平成24年9月定例記者会見

市長会見要旨

 本日の報告事項は、1013()に開催される「2012年全国コットンサミットin境港」の開催についてです。
 かつて全国で日常生活で盛んに使われていた国産綿花ですが、現在は外国産綿花におされ、現在では栽培数がゼロに近い状態です。その中で、全国各地で国産綿を再び見直そうとする動きが今始まっています。かつて江戸時代には弓浜半島一帯で伯州綿という和綿が栽培され、北前船で全国各地に広まり、ブランド綿として地位を確立していました。
境港市では平成21年度より、伯州綿の復活を目指し栽培に取り組んできました。その取り組みも今年で4年目をむかえ、2.6ヘクタールの畑で栽培をしています。このような全国的な動きを機に、全国の綿栽培に関係する方々や繊維業界で綿を扱っている方々に一同に会していただき、意見交換や国産綿花の普及促進を図っていこうということで、全国コットンサミット開催の運びとなりました。第1回大会は昨年、大阪・岸和田市にて行われ、境港市での開催は第2回大会となります。このサミットをきっかけに伯州綿を含む国産綿の価値と魅力を全国に発信していこうという事業です。
サミットの内容は、伯州綿畑の見学やワークショップ、パネルディスカッションなどを企画しています。また、第2部として全国の国産綿に係わる方々から、活動報告をしていただくこととしています。また、会場ではカニ汁の振る舞いや、手打ちそばの販売なども用意しているほか、伯州綿で作られたおくるみ・ハンカチを来場者に抽選でプレゼントする事も考えています。
 このサミットを通して、伯州綿の魅力、価値を全国に発信する良い機会だと考えています。伯州綿の地位を向上し、できることならば産業に押し上げて定着させていけたらと思っています。第3回コットンサミットは、来年に奈良県・広陵町にて開催を予定しています。
コットンサミット[pdf:72KB]

質疑応答

【記者】昨年の第1回の開催は何月か?
【市長】岸和田市での開催は5月です。境港での開催時期については綿が咲く時期に合わせたほうが良いのではないかということでこの時期としました。
【記者】サミットに参加する自治体や団体の数は?
【市長】事例発表いただくのは4箇所です。そのほかにも和綿・洋綿の栽培をされている方が参集される予定です。
【農業振興係長】全国各地300400地区に案内を送付した。現在、ブースでの出展申込は16地区の申込があります。
【記者】16団体ついては自治体という単位か?
【農業振興係長】16地区のグループ・団体がブースでということです。
【記者】参加団体の中に日本海側のところはあるのか?
【農業振興係長】日本海側は今のところは無いです。
【記者】境港だけということか?
【農業振興係長】兵庫県からも参加されますが、海側ということでは境港だけです。
【市長】自治体が直接絡んで参加しているところは、境港だけではないかと思う。
【農業振興係長】次回開催地の広陵町も参加予定としていますが、ほとんどはNPO団体などのグループです。
【記者】案内をした全国の300400地区が活動しているというようにとらえてもよいか?
【農業振興係長】前回のサミットの参加団体に加え、伯州綿の栽培で関係のあるところや、そのほかを上積みした数です。
【記者】前回より数は増えているのか?
【商工農政課長】地域で栽培しておられるところや、綿花を使用して製品を作っているメーカーなどに案内をしています。
【記者】伯州綿の魅力と価値を全国発信するとあるが、伯州綿の魅力とは?
【農業振興係長】和綿の魅力は、洋綿に比べ繊維が短いことから弾力があることです。布団などに使われますが、その他の商品に使用しても弾力ややわらかさが出てくると聞いています。この特徴は和綿のなかでも、特に伯州綿に際立っています。
【記者】保温性はどうか?
【農業振興係長】保温性・保湿性・調湿作用が日本の風土に適しています。
【商工農政課長】和綿で2.6ヘクタール栽培しているところは全国でほかには無いです。
【記者】2.6ヘクタールで全国トップ級なのか?
【商工農政課長】和綿に限って言えばそうです。
【農業振興係長】洋綿も含めて、おそらく2番目だと思われます。一番は東北・宮城県の洋綿栽培で企業の支援等もあり、約8ヘクタール。次いで伯州綿の2.6ヘクタールです。
【記者】和綿としては全国一か?
【商工農政課長】そうです。
【市長】東北の8ヘクタールは、塩害のあった田で植えるプロジェクトの栽培面積です。
【記者】伯州綿というネーミングは江戸時代からあったのか?
【商工農政課長】少なくとも試験場の資料には、大正時代の写真に伯州綿という名称が出てきます。
【記者】今、綿の栽培がブームということだが、それを裏付けるようなデータはあるのか?おそらく東北のことなどがあってだとは思われるが。
【農業振興係長】公式なものは、農水省の統計から外れているためありませんが、岸和田市で開催された際の全国コットンサミット事務局が現在も残っており、コットンサミット開催のサポートや調査・研究をしています。その事務局がアンケート調査などをしており、国などの統計とは異なる非公式という形ですが、各地の栽培状況などを把握していると思います。
【記者】境港市としての伯州綿の最盛期とはいつか?
【市長】江戸後期から大正時代にかけてです。
【商工農政課長】外国綿花の輸入関税が撤廃されたのが明治29年であり、それ以降徐々に減ってきました。明治前期まではよかったようです。
【記者】今現在の伯州綿の収穫量は?
【産業部長】今年の今現在では662キロ。現在1/3ほどの収穫なので、見込みとしては約1800キロです。今年は良く、昨年は600キロほどしかとれませんでした。
【記者】今、製品にしているものはおくるみ以外に何があるか?
【市長】おくるみ・ハンカチ・マフラー・ひざかけ・バスタオルの全部で5つです。
【商工農政課長】おくるみ・ひざかけについては非売品です。他の商品は限定的に販売しています。
【記者】どこで販売している?
【商工農政課長】ハンカチについてはロードの福祉の店にて販売しています。その他の商品はシャディのカタログ販売をしています。
【記者】栽培面積の2.6ヘクタールは来年は更に増えるのか?
【商工農政課長】何とかこの面積を維持していきたいと考えています。
【記者】まだ具体的にどのくらい増やすかなどは考えていないのか?
【市長】製品にして流通させて販売する、これとセットとなっているので、そういったことも睨みながら、拡張について考えていかなければならないということです。
【市長】この伯州綿の栽培事業は荒廃農地対策や、生まれたときにおくるみを、100歳でひざかけをプレゼントする、そういった少子化・高齢化対策の側面も持っています。また、おくるみをもらった方は伯州綿の栽培や収穫に親子で参加してもらうなど、このように伯州綿の栽培にはいろいろな事業効果が期待できると考えています。
【記者】サミットの参加者の見込みは?
【市長】500名くらいを目標としています。なるべく多くの方に来ていただきたいと思います。
【記者】カニ汁の振る舞いもあるのことだが、何杯くらいか?
【商工農政課長】
 約300杯は用意を予定しています。
【市長】そのほか、市民グループが手打ちそばを。お菓子屋くれぱすがパンや焼き菓子などを販売されます。ネパール教育支援という団体でネパールのカレー、まつぼっくりも販売をされます。
【副市長】昨年の第1回、岸和田のコットンサミットが300400名くらいでしたので、それを上回る500名を目標にしています。
【記者】来られる方は、綿畑の見学以外に水木ロードの見学などもされるのか?
【商工農政課長】大阪からバスで来られる方々もおられ、その方々は水木ロード等の観光もされると聞いています。
【記者】地元一般の方は入れないのか?
【商工農政課長】おおいに歓迎です。
【市長】特に、多くの市民の方に来ていただき、伯州綿に今一度関心を持っていただきたいと思います。現在、綿栽培で困っているのは、草取りや収穫などの作業です。この機会に多くの人に伯州綿を再認識していただいて、ぜひ伯州綿の栽培に参画していただきたいと思っています。
【記者】10時からの見学ツアーは誰でも参加(一般参加)できるのか?
【副市長】夕方までの催しはすべて無料で参加していただけます。
【農業振興係長】ワークショップのみ事前申込制にさせていただいていますが、まだ枠があります。〆切は過ぎましたが受け入れが可能です。
【市長】ワークショップはどういったことをするのか?
【農業振興係長】内容は4つあります。
・立花テキスタイルによる綿の茎を使用したハンカチ染め
・絣組合による綿繰りや糸紡ぎなど
・絣同好会の方による、はし袋の作成
・安来・天野紺屋による缶バッチ作り
となっています。
【記者】ワークショップ以外は事前申込が不要で、誰でも参加できるということでよいか?
カニ汁も食べられるのか?
【農業振興係長】最後の交流会も申し込みは必要ですが、それ以外は参加していただけます。もちろんカニ汁も食べられます。
【記者】活動報告の団体についてですが、話される内容やタイトルについてはわからないか?
【商工農政課長】今の栽培の状況を話していただきますが、まだ詳しいことはわかっていません。
【農業振興係長】前回の岸和田のときは、規模の大小はあるが活動の様子を発表してもらいました。今回は綿を栽培をし、加工販売して永続的に活動をしておられるところ、または活動しようとされている先進的なところを中心に選びました。今回は先進的な話が聞けるのではないかと思っています。
【記者】伯州綿と同じ和綿を栽培しているところはあるのか?
【農業振興係長】「和綿倶楽部」は和綿をされており、それ以外は洋綿です。
【記者】コットンサミット自体は和綿をクローズアップするのではなく、洋綿も一緒なのか?
【商工農政課長】洋綿も一緒です。綿・綿花ということに関してです。
【産業部長】和綿・洋綿を問わず、国産綿花ということです。
【記者】今回は第1回の岸和田の時の内容を踏襲したものなのか、それともなにかを加えたということはあるのか?
【市長】私も岸和田には行かせていただきましたが、今回の内容は濃くなっていると思います。
【副市長】1回は、日本で綿を作っているところが概ね13カ所ということが分かり、それぞれの取り組みを発表してもらいました。今回はそれを絞り込み、綿を作りながら商品にできるところまでの団体に発表してもらいます。そして一番の違いは、前回は有名デザイナーのトークショーでしたが、今回は綿や繊維の関係で各方面にて活躍されている4人のパネリストをお招きし、伯州綿の魅力についてのパネルディスカッションをお願いしている点です。
【記者】前回はトークショーだったが、今回はパネルディスカッションであるということか?
【副市長】そうです。
【記者】全体会の最初の来賓挨拶のなかで、経済産業省と農水省の方が書いてあるが?
【市長】経済産業省も和綿の栽培にはとても興味をもっておられるようで、第1回サミットにも参加されていた。農水省は今年が初めてです。
【副市長】農水省の方は耕作放棄地活用推進室ということで、全国の荒廃地の対策の一貫として、和綿栽培には大変興味を持たれています。
【記者】しかし、作られる方に聞くと、水やりや雑草取りなどの手間がかなりかかり、いいことばかりではないと聞くが?
【市長】現在は、国の緊急雇用対策ということで国からの補助金で人を雇用し、作業してもらっています。今年度でその緊急雇用対策も終わります。そうなると、自前でやらなければならず、人件費も大変なことになります。このイベントに参加していただき、伯州綿に対する認識を深めていただきたいと思います。そして、少しの面積でもよいので、綿を栽培していただき、私どもの方で買い上げさせていただく「サポーター制度」をもっと大きくしていかねばと考えています。
【記者】サポーターは今何人いるのか?
【農業振興係長】1378名の方にご参加いただいています。
【記者】この制度は昨年度からか?
【農業振興係長】サポーター制度自体は昨年からです。前段の栽培講座についてもサポーターみたいなものであるのでそれも含めると3年になります。買い取り制度として確立したのは昨年度からです。
【記者】1378名ということだが、面積はどれくらい栽培されているのか?
【農業振興係長】4000平方メートルです。2.6ヘクタールのうち、0.4ヘクタールをサポーターさんに担ってもらっています。
【記者】この面積は昨年より増えたのか? 昨年はどれくらいだったか?
【農業振興係長】増えています。昨年は20アールです。
【市長】おっしゃるように、雑草取りが一番の重労働です。ですから100坪でも30坪でも自分が管理できる程度に栽培していただいて、買い取らせていただく。この制度を広めていきたい。
【市長】そのほか、何か無いでしょうか?
【記者】今月13日に入札があり、保留ということで委員会が開催されたと聞いているが、結果はどうなっているか?
【市長】委員会が開催され、結果が出ています。一部手続きが済んでおらず、それが完了してから記者発表させていただきたいと思います。今日までの経緯については建設部長より話をさせます。
【建設部長】913日に報道各社に資料提供させていただきました、渡漁港排水機場の詳細設計にかかる談合の疑いについてですが、公正入札調査委員会を2回開催し、談合の事実の確認を行いました。そのほか応札した業者、棄権した業者も含めて事情聴取を行い、各業者の提出した業務内訳書の確認をしました。その資料をもって、第2回の公正入札調査委員会を開催しました。その事実確認について、談合があったということが確認できなかったため、この結果を今後、公正取引委員会に報告するなかで、みなさまに資料提供させていただきたいと考えています。現在、公正取引委員会に提出する資料を揃えておる最中です。見込みでは来週と考えています。
【記者】2回の委員会はいつ開催されたか?
【建設部長】24日です。






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