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平成19年1月定例記者会見

市長説明

1.「境港市みんなでまちづくり条例」素案の策定について
 今回の案件は、このたび「境港市みんなでまちづくり条例」の素案ができまして、先ほど、協働のまちづくり推進懇話会の委員の皆さんから報告をいただいたところであり、この内容についてご説明したい。
 今、私どもの市政を進める上で一番の柱にしている「協働のまちづくり」について、市民の皆さんで「協働のまちづくりの指針となるような条例を作ったらどうか」「作りたい」ということで、平成16年の12月にこの策定の委員会を立ち上げさせていただいた。
 この2年にわたって、12名の委員、このうち3名の公募委員に入っていただいているが、この12名の委員の方で、本当に頻回に、懇話会12回、自主的な研究会を12回、さらに条例の出前説明会を3回行なうなどして、このほどまとめていただいたところである。
 この条例の意味するところを私はこう思っている。これまで、条例を作ることについては、例えば協働のまちづくりの条例を作る際、これまでの考え方は、行政の方が市民の皆さんに、「協働のまちづくりについてこういう形で参画してほしい」、「こういう形で取り組んでほしい」と、こういう立場で提案するのが通例というか、多くあった訳だが、このたびの条例づくりに当たっては、市民の皆さんの側から、協働のまちづくりについて「こう取り組むべきだ」「こうあるべきだ」と、市民の皆さんの視点から作っていただいたという点で、大変私は意義のあるものだと思っている。
 この条例をもとに、行政も市民も、あるいは市内にある事業所も一体となって「自分たちの住むまちは自分たちで考え、自分たちで創り上げていく」、そういったまちづくりが進められれば大変ありがたいと思っているところである。
 今後の日程としては、報告いただいた条例素案を、市報の2月号で掲載し、さらに市のホームページや公民館などでもご覧いただけるような形にしたいと思っている。そして広く市民の皆さんから、この条例についての意見を募っていきたいと思う。そして最終的には、6月議会に提案して、7月から条例を施行したいと考えている。
 委員の皆さんにも今日こちらに同席いただいている。皆さんお忙しい方々ばかりだが、本当に真剣になって、集中的にこの素案づくりに取り組んでいただいた。委員の皆さんには心から敬意を表したいという気持ちを持っている。
 今後はこの条例を本当に活かしていくことが大切だが、条例だけ作って形骸化してしまうようであってはならない訳で、この条例が本当に協働のまちづくりの「実」となって「花」と咲くように、我々行政も物心両面で協働のまちづくりを進めていきたいと思っている。

1ページ(「境港市みんなでまちづくり条例」素案の策定について)[pdf:21KB]

質疑応答

【記 者】委員の内訳はどういう構成となっているか。
【市 長】すべて市民の方であり、12名のうち3名の公募委員がいらっしゃる。
【記 者】サラリーマンとか、経営者とかか。
【市 長】いろんな各界各層の市民の方々である。
付け加えるが、島根大学の毎熊助教授にアドバイザーをお願いし毎回出席いただき、一緒に考えていただいた。毎熊先生の教室の島大の学生さんも時には出席いただいて、いろいろ議論を交わしながら進めていった。
【記 者】毎熊先生は委員でなくアドバイザーか。
【市 長】アドバイザー。
【記 者】先ほど、通例と違って市民の視点で作り上げた点に大変意義があると言われたが、こういった市民の側から素案を出していって成立した条例はこれまであったのか。
【市 長】これまではない。行政の各分野でいろんな計画を作るが、そういった計画を作る際にも、行政の側で大方の素案を提案させていただいて、ご意見をいただき、修正したりする方法が常だったが、これは全くの市民の視点で「協働のまちづくりはどうあるべきか」「行政はどう取り組んでいくか」「市民の側はどう参画していくのか」、100%市民の皆さんの視点から作られた条例であり、この条例については概ねこの素案の形で、広く市民の意見を聞きながらであるが、議会に上程していきたいと考えている。
【記 者】懇話会メンバーの委嘱は、中村市長がしたのか。審議会とは違うのか。答申という形ではないのか。
【市 長】そう。審議会という名称ではない。全くフリーの立場で、市民の皆さんの視点で考えていただいた。
【記 者】地方分権ということが言われているが、そういう観点から言われているのか。
【市 長】本当にこれから地方分権は本格化する訳だが、地方分権の一番大元は、「地方のことは地方で」、「国の方から財源や権限を下ろすけれども、地方は自分で決定し、自分で責任を持ちなさい」、「自己決定・自己責任」の、そういう時代である訳であり、したがって、先ほど申し上げたように、「自分たちのまちのことは自分たちで考え、自分たちで創り上げていく」、これが自治の一番の基本だと思う。そういう意味では、地方分権時代に全く合致した協働のまちづくりの条例であると思っている。
【地域振興課長】ここで、懇話会の委員の皆さんにも出席いただいているので、代表の赤石さんから、感想を述べていただきたいと思う。
【赤石座長】懇話会の代表をさせていただいた赤石です。まず、委員の中で出たのは、やはりこれからのまちづくりというのは、行政側に一方的におんぶするものでなく、行政と市民とが一緒になってまちづくりは進めていかなければならないということだった。
 一番苦労したのは、今までは「できたものをどうか」というのはあったが、何もないところから「自分たち独自の提案をしなさい」ということで条例の素案づくりに取り掛かったが、何もないところからスタートしたので時間がかかった。
 この部分には市長の理解もあり、「時間はいくらかかってもいい」「決まったものでなく、自由に、実際にかかわっている立場からどんどん提案しなさい」と言ってもらえたのは、ありがたかった。
 境港という小さいまちで、独自でやっていこうと決定したのであり、財政的にも厳しい中、まちづくりはどうあるべきか、いろんな意見が出る中で、この条例を提案させていただいた。
【地域振興課長】もう一人、条例に対する思いなどをいただきたい。
【足立委員】委員にならせていただき、「まちづくり条例を」ということで皆さんと一緒に2年間、いろいろ話し合いをさせてもらった。その中で、私自身が、境港のまちは「こういうふうにしていきたい」「こういうふうになったらいいなあ」ということがかなり強く固まっていった。
 そういう思いを文章にするのがどんなに大変かということも体験した。文章にして皆さんに理解していただくように条例を作るということの大変さも体験したが、それが出来上がってみて、これが活きるように、「みんなで境港のまちづくりに向かって頑張りたいな」という思いを胸の中にしっかりと抱いているところ。本当に委員にならせていただいてありがたかったと思っている。
【市 長】条例の素案を見ても、市民の視点で作り上げておられ、これまでの条例とは違って、言葉もわかりやすく、平易な形になっている。市民の皆さんに読んでいただいても理解していただけるのでないかと思う。条例というのは、読んでもなかなか理解できない、とっつきにくいというのがあるが、この条例は理解しやすい形にまとめていただいている。
 要はこの実をどう上げていくかということである。市民の皆さんにも積極的に参画していただき、私も含めて、職員の協働のまちづくりの意識をさらに高めて、一体となって、「自分たちのまちはみんなでつくりあげていこう」、そういった形ができてくれば、本当にこの境港市はいいまちになっていくと思う。
【記 者】主なところで構わないが、23条ある中で、どのあたりが境港市ならではで、これまでにないことが謳われているか。
【市 長】6章にわたってまとめてあるが、これまでの条例と違って分かりやすくまとめていただいており、私は、すべてを通して市民の皆さんの思いがこの条例に凝縮していると思っている。
【記 者】例えばこれまでになかったこととか、どのあたりが新たなところか。
【市 長】初めてつくるものである。これまでは市民憲章があり、箇条書きで何項目か書いてある。これが本来は、協働のまちづくりなり市民参加なりが凝縮されているものだったが、なかなかなじみが薄いということで、市民の皆さんにも理解しづらかったところであるが、今回それを、より具体的にまとめられたということであり、そういう意味では、市民の皆さんにも分かりやすい、従って理解もしていただける、さらに、そのことによって、市民参画が本当に促進していくと思っている。
 すべてにわたって、個々具体的に分かりやすい形でまとめてあると思う。行政が考えていかなければいけないこと、市民が主体的にこのまちづくりにかかわらなければならないこと、そういうことが具体的に書かれていると思う。
【記 者】具体的に市民にはこういう権利がある、それを支えるために市としてはこういう義務があるとか、パブリックコメントなども謳ってあるが、その中で市民の側が、これまでと違って、条例によってできるようになりますよと示しているところは。
【市 長】第4条に「市民、市民活動団体、事業者の役割」、これは行政の側でなく、市民の側からまちづくりをどう考え、どう参画していくかまとめてある。第5条には「市の責務」、そしてとくに第3章の「行政参加」で、具体的にどういった方法で参画していくか、あるいは第4章では、どういった支援をしていくか具体的に定めてある。お金の支援、場所の支援、情報の支援、人の支援が分かりやすい表現でそれぞれ規定してある。
 そして、このまちづくりを進めていくうえで、評価をする審議会を設置し、継続的にまちづくりを実施し、評価をし、またさらに実施していく、そういったものの考え方も入っている。
【記 者】お金の支援といったことは、市民憲章には謳っていたのか。
【市 長】入ってない。全くの理念を謳っているだけ。
【記 者】例えば、市民活動団体から市にこういうことをしたいが、何かバックアップしてくれるかと問い合わせたら、担当課から支援してもらえたのか。
【市 長】これまでは、そういった意見や提言等については、市長への手紙とか、あるいは地域振興課に対していただいたいろんな意見を私のところに持ってきて、関係課にフィードバックする形が通例だったが、新たに各部に協働のまちづくりの推進員を置いて、各部において、職員レベルでも協働のまちづくりを一緒になって進める体制を作っていく、そういったことも考えられている。
 「場」の提供等についても、昨年、市民活動センターを置いて、ここをまちづくりの拠点にしていくという取り組みもしているし、お金の支援についても、市民活動促進補助金とかを創設しているが、それを肉付けしていかないといけないと思う。人の支援も、いろいろ要望をお聞きして支援をしていく。
 大変厳しい財政状況の中であるが、市民の皆さんが主体的にかかわってまちづくりに取り組んでいただいているものには、努めて予算を重点配分していきたいと考えている。
【記 者】市民が主体的に、地域や市のために積極的に汗をかくところに、お金をまわしていくということで、既存の制度も予算枠でいろいろあると思うが、協働のまちづくりの新たな予算の枠を設けて整理する考えは。
【市 長】お金の支援は、市民活動促進補助金を設けており、市民の方、市民団体の方が活動する際に申請していただき、市民の方でその事業を審査していただき、採択されれば交付していくようにしている。これが活発になれば、枠を広げていくことになろうかと思う。これは緑と文化のまちづくり補助金を見直して、昨年度から名称を変えている。
【地域振興課長】条例素案の第21条にあるように、これからは毎年度、整理して公表していくことで対応したい。
先ほどの、条例についての特徴的なものについて、懇話会委員の代表からお話しする。
【赤石座長】「条例について境港らしい特徴を」ということだが、条文については、独自のものでないかもしれないが、「促進、参加、支援、協働」の4つの柱をまずつくろうとなった。4つの大きな柱が境港にとってまちづくりの柱だということで整理し検討した。前文のところには境港らしさを入れたつもりである。具体的には、4つの柱を中心にして作ったところが境港らしいところということになると思う。
【記 者】アンケートとか、何か実施されたことは。
【赤石座長】市民意識調査が平成18年1月に実施され、結果等が出ており、境港市は、7割の方が「何か機会があればボランティア活動なり奉仕活動に参加したい」という結果が出ている。「参加」という部分で、積極的に参加しやすいような方策をとっていかないといけないということで、条例として「参加」を柱にすえたということはあると思う。
【足立委員】例えば第8条の「日常的な参加」ということで、市民の要望、苦情も「参加」ととらえて、日ごろから市民との積極的な対話を心がけるなど、「参加」の概念もかなり境港市としては独自に広げたものと思う。
 また、第16条の「ひとの支援」のところで、第2項の「市の職員の市民活動などに関する関心や理解を深め、誠意をもって市民と向き合い、支援することができるよう、意識改革を進めます」というように、市の職員の意識改革を進めるということまで条例の文言としているのは他にないと思う。入れさせてもらったことで、かなり特徴的な条例になっているのではと思っている。
【記 者】これをいかに実現していくかだと思うが、条例が一人歩きしないためにも、定期的にこれを検証していくような制度や対策はあるか。
【市 長】第6章に定めてあるが、この取り組みの評価について第三者機関をおいてチェックしていくという機関の設置も謳っていただいているので、その部分で担保できるのではと思う。
【記 者】いかに活用されているか、絶えずチェックしていかないといけないのでは。
【市 長】そういったまちづくりの活動状況も公表して、活動補助金は、この年度はどういう団体がどういう事業のために活用したとかも、基本的に公表していく。そういったことをもとに、第三者機関でチェックしていく考え方になっていると思う。
絵に描いた餅に終わることになってはならないので、市民の皆さん、行政、互いに意識をもっともっと高め、お互いの立場を尊重し、役割を認識して、一体となってまちづくりを進めていく。ご質問の点については、そういった第三者機関を作ってチェックしていくということだろうと思う。
 協働ということについては、古くから協働の概念に基づく活動は本当に多く行なわれており、自治会の活動もそうである。ただ、市民も行政もさらに意識をして、もっともっと活動を広めていくことが求められていくので、この条例はそれの本当に「芯」になろうと思う。大げさに言えば、協働のまちづくりの憲法みたいなものになるものだろうと思う。
【記 者】行政参加のところで、「総合計画など策定、変更」には市民の参加はこれまで全く機会はなかったのか。
【市 長】いや、これまでもそういう形でしている。これまでの総合計画だけで捉えると、市の方から審議会委員を一方通行で委嘱をし、審議いただくということだった。今は、いろんな審議会、委員会を作ったりする場合には、公募にかけて、市民の皆さんの自主的な意志で参加する道を採っている。委員の総数に足りない場合には、学識経験者とか活動されている方とかにお願いして組織し、審議していく。今はそうやっている。
【記 者】新しい制度を設けるとか、計画する場合には、住民と協働で進めていくということになるのか。
【市 長】そういったことも担保している。
【記 者】市の政策や意思決定過程に、どこまで住民が入っていけるのか。
【市 長】これまでは、議会に上げて、可決されれば市民にお知らせするというのが主だったが、市民の皆さんの暮らしに直結するような、影響のあるような施策については、事前に市民の皆さんに広く意見を求め、そういった手順を踏まえてから、最終的に議会にかけていく、そういったものの考え方で進めている。ここに定めていることは、その延長線上でもっとしっかりとおさえていくということを書いていると思っている。