漁場整備事業」として、山陰沖での漁場調査が全国に先がけて実施されることとなっております。
 本市としましても、事業者の積極的な取り組みに対しましては、国や鳥取県と連携しながら支援してまいりたいと考えております。


○農業の振興について

 荒廃農地の解消に向けましては、境港市農業公社を通した農地の貸し借りを進めているほか、現在、誠道町北側の竹内地区においては、国の事業を活用して荒廃水田を畑地に転換し、排水不良の畑地については盛土を行い、作付け可能になるよう改良事業を実施しているところであり、また、渡町の下大沢地区においては、地権者の共同施行で土地改良事業が実施され、換地とあわせて荒廃水田を畑地に転換されております。今後も荒廃農地を解消し、農地の有効利用が図られるよう努めてまいります。
 農業を支える安定的な農業用水の確保につきましては、中海淡水化事業中止に伴う代替水源確保として、中海干拓地の溜池造成工事が平成19年中に完成するほか、国営弓浜半島土地改良事業として米川及び五ヶ井手川の改修を、また、県営弓浜地区畑地帯総合整備事業として枕川の改修を実施すべく、現在、事業開始の手続きがなされているところであります。本市としましても、慢性的な農業用水不足が解消されるよう、引き続き国、県と協調して取り組んでまいります。
 本年10月に鳥取県で開催される「第9回全国和牛能力共進会」につきましては、竹内団地がサブ会場になっていることから、本市としても、自然の恵み豊かな鳥取県の魅力を発信する関連イベントを開催するなど、この祭典の成功に向けて協力してまいる考えであります。


○商工業の振興について
 
 竹内団地におきましては、「プラント5境港店」の開店を機に商業店舗の集積が年々進んでおり、原則として、団地南側には商業系施設、団地北側には製造業系企業の誘致を図り、地域経済の発展と雇用の創出に努めてまいります。あわせて、境港の利用促進につながる資源循環型企業や輸出関連企業の誘致にも、環境に十分配慮しながら取り組んでまいります。
 また、昨年、中海圏域の企業と鳥取県内の企業が連携して開催した「ものづくりフェア」につきましては、平成19年度は松江市におきまして、中海圏域の産・官・学が連携した「産業技術展」を開催する方向で計画を進めているところであります。
 このほか、国の伝統工芸品の指定を受けている弓浜絣は、従事者の高齢化や後継者不足などから技術保持者が減少し、このままでは産地として消滅することが危惧される状況にあることから、弓浜絣協同組合が実施する人材育成等を図る取り組みに対し、鳥取県・米子市とともに支援していくこととしております。


○環日本海交流の推進について

 境港(さかいこう)における平成18年の取扱貨物量は、全体で対前年比3.4%増の455万トン余りとなり、輸出入につきましては過去最高となる244万トンを記録しました。ただし、コンテナ取扱量については、中国航路の輸入が減少し、1万5千本にはわずかに及びませんでした。今後も取扱量の拡大に向けて、境港貿易振興会など関係機関と連携を図りながら、引き続き利用促進に努めてまいります。
 また、現在、新潟港とロシアのトロイツア港、韓国の束草港を結ぶ「日本海横断航路」の開設に向けた取り組みが進められています。中国東北部、ロシア極東地域、韓国、そして日本を結ぶ輸送ルートの確立は、物流のみならず、観光面での交流推進にも大きく寄与するものと期待されていることから、境港が、この航路の寄港地の一つとなるよう、積極的にピーアールするとともに、積荷の創出に取り組んでまいります。
 ソウル便につきましては、平成18年の乗降客数は3万3千人余りで、平成13年4月の航路開設以来、2番目に多い乗降客数となりました。
 しかしながら、搭乗率では57%程度にとどまっており、山陰で唯一の国際定期路線である米子―ソウル便の存続と自立に向け、鳥取県はもとより、島根県東部との連携を強めながら、中海圏域が一体となった利用促進に努めてまいります。


○中海圏域の交流・連携について

 江島大橋開通による人や物の流れの飛躍的な拡大や、中海・宍道湖のラムサール条約登録などもあいまって、環境保全への市民活動をはじめ中海を取り巻く交流の気運が高まっています。
 そうした中、境港市と松江市のペーロン協会やボート協会が中心となって、「第2回全国ペーロン選手権 中海大会」の本年9月の開催に向けて準備が進められております。
 手漕ぎのペーロン船により、松江市から大根島を経由して境港市までの全長24キロメートルの長距離レースをはじめ、体験乗船会など、参加者や中海圏域住民の交流を深める催しが計画されています。
 広域合併により本市と隣接することとなった松江市との間で、より広域的な市民交流が拡大していく中、この大会の実施にあたっては、松江市と境港市が協調して支援していくこととしており、今後の中海圏域都市間の「交流・連携」を進めていく上で、貴重な試金石となるものと期待をしているところであります。


○観光振興について

 水木しげるロードの昨年1年間の入り込み客数は、「妖怪そっくりコンテスト」、「妖怪検定」、「妖怪川柳」など、民間の方々による意欲的な取り組みもあって、全国に向けて絶えず情報発信できたことなどから、約92万6千人と2年連続で過去最高を記録しました。
 本年は、松竹映画「ゲゲゲの鬼太郎」の全国ロードショーや第5作目となるテレビアニメの放送が予定されており、本市としてもタイアップイベントを実施するなど、引き続き水木しげる妖怪ワールドの魅力を全国発信してまいります。
 また、県境を越えた官・民一体の組織である「中海・宍道湖・大山圏域観光連携事業推進協議会」において取り組まれている、観光をテーマにした広域連携事業が、平成19年度は具体化してくることとなっており、本市としましても、圏域への誘客拡大のため積極的に取り組みを支援してまいります。
 このほか、全国和牛能力共進会が10月に開催されますが、この大きなイベントを活用し、県内外からの来訪者に「さかなと鬼太郎のまち境港」を積極的にピーアールしてまいりたいと考えております。


○夕日ケ丘団地の販売促進について

 夕日ケ丘団地の分譲につきましては、昨年から、民有地が市より安い販売単価で売り出されたこともあり、平成18年度の販売区画数は四区画にとどまっており、この影響はしばらく続くものと考えております。
 本市としましては、平成19年度には、保育料の引き下げをはじめ夕日ケ丘保育園の認可や園舎増築など、定住促進にもつながる子育て環境の充実に取り組むほか、認知症高齢者グループホームの増設、中浜港の整備など、団地全体の魅力向上に努めてまいります。
 中でも、スーパーマーケットなどの商業施設や利便施設を誘致することを最優先課題として取り組むとともに、土地購入希望者から要望の多い小区画の土地を新たに9区画分譲し、1区画当たりの販売価格を引き下げることにより販売促進につなげたいと考えております。
 なお、販売促進策については、引き続き夕日ケ丘販売促進プロジェクト会議の中で検討してまいります。


○米子空港滑走路延長事業について

 山陰の中核空港を目指し進められている滑走路延長事業につきましては、空港用地内において、現在、滑走路本体の造成工事が行なわれていますが、平成19年度は、新たに駐機場や誘導路の整備にも着手される予定となっています。
 市道及び県道の付け替えについては、市道外浜線が平成19年度前半の完成を目途に、また主要地方道米子・境港線については、平成20年度前半の完成を目指し工事が進められております。
 また、防音堤につきましては、滑走路の供用開始までに完成するよう整備がなされることとなっています。
 JR境線については、中浜駅の行違い設備設置工事等を含む付替えが、平成19年度から実施される予定であるほか、新駅設置に伴う利便施設につきましては、国・県・民間の関係機関との協議の中で、整備案が検討されているところであります。
 なお、滑走路延長事業に伴う地域振興計画につきましては、平成19年度は、市道側溝の改修や農業用排水路の整備を行なうこととしております。


 以上、本市を取り巻く状況並びに平成19年度に臨む市政運営の基本的考え方について、その概要を申し述べました。
 具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。