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施政方針要旨(平成25年3月1日)

今期定例市議会において、平成二十五年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考え方を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。

本市は、将来都市像として「環日本海オアシス都市」を掲げております。これは、対岸諸国を含め、日本海を取り巻く地域を俯瞰しつつ、本市が砂漠の中のオアシスのように人や物が寄り集まり活気にあふれ、誰もが心豊かに安心して暮らせるまちをイメージしたものであります。

私は、これまでの様々な取り組みにより将来都市像の実現に向け着実に進展していると感じておりますが、本年はさらなる歩みを進める年にしたいと考えており、外に向けても内に向けても全力を挙げ取り組んでまいる所存であります。

まず外に向けては、本格的な環日本海交流時代を迎え、日本海側拠点港「境港」や国際空港「米子鬼太郎空港」を軸に対岸諸国との交流を促進し圏域の活性化に努めてまいります。
「中海・宍道湖・大山圏域市長会」の中で本市が果たす役割は、この海と空の港に一層磨きをかけていくことであると考えており、新政権において取り組まれる「国土強靭化計画」や「日本海国土軸構想」を注視するとともに、これらの社会基盤を圏域共有の財産としてさらなる活用を図ってまいります。

内に向けては、「境港市に住んでよかった」と評価をしていただけるように、生活に直結した施策の充実に努めてまいります。

特に子育て支援につきましては、これまでも重点的に取り組んでまいりましたが、従来の施策をさらに高めながら子育て世代のニーズに沿った新たな施策を打ち出し、周辺自治体との差別化を図るとともに定住促進にもつなげてまいりたいと考えております。

このほか、快適な生活を支える下水道や道路側溝など生活基盤の整備についても規律ある財政運営のもと着実に進めるとともに、防災対策などの喫緊課題にも適切に対応してまいります。

私は、市長就任以来掲げております「公明正大な市政 市民と共に築く風格あるまち」の理念のもと、産業基盤の整備による活気の創出と、市民の安心で快適な生活環境の整備を総合的に進め、将来都市像の実現にまい進してまいります。

一.規律ある行財政運営と協働の推進

平成二十五年度予算案について
本市では、将来にわたって自立・持続可能な財政基盤の確立を目指し、総人件費の抑制や経常的経費の節減合理化に取り組むとともに、投資的事業を厳選することによって、極力市債の発行額を抑え、将来負担となる公債費の削減に取り組んでまいりました。
その結果、後年度に国から全額が財政措置される臨時財政対策債を除いた平成二十三年度末の市債残高はピーク時の半分以下に減少し、償還額である公債費も平成二十一年度から減少し続けるなど、大きな成果として現れてきているところであります。
しかしながら一方では、市税収入の増加が見込めないことや、地方交付税の減額も予想される中にあって、社会保障関係経費の自然増など、圧縮することのできない経費が増大していく状況に加え、既存施設の耐震化やリニューアル改修を順次実施していく必要があることから、今後しばらくは市債の借り入れや基金の取り崩しに頼らざるを得ない期間が続くであろうと考えております。
このような状況の中、平成二十五年度予算の編成にあたりましては、真に必要な施策の取捨選択を基本に取り組むとともに、国の緊急経済対策としての補正予算を活用し、一部の公共事業を平成二十四年度に前倒しして実施するなど、平成二十四年度三月補正予算と一体的に編成したところであります。
主な内容としましては、引き続き経費全般の節減合理化に努めるとともに、現状の市民生活に密着したサービスの堅持や、市民福祉の向上、地域の活性化を図る諸施策には時機を逸することのない対応に最大限配慮して編成しました。
とりわけ子育て支援施策につきましては、平成十九年度に続き二回目となる保育料の大幅な引き下げなど、さらなる充実に向け重点的に財源配分を行ったところであります。

○協働のまちづくりの推進について
私は「自分たちの住むまちは自分たちで考え、自分たちで創り上げていく」ことが、まちづくりの原点であると常々申し上げており、市民、市民活動団体、事業者などと行政が、役割と責任を担い、連携・協力しながらより良いまちを創り上げていく「協働のまちづくり」を提唱しているところであります。
現在、まちづくりの様々な場面で協働の取り組みが展開されているところですが、本年度は、これまで外江地区で行われていた「ケヤキ並木の清掃活動」が、新たに渡地区でも行われるようになりました。このようにひとつの事例が手本となって取り組みが拡がっていくことは、私の理想とするところであります。
本格的な地方分権時代を迎え、地方自治体は自らの責任でまちづくりを進めることが求められる中にあって、協働や市民の行政参加の取り組みは、これからのまちづくりの基本的な姿勢として、常に心がけていく必要があると考えておりますので、今後も引き続き取り組みを推進してまいりたいと考えております。

二.経済の活性化と都市基盤整備

○中海・宍道湖・大山圏域の連携について
本市が発展していくためには、近隣自治体とのより広域的な連携強化が重要であると考えます。
本年度から、従来の「中海市長会」に出雲市と鳥取県西部の町村が加わった「中海・宍道湖・大山圏域市長会」が発足しておりますが、この新たな枠組みによる圏域は、空港、港湾といった恵まれた社会基盤、豊かな観光資源や自然環境に加えて、日本海側でも有数の人口、産業規模を有しております。
これらの資源や優位性を有効に活用し、本圏域が連携して一体的に発展していくためには、圏域内で活動する住民、各種団体、企業、行政など全てに共通する目標や方向性が必要であるとの思いから、市長会では、圏域振興の指針として「中海・宍道湖・大山圏域振興ビジョン」を今月中にとりまとめることとしております。
本ビジョンでは、圏域の発展に向けて、産業振興、観光振興、定住促進、連携と協働の視点から四つの基本方向を示すこととしております。今後、圏域の一体感の醸成に努めるとともに、「連携と共栄」に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

○環日本海交流の推進について
世界的に景気が低迷する厳しい状況の中、運航会社の英断により開設された環日本海国際フェリー航路は、当圏域の発展に欠かすことのできない極めて重要な「海の道」であることから、航路の安定化を図るため鳥取県や「中海・宍道湖・大山圏域市長会」と協調して、運航支援を行ってまいりました。
その成果として、開設以来安定運航が続けられ、延べ九万人を超える旅客が境港・東海間を往来し、また、懸案であった日韓間の貨物も増加傾向が続くなど、この圏域に大きな経済効果をもたらしているところです。
運航会社におかれましては、徹底した経営改善に加え、本航路を基軸に国内外のフェリーやRORO船を連結した、小口貨物のダイレクト輸送の実施のほか中国東北部との新たな物流ルートの開拓計画を進めるなど、この圏域企業の海外展開につながる取り組みを行い、さらなる航路の安定化に向け、努力を続けておられます。
燃料の高騰に加え、競合航路開設の動きもあるなど新たな課題も生じておりますが、この航路は、当圏域に不可欠な共有の財産であるとの認識のもと、鳥取県や「中海・宍道湖・大山圏域市長会」と協調して、さらに一年間の支援を継続してまいりたいと考えております。

「米子―ソウル便」につきましては、昨年十二月の搭乗率が三十九・五%と、就航以来、三番目に低い数値となり、路線を維持していく上で非常に厳しい状況となっております。
これを受け、山陰国際観光協議会では、パスポート取得支援やグループ旅行の支援を強化するなど需要の喚起に向けた様々な緊急対策を実施し、二月の搭乗率は、二月十九日現在七十%が見込まれております。
北東アジアに向けたゲートウェイを目指す本市におきましても、山陰地方唯一の国際定期航空路線である「米子―ソウル便」に対して、引き続き、関係機関と連携を図り、安定運航に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。

琿春市との交流につきましては、平成五年十月の友好都市提携以来、これまで国際交流員を招へいし、市民団体が行う中国語講座への支援のほか、市職員の琿春市への派遣、木材加工をはじめとする技能実習生の受け入れや少年サッカーチームの相互派遣など、様々な分野で交流を重ね友好を育んでまいりました。
本年は友好都市提携二十周年という記念すべき年に当たることから、公式訪問団に加え市民の皆様とともに、米子鬼太郎空港からのチャーター便で琿春市を訪れることとしております。記念式典を開催し、二十年間という長きにわたる交流を祝うとともに、文化やスポーツを通して市民同士の交流を行いたいと考えております。
今後も末永く友好関係を続けるために、また、両市がますます発展するために、さらなる交流の促進を図ってまいります。

○観光振興について
全国的な観光地へと成長した「水木しげるロード」の賑わいを継続させるため、観光振興プランに沿った新たな施策を積極的に展開してまいります。

従来の「妖怪ガイドブック」を使用したスタンプラリーに加え、近年急速に普及が進んでいる「スマートフォン」を活用した「水木しげるロードデジタルスタンプラリー事業」の実施や、妖怪に関する講話を通じて、子どもたちが社会や道徳について学ぶとともに、「妖怪のまち境港」の文化を次世代に伝承していくことを目的とした「妖怪文化伝承事業」に取り組むこととしております。
本年は、「水木しげるロード」誕生二十周年の節目の年であり境港市観光協会、水木しげるロード振興会など関係団体と連携し、一丸となって観光振興に取り組んでまいりたいと考えております。

昨年、境港には、過去最多となるクルーズ客船が寄港しましたが、本年は昨年をさらに上回る寄港が見込まれております。
そのような中、平成二十五年度は、オプショナルツアーに参加されないお客様の二次交通手段の確保と、市内の観光施設などに立ち寄っていただくことを目的とした「クルーズ船観光客シャトルバス送迎事業」に取り組むこととしております。
また、境港管理組合を中心に組織する「境港クルーズ振興連絡会」では、引き続き、入港時の歓迎セレモニーを実施するなど、おもてなしの充実を図ってまいります。

広域観光連携につきましては、「松江自動車道」松江―三次間の開通による広島圏域とのさらなる交流人口の拡大が期待される中、「中海・宍道湖・大山圏域市長会」における連携をさらに密にし、圏域が一体となった情報発信等に取り組んでまいりたいと考えております。

○水産業の振興について
境漁港における平成二十四年の水揚量は、十一万四千トン余で、前年比二十三%減、水揚金額に関しましても百六十二億円余で前年比十六%減となりました。
水産業を取り巻く状況は、資源の減少、魚価の低迷、漁業就業者の減少と高齢化など様々な課題を抱えております。
このような状況の中、漁業就業者対策においては、漁船員として新たに雇用し研修事業を行う企業への助成を引き続き行うほか、平成二十五年度は、新規漁業就業者の沿岸漁業の経営開始に協力する漁業協同組合を、鳥取県とともに支援し、将来を担う漁業者の確保を図ってまいります。
また、「育てる漁業」として、美保湾で行われているギンザケ海面養殖漁業とヒラメの放流事業の取り組みに対し、引き続き支援してまいります。

さかいみなと漁港・市場活性化協議会においては、境漁港の活性化に向け、今後の市場の適正な整備や利用について、「漁港」、「市場」、「食と観光」の三つのワーキンググループにより幅広い検討が続けられております。その中で、産地間競争に打ち勝ち、消費者に信頼される安全・安心な市場を目指すためには、「高い衛生基準に対応した施設の整備が必要」との方向性が示され、平成二十五年度には高度衛生管理基本計画を国が策定し、整備に向け動き出すと伺っております。
市といたしましても国や鳥取県と連携して、漁港・市場の機能強化、観光との連携などにさらに力を注ぐとともに、境漁港が今後も我が国の中枢漁港として一層発展するために、可能な支援をしてまいりたいと考えております。

本市が誇る水産加工品の地元への周知と地域発のブランド化を目的とした「みんなで選ぶ境港の水産加工大賞」は、実行委員会の皆様のご尽力により五回目を迎えます。
市では、入賞した企業の中から代表する企業に対し、四年に一回開催される食博覧会・大阪などに出店するための費用を助成し、企業自らが水産加工品等の魅力を全国に情報発信するとともに、新たな販路拡大、付加価値向上を目指す取り組みを支援してまいります。

境港水産加工汚水処理場につきましては、劣化した管渠の一部が破損するなど施設の老朽化が進んでおります。本年度は基本設計を行い、平成二十五年度から本格的に施設の改修に着手する予定であり、水産加工業のさらなる振興と市場背後地の機能強化に取り組んでまいります。

○農業の振興について
本市の農業は、就業者の減少と高齢化により、生産量が減る傾向にあります。このため、農家や農業団体が行う特産野菜の生産面積拡大や担い手を育成する取り組みを支援する「弓浜農業未来づくりプロジェクト事業」など各種事業を国や鳥取県と連携しながら実施し、農家の所得向上、農業の活性化を図ってまいります。
また、耕作放棄地の再生にも引き続き取り組み、担い手農家への農地集積を促進してまいります。
さらに、新規就農者や企業参入につきましても、「企業等農業参入促進支援事業」等による支援を継続し、営農初期の負担軽減を図ってまいります。

「伯州綿」の栽培につきましては、境港市農業公社において、栽培サポーターの協力をいただきながら、二・六ヘクタールの作付けを予定しております。
全国的にも貴重な「伯州綿」を次の世代に伝えていく取り組みとして、商品開発、販路開拓のほか、市民の皆様がより一層身近なところで、一緒になって「伯州綿」を守り育てていけるよう、どなたでも入会できる「伯州綿友の会」を立ち上げることとしており、広く市民の皆様とともに「伯州綿」の今後について考えてまいりたいと思います。

○商工業の振興について
景気の低迷が続く中、本市の企業を取り巻く環境は厳しさを増しております。引き続き、国や鳥取県の金融政策と連携して制度融資の充実に努め、市内企業の経営を支援してまいります。
また、県内の厳しい雇用状況をふまえ、鳥取県雇用創造協議会が行う企業ニーズにあった人材育成研修を活用して、就職に結びつくように支援を続けてまいります。

企業誘致につきましては、国際定期航路を有する空港や港湾といった社会基盤をセールスポイントとして、鳥取県などの関係機関と連携を図りながら、市内への企業誘致を進め、地域経済の活性化、雇用創出に取り組んでまいります。

「弓浜絣」産地維持対策につきましては、鳥取県弓浜絣協同組合が、平成十九年度から弓浜絣振興計画により、後継者育成事業に取り組んでおられます。平成二十二年には一期生三人が起業しており、本年八月には、二期生三人が起業する予定と伺っております。
今後は、次期振興計画にもとづき、商品開発と販路開拓事業に取り組まれますが、本市といたしましても国、鳥取県とともに支援を行い、伝統的工芸品弓浜絣の伝承に努めてまいります。

○中海護岸整備について
中海護岸整備の一環として、国土交通省が実施する渡漁港の移設工事につきましては、用地取得の手続きが完了したことを受け、二月に、発注者である出雲河川事務所が、地元住民並びに関係者を対象にした工事説明会を開催されました。この中で、漁港整備の内容や、平成二十六年度の完成に向けた整備スケジュールについて説明されたところであります。
また、この事業にあわせて本市が取り組んでおります渡漁港周辺における内水排除対策及び市道整備につきましては、本年度、側溝改修等に一部着手したところであり、平成二十五年度からは、防災避難用の道路ともなる市道の工事に本格的に着手することとしております。
引き続き地元住民の皆様と調整を図りながら、国土交通省や鳥取県と連携し事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。

○港湾整備について
国による直轄事業として本年度事業着手された「中野地区国際物流ターミナル整備事業」につきましては、平成二十八年度の完成を目指し、順調に進捗していると伺っております。しかしながら、国内の木材需要の逼迫を背景に原木輸入が増加し、境港では恒常的に原木ストックヤードが不足する状況にあることから、国に対しできる限り早期の完成を引き続き求めてまいります。

昨年、境港は、クルーズ客船の寄港が本州の日本海側で第一位となりましたが、本年は、昨年を上回る寄港が予定されております。しかしながら、その接岸には、貨物ターミナルの利用が余儀なくされており、クルーズ客船寄港地として、専用岸壁の整備が急務となっております。
また、四月には、境港―新潟港―苫小牧港を結ぶ国内RORO船によるトライアル輸送が行われるなど境港を活用した貨客輸送は今後ますます活発化することが予想されます。「竹内南地区の貨客船ターミナル整備事業」につきましては、従来から要望活動を続けておりますが、このような状況をふまえ、一日も早い事業化に向け、港湾管理者である境港管理組合をはじめ周辺自治体並びに経済団体などとともに、国への要望をこれまで以上に積極的に行ってまいります。

○夕日ヶ丘団地の市街化促進について
夕日ヶ丘団地の分譲につきましては、二十代、三十代の子育て世代を中心に定期借地制度の利用が引き続き好調で、平成二十一年の導入以来一月末現在で八十八件の契約が成立しております。さらに、夕日ヶ丘二丁目を中心とした民有地にも八十件近い住宅が建築され、夕日ヶ丘団地全体では、約四百五十世帯・千三百人余の方が生活をされるなど市街化の形成が着実に進んでおります。
引き続きテレビ・ラジオ、ホームページ、雑誌によるPRなどを通じ、夕日ヶ丘団地の魅力と定期借地制度の周知に努めるとともに、コンビニエンスストアに続く商業・利便施設の誘致に積極的に取り組み、分譲促進を図ってまいります。

市民スポーツ広場の南に隣接する、墓地を併設した公園の整備につきましては、平成二十六年度の供用開始に向けて、公園整備と墓地の一部造成工事を実施いたします。
夕日ヶ丘団地西側には、親水公園・スポーツ広場・中浜港といった市民の皆様が憩い集える施設が連なっており、このたびの公園の整備により、夕日ヶ丘団地の魅力がさらに増すものと考えております。

○公共下水道事業について
平成二十五年度の下水道整備事業につきましては、JR境線周辺の境地区や上道町、中野町などで整備を進めるとともに、弥生地区小規模処理場の公共下水道への接続を予定しております。

これにより、平成二十五年度末の普及率は五十八%を見込んでおります。
第二中学校前の県道沿線では森岡町から西側へ向けて境港二号汚水幹線の築造工事に着手いたします。平成二十八年度までに幹線の整備を終え、その後渡地区への整備を進める計画としております。
下水道センターにつきましては、流入水量の増加に伴い、処理能力を引き上げる必要があることから、平成二十七年度までの完成を目標に増設工事に着手することとしております。
今後も、効率的な整備を行い、下水道の普及促進を図り、中海などの水質保全と快適な生活環境の確保に努めてまいりたいと考えております。


また、多量の水を使用する水産加工業等の製造業者に下水道接続を促し水環境の向上を図るため、下水道に接続するための水質基準の緩和を行うとともに使用料の減免制度を創設いたします。


○防災対策について
本市では、東日本大震災を教訓とした災害対策に、引き続き取り組んでいるところであります。
原子力災害対策においては、鳥取県、米子市とともに中国電力と締結しております安全協定について、所在地並みの内容となるように中国電力と協議を重ねており、今月中に回答をいただくことになっております。
一月二十六日には、鳥取・島根両県及び島根原子力発電所から三十キロ圏内の周辺自治体などで、原子力発電所事故を想定した訓練を昨年に続き実施しました。
この度の訓練は、住民避難訓練を中心に行い、本市でも百十名余の市民の方々にご参加いただきました。一時集結所からバスによる避難訓練、要援護者の避難訓練や放射能汚染の検査を行うスクリーニング訓練などを行い、事故発生時からの一連の流れを確認したところです。今後とも、継続した訓練を行い住民意識の向上など万一に備えてまいりたいと考えております。
また、二月十四日には、徳島県鳴門市と災害時相互応援協定を締結しました。大規模災害が発生した場合に、被災した市が応急対策及び復旧活動を円滑に実施できるように締結したもので、災害時の応急体制の強化を図りました。
災害発生時における業務継続計画は、一月に策定を終え、また、原子力災害対策編等の地域防災計画の見直しや広域避難計画につきましては、今月防災会議にお諮りする予定であります。今後は、具体的に必要な対策を整えるとともに、訓練等を通じ計画の実効性を高めてまいります。
このほか、防災行政無線の屋外子局の増設、各公民館へのリヤカー・担架など資機材の整備、市消防団第四分団の消防ポンプ自動車の更新などを行うこととしております。
市民の安全・安心の確保は、最優先の課題として認識しており、今後も万全を期してまいります。

○ごみ行政について
本市の可燃ごみにつきましては、昨年米子市クリーンセンターの地元自治会の合意を得て、平成二十八年度から、日吉津村並びに大山町の一部の可燃ごみとともに、米子市クリーンセンターで処理することとなりました。
米子市並びに地元自治会の皆様には改めまして感謝申し上げます。

米子市クリーンセンターへ搬入するための諸条件につきましては、米子市と協議を重ねておりますが、スムーズな移行となるよう、清掃センターの受け入れ体制や焼却施設の跡地利用など、ごみ処理計画の見直しを進めているところです。それとともに、処理委託を始めるまでに古紙類の分別の徹底や生ごみの分別回収の拡大など、さらなるごみの減量化を促進したいと考えております。
また、西部広域行政管理組合で焼却灰等の共同処理を実施しているエコスラグセンターや最終処分場のあり方についても、鳥取県西部の市町村が一体となって検討してまいります。

三.市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実

○学校教育の充実について
学校教育におきましては、平成二十五年度を教育改革元年と位置づけ、「いじめ・不登校対策」と「学力向上」を重点的に取り組んでまいります。
いじめ・不登校対策につきましては、「児童生徒の小さな心の変化」や「いじめや不登校の兆し」を早期に発見するため、心理検査ハイパーQUを行い、児童生徒一人ひとりの悩みや学級全体の課題に適切に対応し、いじめや不登校の未然防止と早期発見・早期対応に取り組んでまいります。
また、いじめを許さない心情を養うと同時に、学級活動等を通じて児童生徒の自立的活動の力を高めてまいります。
本市の課題でもあります学力向上につきましては、標準学力検査(CRT)を小学校五年生と中学校二年生で実施し、指導目標の到達状況を確認するとともに、教師の指導力向上へつなげてまいります。また、引き続き小中連携を推進するほか、小中学校に指導補助員を配置し、個々の学習のつまずきに寄り添った教育を実践してまいります。

第二中学校の改築工事と第三中学校の冷暖房設備改修につきましては、完成予定を第二中学校は八月、第三中学校は十一月としております。整備を終えますと、平成二十一年度から五カ年計画で取り組んでまいりました小中学校の耐震改修、冷暖房設備改修は全て終了いたします。
給食センターにつきましては、用地の取得と実施設計を行い、平成二十七年二学期からの稼働へ向けて準備を進めることとしております。

○社会教育について
生涯学習の推進につきましては、広く市民を対象とした学習はもとより、次代を担う子どもたちを地域全体で「見守り、育てる」活動の充実を図り、子育て世代の不安や悩みの解消に向けて、学習機会の提供、支援の充実に努めてまいります。

文化の振興につきましては、市民の自主的な活動を支援するとともに、気軽に芸術・文化に親しむ機会の提供や、地域の歴史を次世代に継承する活動などに努めてまいります。なお、市民会館におきましては、開館四十周年を記念して、七月に全国放送公開番組「NHKのど自慢」を開催することとしております。

体育の振興につきましては、地域の団体や体育振興会などと連携し、健康ウォークや体力テスト、各種スポーツ大会を開催し、生涯スポーツへの関心を高めることに努めてまいります。
また、平成二十二年から始まりましたロシア・韓国との駅伝交流事業に加え、少年サッカー交流など環日本海諸国とのスポーツ交流を通して、青少年の健全育成を目指してまいります。

社会教育施設につきましては、避難場所としての安全性確保や市民の利便性向上を目的に、余子公民館・市民会館の耐震診断や、境公民館の耐震改修工事などを行い、施設の整備・充実を図ってまいります。

○子育て支援の充実について
保育所保育料につきましては、平成十九年度に、主に三歳未満児の保育料が鳥取県西部で最も低くなるように引き下げましたが、平成二十五年度からは、近隣自治体の中でも保育料の安い松江市並みになるようさらに減額することとしております。あわせて、幼稚園保育料につきましても、就園奨励費補助金として、国の補助対象外となっている二歳児について市単独で補助することとし、子育て世代の経済的負担の一層の軽減を図ります。
四月からは、公立保育所二園を民間事業者に移管し、新しく外江保育園、あまりこ保育園としてスタートいたします。この移管にあわせて三歳未満児の入所定員を四十五人増やし、待機児童の解消を図ることとしております。
また、三歳以上児が演劇など生の舞台を楽しめる場を提供する「アートスタート事業」に新たに取り組むほか、平成二十七年度から始まる新たな保育所・幼稚園制度に向けて、保育ニーズの調査と、(仮称)地方版子ども・子育て会議を設置・開催し、市町村子ども・子育て支援計画の策定に取り掛かります。

予防接種につきましては、平成二十五年度からヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチンが定期予防接種に位置づけられますが、これまでと同様に全額を公費負担し、経済的な負担軽減を図るとともに、引き続き周知に努めてまいります。

このほか、地域子育て支援センターをはじめとする地域での子育て支援、ブックスタートなど親子関係づくりの支援に加え、チャイルドシートの購入費助成や赤ちゃんの乗車を知らせるセーフティサインの配布、伯州綿おくるみプレゼント、学校通学路整備などに取り組み、「子育てするなら境港」と思っていただけるよう、子ども・子育て関連施策を全庁的に進めてまいります。

○障がい者福祉の充実について
本年四月から、「障害者自立支援法」に代って「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」が施行されます。
新しい法においては、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」ことなどが基本理念とされ、本市におきましても、障がいのある方が、地域の中で安心して暮らしていけるように日常生活や生活訓練などを支援してまいります。
また、地域生活支援事業を通じて障がいのある方のコミュニケーションを確保するために、手話奉仕員や点訳・朗読奉仕員の養成のほか、判断能力が不十分な方の権利を擁護するため市民後見人養成にも取り組むこととしています。
引き続き、障がいのある方やそのご家族の声に耳を傾けながら、鳥取県西部障害者自立支援協議会の中で地域での課題を共有し、就労支援をはじめ、相談体制の充実、社会参加の促進に努めるなど障がい者福祉の充実に努めてまいります。

○高齢者福祉の充実について
六十五歳以上の方の人口に占める割合を示す本市の高齢化率は二十七%を超え、他の多くの地域と同様に高齢化が進んでおります。そのような中にあって、市民がともに支え合う地域づくりや高齢者が社会活動に積極的に参加できる仕組みづくりを通して、住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
また、高齢者の処遇困難事例や権利擁護に関する相談件数が増加していることから、西部後見サポートセンターや地域包括支援センターと連携しながら、相談体制の充実に努めます。
介護保険につきましては、制度の安定的な運営に努めるとともに、第五期介護保険事業計画に沿って、地域密着型介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の整備を進めてまいります。

○市民の健康づくりについて
十四年連続で三万人を超えていた全国での自殺者は、昨年三万人を下回りましたが、依然として多くの人が亡くなっているという状況に変わりはなく、「こころの病気」への対応はますます重要となっております。
自殺対策緊急強化事業につきましては、うつ病対策として啓発を中心とした取り組みを実施しているところですが、これまでのように大人だけでなく、子どものころからの対応も必要であると考えており、現在、教育現場や福祉現場などとともに、「いのちとこころのプロジェクト」を立ち上げ、小学校六年生へのアンケート調査結果などをもとに、対策を検討しているところです。

がん検診につきましては、本市の受診率は依然として低い状況となっております。健康な時から、毎年継続してがん検診を受診することが、がんの早期発見・早期治療につながることから、引き続き受診券の個別送付や啓発活動を行い、受診率の向上に取り組んでまいります。
また、五歳刻みの一定年齢の方を対象に、乳がん検診、子宮頸がん検診、大腸がん検診の無料クーポン券発行も継続して実施し、がん検診の受診促進を図ってまいります。


以上、本市を取り巻く状況並びに平成二十五年度に臨む市政運営の基本的考え方について、その概要を申し述べました。
 具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。