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市政概要報告要旨(平成25年9月11日)

平成二十五年九月定例市議会にあたり、市政の概要について申し上げます。

環日本海交流について

環日本海国際フェリーは就航以来四年二カ月が経過し、この間安定運航が続き、航路に対する信頼感も一層高まってまいりました。本年七月末までに境港・東海間を二百六十三往復運航し、延べ十万八千人を超える旅客が往来しております。また、貨物につきましては、昨年開催されたウラジオストク市でのAPEC終了後、需要が減少したことなどにより、七月末現在で航路全体では前年同期に比べ減少しているものの、境港・東海間においてはパプリカなどが安定して輸入されており増加傾向にあります。
この航路を市民の皆様にさらに身近に感じてもらうため、市報六月号に特集記事を掲載し、七月には小学生とその家族を対象にイースタンドリーム号の船内見学会を行ったところであります。
 また、八月には、航路を活用して、市内の少年サッカーチームが東海市とウラジオストク市を訪問し、両地域の子どもたちとサッカー交流を行いました。そのほか、市内在住の大学生が、ウラジオストク市で開催された「国際青少年フェスティバル」に参加し、集まった学生たちと、ディスカッションや研究発表を通じ交流を深めるなど、航路の寄港地間の青少年交流も活発化しております。
引き続き、国際フェリー航路に対する市民の方々の関心を高め、市民レベルの交流の促進に取り組んでまいります。

ウラジオストク市で七月に開催された「第十九回環日本海拠点都市会議」では、「観光・物流の活性化に向けた環日本海における航海・航空路線の発展」について意見交換を行い、既存航路の活用、会員各都市間の活発な情報交換、税関等関係各所への働きかけによる航路のより良い環境づくりを、促進することについて合意したところです。
なお、中国琿春市との友好都市提携二十周年を記念して計画していた、チャーター便による琿春市への訪問及び各種市民交流などの大規模な記念事業は、受入の体制が整わないため中止となりました。現在十月に予定しております両市行政及び関係者による記念式典の開催に向け調整しているところです。


観光振興について

本年の「水木しげるロード」の観光入込客数は、出雲大社の遷宮、松江自動車道の開通などの効果もあり、八月末現在、対前年比百一%百九十四万九千人と、本年の目標である二百五十万人突破に向け、好調に推移しており、「水木しげる記念館」の入館者数につきましても、対前年比百五%と同様に好調を維持しているところです。
七月二十一日には、水木しげるロード誕生二十周年を祝い、関係者の皆様と盛大に記念式典を開催するとともに、今後の更なる発展に向けての連携・協力を確認しました。 
水木しげるロード振興会では、七月と八月に夜のイベント「妖怪そぞろ歩き」を開催され、多くのお客様に楽しんでいただいたと伺っております。その際、「水木しげる記念館」も夏休み開館時間をさらに延長し、昨年から行われている「ブロンズ像のライトアップ事業」とあわせ、「境港市観光振興プラン」の重点施策に掲げております「夜の水木しげるロードの仕掛け」が、順調に進捗しているものと感じたところであります。 
本年、境港に寄港したクルーズ客船は、八月末現在で十一回を数え、約七千人のお客様が、山陰両県の観光地などを訪れました。境港管理組合をはじめ、山陰両県、中海・宍道湖・大山圏域市長会などの関係者の皆様と一丸となって歓迎行事を行うとともに、本市におきましても無料シャトルバスを運行するなど、おもてなしの充実・強化に取り組んでいるところです。
 一方、七月から八月にかけて、香港からのチャーター便が合計二十四往復運航され、約三千三百人のお客様が「米子鬼太郎空港」を訪れました。香港でも水木しげる先生の作品の人気は高く、全てのツアーコースに「水木しげるロードの観光」、「鬼太郎列車への乗車」が組み込まれており、大いに楽しんでいただきました。
この期間中は、鳥取県、境港市観光協会と協力し、毎日、十体のきぐるみによる境港らしいおもてなしを実施するなど、来年以降の運航継続に向け、本市の魅力を伝えたところであります。

ホテル誘致について

ホテル誘致につきましては、これまで事業者と継続的に交渉を進めてまいりましたが、八月十二日にホテル事業を運営する株式会社共立メンテナンス及び建物を建設所有する三菱UFJリース株式会社とホテル事業についての協定を締結し、本市への進出が正式に決定したところです。
ホテルは、水木しげるロードの西端にあたるJR境港駅前に、鉄筋コンクリート十二階建て、延べ六千二百七十一平方メートル・客室数二百室で建設され、天然温泉の大浴場やレストランを備え、平成二十六年一月着工、平成二十七年五月の本格開業が予定されております。市では事業者に対し、条例に基づき設備投資や新規雇用に対する支援を行うこととしています。
ホテル誘致に長年取り組んでまいりました本市にとりまして、この度の進出は大変喜ばしい出来事であり、通過型観光地から滞在型観光地への転換が図られるとともに、本市に新たな活力を与え、観光振興、経済活性化、雇用拡大につながるものと期待しております。

商工業について

「弓浜絣」産地維持対策につきましては、鳥取県弓浜絣協同組合が弓浜絣振興計画に基づき、平成二十二年度から第二期後継者育成事業に取り組んでまいりましたが、八月三十一日をもちまして、二期生三人が晴れて研修を修了されました。三人とも県内での起業を予定されており、弓浜絣の伝統の継承と絣産業の活性化につながるものと期待しております。
今後も、鳥取県弓浜絣協同組合と事業者の取り組みを国、県とともにしっかりと支援してまいります。

水産業について

平成二十五年上半期の境漁港における水揚量は、マイワシの豊漁もあり六万四千トン余で、対前年比百六%、水揚金額に関しましても八十七億円余で百十一%と、いずれも前年を上回っている状況であります。
クロマグロの水揚量も千三百トン余、水揚金額は十三億九千万円余で、いずれも前年の約二倍と好調に推移しました。七月七日には「境港天然本マグロPR推進協議会」による第三回まぐろ感謝祭が開催され、境港に水揚げされたクロマグロを広くPRするとともに、資源管理への積極的な取り組み姿勢やマグロ資源を大切に利活用していることなどを産地から全国に発信していく取り組みが行われました。
水産業を取り巻く状況は、資源の減少、魚価の低迷、燃油高騰、漁業就業者の減少と高齢化など様々な課題を抱えておりますが、漁業就業者対策においては、本年度は十四人が企業等で漁船員として新たに雇用され研修が行われているほか、新規漁業就業者の沿岸漁業の経営開始に協力する漁業協同組合を、鳥取県とともに支援しており、現在のところ四人を対象に事業を実施しているところです。
「育てる漁業」として、美保湾で行われているギンザケ海面養殖漁業とヒラメの放流事業の取り組みは二年目を迎え、ギンザケの養殖につきましては、三月から六月に「境港サーモン」として昨年の四倍に当たる四百七十一トンが出荷されました。また、ヒラメの放流につきましては、六月に稚魚を三万二千尾放流し、昨年に引き続き回収率の調査を行っており、事業化の可能性について検証をしております。

境漁港におきましては、産地間競争に打ち勝ち、消費者に信頼される安全・安心な市場を目指し、本年三月に取りまとめられた「さかいみなと漁港・市場活性化ビジョン」に基づき、高度衛生管理型市場の整備を推進するため、水産庁直轄で調査が進められております。
また、境港水産加工汚水処理場改築事業につきましては、七月に実施設計を発注したところであり、来年工事に着手することとしております。
本市が誇る水産加工品等を全国にPRするため、四月に開催された「食博覧会・大阪」に水産加工大賞に入賞した四業者が出店を行ったほか、八月に開催された「シーフードショー・東京」では、境港水産振興協会と連携し、新たな販路開拓、付加価値向上を目指す取り組みへの支援を行ったところです。
そのほか、第五回境港市水産加工大賞を受賞した「イカカツ」が境港代表として、七月に苫小牧市で開催された「第三回みなとオアシスSea級グルメ全国大会」に参加し、優秀賞に選ばれ、境港の食が全国に認められたところです。
また、魚食普及の新たな取り組みとして、五月から毎月一回「さかいみなと中野港漁村市」が開催され、沿岸漁業基地・中野港で揚がる魚の周知とブランド化が進められております。


農業について

耕作放棄地の解消につきまして、本年度は、農林水産省により、国営中海土地改良事業で生じた残土を活用する農地再生事業を第二中学校の北東に位置する産業中央線沿いの湿田において取り組んでいただいており、十一月中に完了する予定と伺っております。
この再生事業により、約一・六ヘクタールの湿田が、本市の特産白ねぎをはじめとする野菜の生産地として生まれ変わることとなります。

港湾整備について

国土交通省の先導的官民連携支援事業として六月に採択された「境港におけるみなとを核とした官民連携事業」について協議する二回目の検討委員会が八月三十日に開催されました。
この検討委員会は、鳥取県、境港管理組合、本市などが国に事業化を要望している竹内南地区の貨客船ターミナルの機能や賑わいづくりなどについて検討するもので、観光団体、経済団体、水産団体、関係行政機関などの委員で構成され、年度内に基本計画を取りまとめ、貨客船ターミナルの事業採択に向けて国に働きかけていくこととしております。
また、取扱い貨物の増加や船舶の大型化などにより、ふ頭用地や岸壁が不足していることから、国の直轄事業として工事が進められております「中野地区国際物流ターミナル整備事業」につきましては、埋め立て手続きなどを終え、平成二十八年度の完成を目標に本年十月より本格的に岸壁工事に着手されると伺っております。
境港管理組合では、中国地方と北陸地域、北海道との物流の促進と効率化を目的に、境港と新潟港、苫小牧港を結ぶRORO船による試験輸送を四月と八月に実施されました。
この試験輸送に当たり、私も七月に北海道を訪ね、船主である栗林商船株式会社に航路開設を改めて要望したほか、苫小牧市長へ協力依頼と企業への貨物確保をお願いしてまいりました。
この試験輸送は秋にも計画されており、コストや所要時間等を検証しながら、境港と北陸地域、北海道を結ぶ「新たな海の道」の開設に向けて境港管理組合とともに取り組んでまいりたいと考えております。
境港の機能の充実は、「中海・宍道湖・大山圏域」の発展や振興に欠くことのできないものであり、本市の役割として、引き続き港湾整備の促進や利用拡大に取り組んでまいります。

夕日ヶ丘団地の市街化促進について

夕日ヶ丘団地は、平成十一年に分譲を開始してから今年で十五年になります。この間、景気の低迷や民有地との価格差などから分譲が進まない時期もありましたが、平成二十一年度に定期借地制度を導入してからは二十代、三十代の子育て世代を中心に、多くの方がこの制度を利用してマイホームを建築され、また、民有地にも住宅やアパートが建ち並び、現在では約四百七十世帯、千四百人の方がお住まいになっております。
定期借地の契約状況は、平成二十四年度は二十八件でしたが、本年度は八月末現在で十三件の契約が成立し、商談中の案件も約二十件を数えるなど、順調に推移しており、この制度を導入してからの契約件数は百五件となっております。
引き続き、テレビ・ラジオ、ホームページ、新聞折込チラシ等によるPRのほか、コンビニエンスストアに続く商業施設や利便施設の誘致にも取り組んでまいります。
また、土地開発公社の銀行等からの有利子借入は、市基金からの無利子貸付の増額や土地の売却収入などにより、年度当初の五億円から十月にはゼロになるものと見込んでおり、土地開発公社の財政面において一定の改善が図れたものと考えております。

防災対策について

原子力災害対策につきましては、三月に策定した広域住民避難計画の周知を図るため、七月中旬から八月上旬にかけて、各地区の公民館などで説明会を開催し、二百二十四人のご参加をいただきました。
また、八月十八日には、鳥取県並びに米子市と共催で「原子力防災講演会」を本市文化ホールで開催し、鳥取県原子力防災専門家会議の委員である大分県立看護科学大学の甲斐 倫明(かい みちあき)教授から、放射線防護や被ばくと健康リスクについて、ご講演をいただいたところであります。今後は、鳥取・島根両県が合同で実施している避難時間推計シミュレーションの結果や、十一月に予定されている鳥取・島根両県と関係六市が合同で実施する原子力防災訓練を踏まえての課題を、避難計画に反映してまいりたいと考えております。
地域防災の取り組みにつきましては、本年度、自主防災会が新たに二団体設立され、組織率は五十二・五パーセントとなっておりますが、さらなる組織率向上を目指して、自治会の会合などに職員が出向き、自主防災会の意義、市の支援策等を説明し、組織設立の促進を図ります。
また、今月二十二日には市民会館において、東日本大震災で「釜石の奇跡」を導いた群馬大学の片田敏孝(かただ としたか)教授をお招きして、大津波から命を守りぬいた釜石市の児童・生徒の行動や防災教育についてご講演をいただきます。多くの市民の皆様にご参加いただきたいと考えております。

教育環境の整備について

昨年九月に着工しました第二中学校の改築工事は、周辺住民の皆様のご理解とご協力をいただきながら順調に進捗し、今月二十七日に竣工式を迎える運びとなりました。
新校舎の内装には、本市が日南町阿毘縁に所有する市民の山に昭和五十八年から六十三年にかけて当時の小学生が植林した杉材を使用しております。
当日は、学校公開日としますので、保護者や地域の皆様に多数お越しいただき生徒の様子や新校舎をご覧いただきたいと思っております。
第三中学校の冷暖房設備改修も十一月の完成に向け順調に進捗しております。整備を終えますと、年次的に進めてまいりました小・中学校の耐震改修と冷暖房設備改修が完了します。
また、給食センターにつきましては七月に用地取得を終え、実施設計に取りかかる予定としております。

社会教育について

市民会館の開館四十周年を記念して七月七日に開催しました「NHKのど自慢」では、予選会で選ばれた二十組による歌声とともに、本市のマグロや水木しげるロードの映像などが全国に向けて放送され、本市の魅力が発信できたものと考えております。また、予選会、本選ともに観覧者は千人を超え、市民をはじめとする多くの皆様にお楽しみいただきました。
社会教育施設の整備につきましては、現在、境公民館で周辺住民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、耐震改修工事を実施しており、十月上旬頃には完成する予定となっております。残る公民館につきましても、年次的に耐震対策を実施してまいりたいと考えています。市民会館については、今後の利用における安全性を確認するため、ホール及び会議室などの耐震診断を実施しており、今後、診断結果等を踏まえ対応を検討してまいりたいと考えております。


子育て支援について

本年四月から、保育所保育料について、平成十九年度以来となる大幅な引き下げを実施し、子育て世代の経済的負担の軽減を図っているところであります。これにより、公立私立を含めた保育所入所児童の約七十五%が減額となっております。
あわせて幼稚園保育料につきましても、就園奨励費補助金として、国庫補助の対象とならない二歳児について市の単独補助を実施し、現在までに二十一人の児童に補助を拡大しております。
また、保育園児たちが本格的な演劇や歌など、生の舞台を体感できるアートスタート事業を開始しました。
小劇団が園を訪問し、演劇などの公演を通して、子どもたちの五感を刺激し、感性を育み、心の成長を手助けする事業であり、市内の三歳以上のすべての保育園児・幼稚園児に鑑賞する機会を設けることとしております。
七月に一園目を実施し、大変好評を得ており、今後、十月から十一月にかけて順次別の園で実施を予定しております。


風しん予防接種費助成について

全国的に、二十代から四十代を中心に風しん患者が増加している状況の中、本年三月以降鳥取県内でも患者の発生がみられました。
風しんウイルスに妊婦が感染すると、生まれてくる子どもに先天性風しん症候群の発症が懸念されることから、本市では六月一日から、十九歳以上五十歳未満の妊娠を希望する女性と妊婦の夫を対象に、上限八千円の風しん予防接種費助成を開始しました。七月接種分までで百四十四件の助成を行ったところであります。


以上、市政の概要についてご報告申し上げましたが、議員並びに市民各位の格段のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。