平成24年5月定例記者会見

市長会見要旨

 本日の報告事項は、「津波防災ハザードマップ作成・配布」についてです。
 新しい津波防災ハザードマップが出来あがりましたので、6月5日号市報に折り込み、各世帯にお配りします。これまでも作成し、各家庭にお配りしておりましたが、その時は、鳥取県津波対策委員会で示された津波の高さ約2mに基づいて作成し配布しました。この度の東北大震災を受けて、対策委員会で津波の高さを再検討され、境港については3.23mの高さが示されました。それに基づいて、作り直し再配布します。ハザードマップには、一時避難所や標高などが記載してあります。各世帯でご覧いただき、どこに避難するか頭に入れてほしいと思います。
 大きさはA1で両面カラー印刷。津波警報発令時の対処法も記載してあります。表に市内の全体を図示し、裏には市内を4分割して各地区でそれぞれ大きくした地図を見ていただけるように工夫しました。境・上道地区、余子・誠道地区、中浜地区、渡・外江地区の4分割です。合計81カ所を津波避難所に指定しました。およそ9万人が収容できます。内訳は、民間27カ所、公共54カ所です。
 境港市の特性として、多くの観光客が訪れ、GWには最大7万6千人が来られました。観光客への対策として、近くの避難所に誘導していくことが必要です。誘導看板の設置や水木しげるロード振興会に誘導等の協力をいただきたい。
 ハザードマップの作成部数は16,000部です。万一の際には安全な所に避難してもらうよう、市民の皆さんに啓発していきたいと思います。

ハザードマップ[pdf:92KB]

質疑応答

【記者】前回のハザードマップはいつ配布されたか?
【自治防災課長】平成22年3月に作成し、4月に配布しました。
【記者】今回の想定される内容は?
【自治防災課長】佐渡島の北方でM8.16の地震が発生した想定です。
【記者】最大浸水面積は?
【自治防災課長】5.4平方キロメートルです。境港の面積は28.79平方キロメートルです。5分の1程度が浸水する想定です。
【記者】中海側よりも美保湾側の影響が大きいということか?
【自治防災課長】そうです。
【記者】5.4平方キロメートルの浸水エリアの市民の数は?
【自治防災課長】数字は集計していません。
【記者】浸水高さは何mから何m?
【自治防災課長】20cmから3mです。
【記者】住宅地の所で一番深い所は?
【自治防災課長】1~2mです。
【記者】住民数を地図に載せた方が良いのでは?
【市長】対象者数を決めるのは難しい作業になると思うが考えてみたいと思います。ハザードマップを基に地域の自治会や防災組織と連携して、より避難できる体制にしたい。
【記者】3.23mの最大の津波がくるときの想定時間は?
【自治防災課長】最大波は194分後、第1波は112分後。第1波の高さは示されていません。
【記者】市は一時避難所に逃げることを奨励するのか? どのように呼びかけるか?
【自治防災課長】実際の警報が出た場合にどれくらいで津波がくるかを示したところですので、時間がある、なしのパターンが考えられます。警報が出たら逃げる。色々なパターンがあるので、それぞれに応じた避難が必要です。1発目の警報はJ-ALERTの自動音声で流れます。それ以降は、防災無線で呼びかけます。
【記者】ハザードマップを作るのは県内初か?
【自治防災課長】そうです。
【記者】費用は?
【自治防災課長】35万円くらいです。
【記者】津波対策検討委員会が再検討したのはいつ?
【自治防災課長】第1回の津波対策検討委員会が昨年7月5日で10月、12月、3月と4回開かれました。再計算された結果が3月22日に示されました。
【記者】水木しげるロードは浸水するか?
【自治防災課長】少しかかります。0~20cmが一部かかります。
【記者】どこにどれだけ避難するかのシミュレーションはこれから?
【自治防災課長】これからです。
【記者】避難所が浸水する所はいくつ?
【自治防災課長】11カ所です。
【記者】津波の避難タワーは考えているか?高台設置は?
【市長】境港は水産基地ですので、業界としては津波対策を考えなければならないという動きがあります。例えば、焼津では港湾施設の中に鉄骨で作っています。こういったものが港湾区域で必要かどうか現場の皆さんと話をしていかなければと思っています。
【記者】話し合った結果でないと結論がでない?
【市長】地震が発生して津波が到達する時間は1時間以上あります。境港はコンパクトな町ですので十分避難できるという意見もあります。いろいろ話をしてみたい。
【記者】シミュレーションを練って、自治会や民生委員に降ろしていくのはこれから?
【自治防災課長】そうです。市民の皆さんに機会をとらえて説明したいと思います。今、考えているのは、鳥取大学の先生を講師に招いて講演会を開催し、避難に対する心構えなどを普及啓発して、いざというときに備えていただきたい。
【記者】誘導看板や振興会に誘導役をお願いするのはいつから?
【自治防災課長】来月に振興会の会議があるので、その場でお願いしたいと思います。
【記者】時期は?
【自治防災課長】急いでやらないといけないと思っています。
【記者】休日にも対応できるのか?
【自治防災課長】出来るところと出来ないところがあります。出来るところで休日、夜間、平日の何パターンかを考えています。例えば、学校では24時間対応になっていないが、焼津市の例では地震や津波があった場合、玄関のところを割って入る。割るところにステッカーが張ってあり、そこを割って入るようになっています。近くの人に鍵を持ってもらうと持っている人の負担になりますし、そういったやり方もあるのではないかと教育委員会と話をしています。
【記者】学校はいくつあるか?
【自治防災課長】市内の小中学校は10カ所です。
【記者】津波の高さによらず逃げてくれということか?
【自治防災課長】そういう考え方です。
【記者】境港市の世帯数は?
【自治防災課長】4月末で14,915世帯。人口は35,793人。
【記者】市民は全員避難所に収容可能だが76,000人の観光客は収容できないのでは?
【市長】76,000人は1日の合計ですので、十分に市民とあわせて収容できると考えています。
【記者】ハザードマップの色分けを見た感想は?
【市長】他市町村は業者委託で作っています。境港市は職員が解析して独自に作っています。市内を4分割して見やすく大きく地区ごとにと、よく出来ていると思っています。ぜひ市民の皆さんに日頃から頭にいれてもらうのが大切ではないかと思います。
【記者】防災意識が高まるきっかけになるか?
【市長】万一の時にどこに避難するか頭に入れてもらう。家族の中で、日頃から防災について話してもらうきっかけになるのでは。
【記者】前回の浸水エリアは?
【自治防災課長】前回の県の発表では、浸水面積は出ていません。海岸線だけでした。
【記者】看板は何カ所くらい?
【自治防災課長】案内板等は81カ所全てに出来ればと思っています。県議会では、県内統一した標高の看板を設置すべきではないかと提案されています。案内板等に標高を載せるのかは検討課題です。
【記者】一時避難所指定の定義は?
【自治防災課長】鉄筋コンクリートの2階建て以上の建物です。
【記者】避難所に外付けの階段をつけたりなどの改良は?
【市長】公共施設は考えていません。小中学校については、入る箇所を確保するために、ガラスを割って入るように考えています。
【記者】関西広域連合が原発再稼働について、細野大臣の報告を受け、大反対にはならず黙認という形だった。島根原発の再稼働の水準についても維持されるべきか、それとももっとやるべきだと思うか?
【市長】安全性の確保について、どこまでやれば大丈夫なのか安全性について国からの説明が全然ない。原発は全部停まっているが、電力需給は原発がなくてもいいのか。情報が分からず困っているのが本音です。将来、自然代替エネルギーで賄えないとなれば原発に一部依存しなければならないが、安全性をどこまで厳しいものにして対応していくか。政治判断しますと政府にいわれても、専門的な見地からでないと困ります。
【記者】大飯原発が再稼働すれば一つの水準になり、島根原発もそういう考えでいいと思っているか?
【市長】安全上、福島の二の舞にならないように安全対策を講じて、専門家がしっかり評価してOKでなければ難しいと思います。
【記者】細野大臣の示したレベルではOKと言えない?
【市長】情報がないので分かりません。
【記者】政治判断でOKは不満?
【市長】専門的な立場で大丈夫と判断しないと不安です。
【記者】安全性は大事で最優先だが、電力不足が企業にとってはどうなのだろうか?
【市長】動かす時には、絶対大丈夫であると情報を流さないといけないと思います。状況がよく見えない。
【記者】説明不足を感じているか?
【市長】そう思います。
【記者】島根原発は古い原発を抱えている。老朽化の1号機をどう思うか?
【市長】専門的な知見はないが、これまでよりも厳格な基準を作っていくべきだと思います。国が示さないといけないが見えない。
【記者】島根原発の視察予定は?
【市長】震災後は行っていないが、これまで2回行っています。
【記者】今後行く予定は?
【市長】今のところ予定ありません。
【記者】原発事故に対応した準備は?
【市長】大臣が周辺の都市についても備蓄などの対応を明言されていた。困難を伴うのは、万一の避難をどうするかです。周辺都市で協議に入っています。
【記者】江府町は地元のバス会社と提携して万一の時はバスで避難する考え方。以前漁船も活用と言っていたが?
【市長】色々な選択肢をあげて、住民の被爆を少なくして避難する方法を模索しないといけないと思います。



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