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市政概要報告要旨(平成24年12月5日)

 平成二十四年十二月定例市議会にあたり、市政の概要について申し上げます。

平成二十四年度の財政見通しについて

 歳入について申し上げます。
自主財源の根幹をなす市税収入では、評価替えの影響などにより固定資産税の減収が見込まれるものの、法人市民税収入が好調に推移し、総額としては、予算額をいくらか上回る見通しであります。
また、普通交付税が当初予算額を約四千万円上回る三十二億九千万円余の決定額となったことから、国庫支出金などの歳出に連動する収入を除くいわゆる一般財源ベースでとらえますと、予算額を確保できるものと見込んでおります。

一方、歳出につきましては、これらの収入状況を背景に、予定しております諸事業は、概ね順調に実施できるものと考えております。

平成二十五年度予算編成方針について

本市では、これまで総人件費の抑制や経常的経費の節減合理化に取り組むとともに、投資的事業を厳選することによって、極力、市債の発行額を抑えてまいりました。
その結果、後年度に国から全額が財政措置される臨時財政対策債を除いた平成二十三年度末の市債残高はピーク時の半分以下に減少し、償還額である公債費も平成二十一年度から減少し続けるなど、大きな成果として現れてきているところであります。

しかしながら、全国の多くの自治体同様に、市税収入や地方交付税など一般財源の大幅な増収が見込めない中、社会保障関係経費の自然増など、圧縮することができない経費が増大していく状況に加え、既存施設の耐震化やリニューアル改修を順次実施していく必要があることから、今後しばらくは市債の借り入れや基金の取り崩しに頼らざるを得ない厳しい予算編成が続くと考えております。

このため、平成二十五年度の予算編成は、「自立・持続可能な財政基盤の確立」と「市民サービスの維持向上」の両立を基本方針として、既存経費の圧縮など歳出全般の効率化や真に必要な施策の取捨選択を徹底することにより、できる限り歳入規模に見合った歳出規模への圧縮を図り、市債の借り入れや基金の取り崩しの抑制に努めてまいります。しかしながら、このような中にあっても、子育て支援施策のさらなる充実や市民生活に密着したサービスの堅持、喫緊課題への時機を捉えた対応など、市民福祉の向上や地域の活性化につながる予算を編成していく考えであります。

連携強化による一体的発展について

これまでの中海市長会に出雲市と鳥取県西部の町村を加え発足した「中海・宍道湖・大山圏域市長会」では、空港や港湾といった社会基盤に加え、観光資源や豊かな自然環境など、この圏域の特色や魅力を生かしながら、観光・産業・環境の三分野を中心に連携事業に取り組んでいるところです。
本年度は、引き続き、環日本海国際フェリーの運航支援やロシアで事業展開する企業の支援を行っているほか、周遊マップの作成、観光データの収集、小学生を対象とした環境学習などを実施しております。
また、年度内を目途に、新たな枠組みによる圏域の振興ビジョン策定にも取り組んでおり、圏域振興の提言を受けるため、本圏域で広域的に活動する団体などを対象に、ヒアリングやアンケートを実施しました。

このほか、結婚支援事業につきましては、安来市と昨年度に引き続き未婚の男女の親による交流会を九月と十一月に開催したことに加え、本年度は新たに独身者同士の交流会を松江市とともに十月に開催したところであります。

新市長会の発足に伴い新たな枠組みとなったこの圏域は、日本海側でも有数の人口や経済規模など高いポテンシャルを備えております。この圏域でめざすべき方向を共有し連携することによって「北東アジアに向けた西日本のゲートウェイ」としての歩みを着実に進めるとともに圏域の一体的発展に努めてまいりたいと考えております。

環日本海交流について

環日本海国際フェリーは、就航から三年五カ月あまりが経過しました。長引く景気の低迷など大変厳しい状況の中にあっても、安定運航が続けられており、航路に対する信頼感も一層高まっているところであります。

航路を活用した交流につきましては、二〇〇九年十月に東海市、ウラジオストク市と本市の間で三市協力計画を結び、行政、教育、文化、スポーツ等多方面にわたる交流を進めてまいりましたが、さらなる交流活性化を両市に呼びかけ、計画の期限を三年間延長いたしました。

十月五日、六日には、韓国・束草市において第十八回環日本海拠点都市会議が開催され、会員都市間の物流・交流の活性化方策について意見交換を行いました。
私はかねてより、「青少年に対する国際交流の機会創出は、個人にとっても、圏域にとっても将来様々な分野で役に立つ」と申し上げておりますが、このたび提案した会員都市間の学生交流の継続についても、参加都市に賛同をいただき、「束草宣言文」に盛り込まれたところであります。

また、十月末には友好都市である中国・琿春市へ職員を派遣して、来年度に控えた友好都市提携二十周年事業について意見を交わし、実施に向け引き続き協議していくことを確認いたしました。

観光振興について

「水木しげるロード」の観光入込客数は、十一月末で二百五十八万人を超え、本年の目標である二百七十万人に迫ってまいりました。
また、「水木しげる記念館」の入館者数は、十月二十二日に累計で二百五十万人を突破しました。当日は、セレモニーを開催し、入館者や関係者とともに記録達成を祝ったところであります。

鳥取県の本年度重点事業である「国際まんが博」の閉幕式が、十一月二十五日に市民会館で開催され、本市もこれにあわせ、「水木しげるロード」において、妖怪パレードや「国際まんが博」ならではの「鬼太郎」と「コナン」共演による紅白餅まきなど、閉幕関連イベントを盛大に実施したところであります。
また、「閉幕は終了ではなく、次のステップへの一区切りである」という考えのもと、翌日には、「境港市観光振興プラン」の重点施策として準備を進めておりました「鬼太郎の家」のブロンズ像が完成し、お披露目を行ったところであります。現在、境港市観光協会が進めております「スポンサーブロンズ像」の設置とあわせて「水木しげるロード」の新たな魅力となっていくものと考えております。

また、妖怪とならび本市の代表的な観光資源であります魚を活用した観光振興につきましては、民間団体の皆様による取り組みが進められております。
九月には、水木しげるロードでベニズワイガニ漁の解禁にあわせ試食会が行われ、観光客の皆様に大変好評であったと伺っております。さらに十月には、福島県で開催されたSEA級グルメ全国大会において白イカを使った料理の出品と観光ピーアールが行われたほか、先月には、地元水産物を使った料理の試食会が開催され、食と観光を連携させたポスターのお披露目も行われました。
民間の皆様が主体となり積極的に取り組まれるこのような活動に支援をしてまいりますとともに、さらなる広がりを期待しているところであります。

クルーズ客船誘致による観光振興につきましては、本年の寄港実績が十六回に上り、境港は本州の日本海側で第一位となりました。延べ九千人に近い乗船客が、水木しげるロードをはじめとした中海・宍道湖・大山圏域の観光を楽しまれ、大きな効果を生み出したものと考えております。
また、十一月七日に設立されたクルーズ振興のための全国組織である「全国クルーズ活性化会議」への参加を、いち早く決定したことに加え、舞鶴・伏木富山・小樽の三港で設立された「環日本海クルーズ推進協議会」へも来年度からの参加を決めるなど、関係機関と連携してクルーズ客船寄港の環境整備を進めているところであります。

今後とも、鳥取県をはじめとする関係機関と一層の連携を図り、「さかなと鬼太郎のまち境港」を全国に情報発信し、さらなる賑わいの創出に努めてまいります。

水産業について

境漁港における水揚量は十一月下旬に、十万トンを突破したところですが、水揚量・水揚金額ともに前年同期の八十%程度にとどまっているところであります。

このような中、「つくり育てる漁業」として取り組みを始めた美保湾のギンザケ養殖につきましては、五月に百十二トンが出荷され、市場関係者からは「ギンザケの状態もよく、美保湾は養殖場として適している」との評価をいただきました。本年度は規模を拡大し、七百トンの出荷を目指すこととしており、十一月下旬には稚魚の搬入が行われたところであります。
また、美保湾地域栽培漁業推進協議会によるヒラメの試験放流につきましては、六月に一回目の放流が行われ、現在、検証作業が進められております。さらに、来年度には二回目の放流が予定されており、本格的事業化に向けた試金石として、検証結果に期待をしているところであります。

昨年十二月に立ち上げられた「さかいみなと漁港・市場活性化協議会」につきましては、「漁港」、「市場」、「食と観光」の三つのワーキンググループが設けられ、今後の漁港・市場の適正な整備や利用について幅広く議論されており、年度内を目途に「境港水産振興ビジョン」を取りまとめることとなっております。このビジョンでは、短期的な課題は具体的な計画として盛り込み、中長期的な課題は今後の指針として位置付けるとともに、具体化に向けた検討を進めることとしております。

伯州綿の復興について

十月十三日、綿花にかかわる市民団体等十三団体で組織する実行委員会とともに、「全国コットンサミット IN 境港市」を市民会館で開催し、市の内外から綿花栽培者、綿製品のメーカー、綿花に関心を持つ人など、約七百人の方に来場いただきました。
サミットでは、農薬や化学肥料を一切使用せず市民の方と丁寧に育てた「伯州綿」を全国に情報発信したほか、繊維産業の第一線で活躍される方々からは「肌身に付ける綿製品を外国産にたよっている危うさ」、「国内産を残していく大切さ」、「各地域の綿花栽培の取り組み状況」などが発表され、綿花についての理解を深めることができたと考えております。
また、綿栽培を産業としてとらえた事業展開の紹介もあり、国産綿再興にかける熱い思いや可能性をお聞きいたしました。
今後、サミットでの議論を踏まえ、関係団体をはじめとする市民の皆様と一緒になって、栽培や販売などの事業化について考えてまいります。

夕日ヶ丘団地の市街化促進について

夕日ヶ丘団地の分譲につきましては、引き続き定期借地制度が好評で、平成二十一年六月の導入以来、十一月末で八十五件の契約が成立しております。制度の利用者は二十代・三十代の子育て世代が中心であり、アパートへのポスティングやテレビ・ラジオを通じたピーアールの効果が現れてきていると感じております。
また、懸案でありました商業施設の誘致につきましては、株式会社ファミリーマートによるコンビニエンスストアの出店が決まり、一月末の営業開始に向けて準備が進められることとなります。今後も、定期借地制度のさらなる周知に努めるとともに、商業施設の誘致にも引き続き積極的に取り組み、市街化の促進を図ってまいります。

防災対策について

津波対策につきましては、六月に全戸配布した津波防災ハザードマップの活用方法の周知を図るため、七月に「災害に強いまちづくりを支える自助共助」をテーマに講演会を開催いたしました。
また、十月二十八日には、県の総合防災訓練として位置付けられている「とっとり防災フェスタ 二〇一二」にあわせ、本市職員の参集訓練、災害対策本部運営訓練のほか、昨年に引き続き避難ビルを利用した津波避難訓練を行いました。この津波避難訓練では、水木しげるロードにおける観光客の避難誘導を主とした訓練と、上道地区における要援護者の搬送など「自助」・「共助」の認識を高めるより実践的な訓練を行ない、合わせて五百四十人の参加をいただいたところです。

原子力災害対策につきましては、九月十九日の原子力規制委員会発足と同時に施行された改正原子力災害特別措置法や同施行令により、鳥取県・境港市・米子市は、島根原子力発電所に係る関係周辺自治体として位置付けられました。
また、十月三十一日、同委員会の「原子力災害対策指針」におきまして、原子力施設から三十キロ圏内は、当該施設で重大な事故が発生した際に、防災対策や避難・退避を迅速にできるように準備しておくべきとされる「緊急時防護措置準備区域」として位置付けられ、法令上、本市は立地自治体とほぼ同じ立場となったところです。
これを受け、十一月一日、鳥取県知事、米子市長とともに中国電力本社に出向き、昨年締結した安全協定について、原子力発電所の所在地並みの内容となるよう直接社長に協定改定の申し入れを行い、同月二十日には、第一回目の協議会を開催し、改定項目を提示したところです。
また、一連の法改正を受け、三月十八日までに地域防災計画の中の原子力災害対策編の修正が義務付けられましたので、住民避難計画とあわせ、現在、鳥取県など関係機関と協議しながら、鋭意作業を進めているところであります。

学校教育について

このたび、市内中学校で起きました「いじめによる生徒の飛び降り事案」につきまして、市民の皆様に大変ご心配をおかけしましたことを、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
非常に残念な事案でありましたが、重傷を負った生徒は順調に回復し、十月二十二日から登校しております。市内各小・中学校には、二度とこのようなことを繰り返すことの無いよう、いじめが行われていないかの再点検と信頼回復に向けた取り組みを全力で行うよう指示しております。
いじめは、学校や家庭、関係機関が一体となり取り組むべき問題であると認識しておりますが、これに加えて、私は、いじめに最初に気づく子どもたち自身が、「いじめを許さない。見つけたときにはやめさせる。」といった行動をとれるようにしていくことが大切であると考えております。このような行動がとれるよう「心の教育」「人権教育」のさらなる充実に努めてまいります。

第二中学校の改築工事につきましては、九月十三日に工事に着手いたしました。新校舎の玄関やランチルームの内装材には、市内の小学生が昭和五十八年から六十二年にかけて、日南町阿毘縁の「市民の山」に植林した杉の木も使用することとしており、十月四日に伐採したところです。
第三中学校の冷暖房施設改修につきましては、第一中学校と同様、夏休みを工期の中心とするために、前倒しして本年度末に工事発注したいと考えております。
給食センターにつきましては、地権者との交渉を行い承諾をいただきましたので、用地の先行取得を境港市土地開発公社に依頼したところであります。
現在、基本設計を進めており、学校現場や市民の意見をより反映した給食センターにしたいと考えております。

社会教育について

弓ヶ浜地方から北米地域への移住百二十周年を記念し、十月五日から七日まで、アメリカとカナダから移民の子孫の方々六人をお迎えし、記念事業を開催しました。記念事業では、移民の歴史に関するリーフレットの配布や記念展示、小学校や公民館での市民との交流会を開催するなど、郷土の先人たちの歴史を顧みるとともに、大変有意義な交流ができました。今後も引き続き、移民の歴史や先人の偉業について、広く市民に伝えてまいりたいと考えております。

十月に開催した「日韓ロ国際交流 第十二回鬼太郎カップ境港駅伝競走大会」におきましては、韓国・江原道とロシア・ウラジオストク市から駅伝チームを招へいしました。両チームは、沿道で多くの市民が応援する中、県内外から出場したチームとともに健脚を披露し、国際交流大会に相応しい大会となりました。

子育て支援の充実について

定期予防接種のポリオワクチンにつきましては、これまでの「生ワクチン」に比べ、より安全性の高い「不活化ワクチン」が九月一日から導入されたことにあわせて、接種回数も増えることなどから、集団接種から各医療機関での個別接種に切り替えました。
また、十一月一日からは、ジフテリア、百日せき、破傷風、不活化ポリオワクチンの四種混合ワクチンの接種も始まり、三種混合ワクチンと別々に接種する負担が軽減されることとなりました。
これに伴う接種方法の変更については、市報をはじめ母子健康手帳の交付時、接種対象者への予診票送付時など、機会を捉えて周知に努めているところです。

平成二十五年度から民間事業所へ移管する外江保育所と余子保育所の二施設につきましては、休園中の幼稚園部分を三歳未満児用の保育室に改修する工事を実施しました。
また、円滑に移管が行われるよう、移管先事業者の保育士との引継ぎ保育や、保護者会との情報交換なども適宜進めております。



以上、市政の概要についてご報告申し上げましたが、議員並びに市民各位の格段のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。