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施政方針要旨(平成28年3月2日)

 今期定例市議会において、平成二十八年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考え方を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。

 私は、市長就任以来、「公明正大な市政 市民と共に築く風格のあるまち」の政治理念のもと、市民の立場・視点に立った、公平公正な市政運営に取り組んでまいりました。
 この間、議員各位並びに市民の皆様のご理解・ご協力を賜り、「協働と改革」、「連携と共栄」をテーマとして、財政の健全化や地域・圏域の活性化などに鋭意取り組み、一定の成果が表れております。
 そして現在進行している、「水木しげるロードのリニューアル」や「竹内南地区の貨客船ターミナル整備」、それに伴う「港湾区域周辺の賑わいの創出」、「境漁港の高度衛生管理型漁港・市場の整備」、市民会館に代わる新たな「交流と防災の拠点施設の整備」など、本市の将来に大きく影響するこういった重要な事業を、責任をもって、しっかりと実行していく、そのことは、私に課せられた責務であると考えるに至り、先般次期市長選への出馬を表明させていただいたところであります。
 再び市民の皆様の負託を得ることができるならば、これらの事業に対し、初心に立ち返って全身全霊を傾けて取り組んでまいる所存であります。

 さて、昨年、地方創生元年として人口減少と地域経済の縮小を克服し、地域にさらなる活力を生み出すための指針となる「境港市総合戦略」を、市民の代表の方々や産業界、学校、金融機関など幅広い分野の皆様に積極的に参画いただきながら策定いたしました。
   
 そして本年は、その総合戦略に掲げる「三つの港と水産・観光資源を生かしたまちづくり」と「『子育てするなら境港』を標榜した子育て環境づくり」を市政運営の柱に据え、これまで地方創生に先駆けて懸命に取り組んできた施策を、「産官学金労言」各界各層の連携を図りながら、発展させてまいります。
 また、この圏域が有する観光、産業をはじめとする地域資源を最大限に活用し、県境を越えた広域連携をより強固なものとすることで、圏域の一体的発展をめざす「真の地方創生」に取り組んでまいります。

 さらには、都市基盤の整備や防災・環境対策、教育環境の整備、高齢者福祉の充実など、市民一人ひとりを大切にし、安心して生活できるよう、暮らしに根ざした基本的な施策も確実に進めてまいります。

 折しも本年は境港市制施行六十年という節目の年にあたります。これまでの本市の歩みを振り返り、積み重ねてきた歴史や先人たちの努力に感謝するとともに、本市の魅力を再確認し、磨きをかけていくことで、さらなる飛躍・発展の契機としたいと考えております。
本市が未来に向かって輝き続けるため、「境港市創生」という目標に向かって、邁進してまいります。

一.規律ある行財政運営と協働の推進

○平成二十八年度当初予算案について

 本市の財政状況につきましては、踏み込んだ行財政改革の取り組みにより、平成二十六年度末の実質的な市債残高は、ピーク時の半分以下に減少し、償還額である公債費も平成二十一年度から減少し続けるなど、一定の財政健全化が図られたものの、さらに進行する少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増大に加え、既存の公共施設の改修や新たな施設整備などを考慮すると、今後も堅実な財政運営に徹する必要があると考えております。

 平成二十八年度の当初予算につきましては、自主財源の根幹をなす市税収入は顕著な好転が見込めず、地方交付税も減少が続いていることから、国費等の積極的な確保に努め、歳入規模に見合った予算の編成を基本とし、真に必要な施策の取捨選択を行ったところであります。
 また、「境港市総合戦略」に基づき、地域の活性化への取り組みとして、圏域との連携を図りながら、地方創生加速化交付金を活用し、平成二十七年度予算において一部事業を前倒しすることで、より有利となる財源の確保に努めたところであります。

 歳出におきましては、社会保障関係経費の自然増への対応、市民体育館などの耐震改修や水木しげるロードのリニューアル事業などの投資的経費を計上する一方、これまで以上に規律ある財政運営に努めながら、市民生活に密着した施策や喫緊の課題に対応していけるよう、できる限り配慮して編成しております。

○協働のまちづくりの推進について

 「自分たちの住むまちは自分たちで考え、自分たちで創り上げていく」このことを、まちづくりの原点として、「協働のまちづくり」を提唱してまいりました。
 今日では、市民の皆様にも、協働のまちづくりの意識が浸透し、様々な場面で協働による取り組みが展開されております。
今後も行政、自治会、市民活動団体、事業所などが互いの立場を尊重し、それぞれが果たすべき役割と責任を分担しながら、住み良いまちを創っていくための取り組みを進めてまいります。

 市民活動の拠点となっている「市民活動センター」が、本年で開設十周年を迎えることから、記念行事を実施することとしております。
市民活動団体それぞれが工夫を凝らした体験型の催しや、講演会などを通じて、活動の楽しさなどを伝えることで、さらに市民活動の輪を広げてまいりたいと考えております。

○まちづくり総合プランについて

 本市は、これまで、「魅力と活気あふれるまちづくり、心豊かに安心して暮らせるまちづくり」を基本理念とし、将来都市像を「環日本海オアシス都市」と定め、その実現に向けて様々な施策を進めてまいりました。

 まちづくり総合プランは、本市のまちづくりの方向を定め、その方向に沿った今後取り組むべき施策をまとめるものであり、まちづくりの主役である市民の皆様と、本市の目指すべき将来像を共有するとともに、市政運営の基礎とするために策定するものであります。

 次期まちづくり総合プランにつきましては、本市が有する重要な社会基盤である三つの「港」や水産・観光資源を生かした取り組みと、市民福祉の向上を図っていくというまちづくりの基軸は、今後も変わることのないものとして認識しており、「環日本海オアシス都市」の発展イメージも、基本的に継承すべきものと考えております。

 「境港市総合戦略」や今月中に策定する「美保飛行場周辺まちづくり計画」の内容を包含した計画として、今後、市議会や総合計画審議会、パブリックコメントなどで幅広くご意見をいただきながら、プランを策定していきたいと考えております。

二.経済の活性化と都市基盤整備

○中海・宍道湖・大山圏域の連携について

 中海・宍道湖・大山圏域市長会では、これまでの広域観光や産業振興、環境保全、防災対策での連携、若者の就業・婚活への支援などに取り組むほか、地方創生についても、圏域版の総合戦略を策定し、圏域人口六十万人の維持を基本目標に、国内外を視野に入れた力強い産業圏域の形成などに向けた、様々な施策を展開してまいりました。

 平成二十八年度は、地方創生加速化交付金を活用して、インバウンド観光の推進や三大都市圏での圏域PRをはじめとした「中海・宍道湖・大山圏域ブランド化推進プロジェクト」など、圏域の観光振興や産業振興、人口の流入に資する施策に取り組むこととしております。
 また、昨年十二月にインドのケララ州と経済分野などの交流拡大を図るために覚書を締結したところであり、引き続き、「中海・宍道湖・大山ブロック経済協議会」と連携して、経済界の交流の促進を後押ししてまいります。
 なお、これらの施策を進めていく上で、事務局体制の強化も行います。これまでは会長市に設置しておりました事務局を、松江市玉湯支所に固定するとともに、事務局長には観光分野にも精通しておられる民間出身者を登用するなど、官民からなる六名の専任職員により、事業展開の継続性の確保や官民連携の強化を図っていくこととしております。

○環日本海交流の推進について

 平成二十一年に開設された環日本海国際フェリー航路は、当圏域の発展に欠かすことのできない極めて重要な「海の道」であり、これまで鳥取県や中海・宍道湖・大山圏域市長会と協調して、運航支援を続けてまいりました。

 今では、観光や経済活動を支える重要なインフラとして、この圏域に大きな経済効果をもたらしております。
 特に昨年は、過去最高の二万七千人余の旅客数を記録し、当圏域が一体となって取り組んでいる外国人観光客の誘客に大きく貢献したほか、米子―ソウル便と連携した江原道ツアー等の旅行商品が造成されるなど、アウトバウンドの拡大に向けた取り組みも着実に進んでおります。

 平成三十年以降、二年おきに(ピョン)(チャン)、東京、北京と、アジアでのオリンピックの開催が続き、これらと連携した航路の活用も期待されるなど、今後の発展性も見込まれることから、当圏域と対岸諸国をつなぐこの航路の必要性はさらに高まるものと考えております。
 また、竹内南地区の貨客船ターミナル整備の早期完成を推進していくうえでも、この航路の存在が重要な役割を果たしており、航路の安定運航が不可欠と考えております。
 現状、ロシア経済の低迷により貨物の落ち込みが続いているほか、舞鶴港や新潟港との航路誘致競争が激化するなど、航路を取り巻く環境が依然厳しいことから、当面一年間の支援を継続してまいりたいと考えております。

 「米子―ソウル便」につきましては、四月に就航十五周年を迎えます。官民一体となった取り組みにより、昨年は平成十三年の就航以来、過去最高となる三万五千人を超える利用がありました。引き続き、韓国をはじめ東アジアにおける当圏域の認知度向上や旅行商品の造成などに取り組み、就航が予定されている香港便との共存を図りながら、山陰地方唯一の国際空港の地位を確立してまいりたいと考えております。

○観光振興について

 ふるさと境港の発展に多大なる貢献をいただき、本市の大恩人であります水木しげる先生のお別れ会が、関係者やファンなど、多くの方々の参列のもと一月三十一日、東京で開かれました。本市におきましても、水木先生へ心から感謝と哀悼の意を表するため、鳥取県や市内の関係団体とともに、三月八日に水木しげる先生を偲ぶ会を文化ホールで開催いたします。

 昨年の水木しげるロードの観光入込客数は、百九十七万人余とわずかに二百万人には及びませんでしたが、本年は、年始の天候が穏やかであったことに加え、水木先生を偲び、国内外から多くの観光客が本市を訪れたことから、これまでのところ、前年を大きく上回っております。
 また、五月から六月頃に累計入込客数が三千万人に達する見込みであることから、記念事業を実施することとしております。

 二月にJR境港駅前に待望のホテル「御宿野乃」が開業し、「通過型観光地」から「滞在型観光地」への転機を迎えました。
一月から水木しげるロードリニューアル事業の夜間演出を先行する形で、「河童の泉」と「水木しげる記念館前庭」の夜間照明を開始し、今月中に市内の夜景スポットなどを紹介するナイトマップを発行する予定としており、引き続き、夜の魅力度向上や賑わい創出、滞在時間の延長に取り組んでまいります。

 また、昨年、境港へのクルーズ客船の寄港は二十三回で、国内外から過去最高の約一万九千人のお客様にお越しいただきましたが、本年は、これを上回る三十回以上の寄港で、四万から五万人の来客数が見込まれております。観光案内や通訳ボランティアの充実を図るとともに、中海・宍道湖・大山圏域内の物産・観光情報を共通のスマートフォン向けアプリを活用し多言語で発信するなど、引き続き、官民一体となった外国人観光客のおもてなしと誘客に取り組んでまいります。

 米子鬼太郎空港につきましては、東京便が今月二十七日からの夏ダイヤにおいて一日六便の継続に加え、五月までの期間と十月の限定でありますが、初めて一日七便化されることになりました。また国際線は、香港との定期便が就航する予定であり、当圏域の空の玄関口として、鳥取県や米子空港利用促進懇話会など関係団体とともに、さらなる空港の利用促進に取り組んでまいります。

○水産業の振興について

 境漁港における平成二十七年の水揚量は、十二万六千トン余で、前年比約九%増で全国第三位、水揚金額は、前年比約七%増で、七年ぶりに二百億円を超え、全国第八位でありました。

 本市の基幹産業である水産業を取り巻く環境は、水産資源の減少や漁業就業者の減少、高齢化など、依然として厳しい状況が続いている中、「境漁港の高度衛生管理型漁港・市場整備」が、いよいよ本格的に動き出し、現在、岸壁の水深を深くする増深工事が始まったところであります。平成二十八年度は、三号上屋の改築や、トラックスケールの新築工事に着手することとなっており、全事業の完成は、平成三十二年度を予定しておりますが、鳥取県や水産業界の皆様とともに、早期完成に努めてまいります。

 また、水産業の担い手育成につきましては、漁船乗組員や、養殖業従業員を新たに雇用して、研修事業を行う企業等を引き続き支援するとともに、移住・定住の促進にもつなげてまいります。

 魚食普及につきましては、次代を担う子ども達の体験事業である「おさかな探検事業」や、「フィッシュ・キッチン事業」などを継続するほか、まぐろ感謝祭、水産まつり、カニ感謝祭、中野港漁村市など、水産資源と観光資源を生かしたイベント等を通じ、本市の「さかな」を積極的にPRしてまいります。
 また新たに、境漁港で水揚げされる魚の下処理、おろし方、調理方法など、手順を追って、写真で紹介する「境港のおさかなレシピBOOK」を製作することとしております。

〇農業、商工業の振興と雇用の創出について

 農業の振興につきましては、新規就農者に対して、鳥取県をはじめ関係機関と連携しながら、青年就農給付金、農地賃借料助成事業、就農条件整備事業等の諸事業を活用することで、農業の担い手の確保に努めてまいります。

 また、耕作放棄地対策につきましては、農業委員会が実施している農地利用意向調査や全国農地ナビシステムを活用し、農地の状況把握に努め、新規就農者や認定農業者等、地域の担い手となる農家への農地集積を進めてまいります。
さらに、再生可能な農地は、国の補助事業を活用した農地再生事業に取り組み、耕作放棄地の解消に努めてまいります。

 伯州綿栽培につきましては、境港市農業公社において、引き続き「地域おこし協力隊」や市民栽培サポーターの活用により現在の栽培面積二ヘクタールを維持するとともに、永続的な栽培、商品化、販売のサイクルを構築していくために、地域活性化の知見やノウハウを有する専門家からアドバイスを受けながら、伯州綿のブランド化を進めてまいります。
 また、「地域おこし協力隊」が行う、境港総合技術高等学校での授業や米子南高等学校との新商品の共同開発などを通じ、引き続き、若い世代へ伝統的地域資源である「伯州綿」を継承する活動にも努めてまいります。

 企業誘致につきましては、本市の有する三つの「港」を積極的にPRし、鳥取県などの関係機関と連携を図りながら新たな企業立地による雇用の拡大・定住促進を図ってまいります。
 また、若者や女性等による創業を引き続き支援してまいります。

 産業振興につきましては、中海・宍道湖・大山圏域連携事業として、平成二十八年度は松江市で商談会を開催し、販路開拓や新商品開発へとつながる事業者間のマッチングを促進してまいります。
 また、「山陰いいものマルシェ」を圏域で継続して開催し、特産品や加工品など、山陰が誇る逸品を国内外へ情報発信してまいります。

○水木しげるロードのリニューアル事業について

 水木しげるロードリニューアル事業につきましては、今月中に道路本体の詳細設計が概ね完成する予定となっております。
平成二十八年度は、引き続き、夜間照明や植栽等、道路に付属する部分の設計を進め、できるだけ早い時期に着工できるよう努力してまいりたいと考えております。

 また、沿道の景観形成につきましては、地元の皆様より、リニューアル事業に合わせた街なみの整備を進めていきたいとの発意を受けたことから、国の補助事業である「街なみ環境整備事業」として、全体計画の策定や、沿道店舗等の整備に対する補助の方針等を検討してまいります。

○中海護岸整備及び内浜地区内水対策事業について

 国土交通省において整備が進められている渡漁港の移設工事につきましては、今月中に完了する予定となっております。
 また、この事業にあわせて本市が実施しております漁港周辺整備につきましては、新しい漁港の完成を受け、旧漁港の埋立工事に着手することとしており、漁港周辺道路整備や内水排除施設整備についても、引き続き進めてまいります。

 西工業団地の貯木場護岸工事につきましては、貯木場所有者の護岸整備に対する準備が行われており、事業主体である国土交通省出雲河川事務所が平成二十八年度に護岸本体工事に着手されると伺っております。

 さらに、これまでに、高潮や豪雨による浸水被害が発生している、内浜地区における内水排除対策として、平成二十七年度から、西工業団地の樋門工事に着手しており、引き続き、排水路整備を行うこととしております。

○港湾整備について

 中野地区国際物流ターミナル整備事業につきましては、現在、岸壁工事や背後の埋立てが終了し、今後、最終段階である舗装や係留施設の設置、緑地・ふ頭内道路の整備が進められ、平成二十八年度内の完成が予定されております。このターミナルの完成により、不足している岸壁やふ頭用地の再編が可能となり、港湾荷役等の効率化が図られることとなります。

 また、竹内南地区の貨客船ターミナル整備事業につきましては、現在、岸壁やふ頭用地の調査設計が実施されております。国においては、平成二十八年度の予算配分作業が進められており、配分が決定すれば、岸壁の基礎工事に着手される予定となっております。
 なお、同時に整備が予定されている旅客上屋や貨物ヤード等については、境港管理組合において平成二十八年度から基本設計・実施設計が進められることとなっております。

 さらに、港湾区域周辺の賑わいの創出の一つとして検討しております水族館構想につきましては、現在、鳥取県及び境港管理組合と共同で、「実現可能性調査」を実施しているところであります。
今後、この調査によって示される水族館の位置や規模、運営手法ごとの採算性などを基に、引き続き、水族館構想の実現に向けて検討を進め、平成二十八年度中に一定の方向性を示したいと考えております。

○新航路開設について

 国内RORO船の航路開設に向けて、昨年七月に設立された官民の実務関係者を委員とする「境港流通プラットホーム協議会」において、新たな物流ルートの開拓に向けた取り組みの検討がなされ、その一つとして、北九州との間で、コンテナ貨物の試験輸送が実施されました。
 今後も、試験輸送や荷主の開拓について、具体的な対策を協議会を中心に検討し、航路開設の足掛かりとなる事業を継続していくことが必要であり、本市も企業へのPRなど、国や鳥取県、境港管理組合とともに取り組んでまいりたいと考えております。

○地籍調査事業について

 地籍調査事業につきましては、平成二十七年度から着手し、これまで幸神町全域と隣接する新屋町の一部、計二七ヘクタールを実施したところであります。
 国の第六次国土調査十箇年計画に対応する、平成三十二年度までの調査計画につきましては、津波による浸水予測箇所や狭あい道路の状況など防災の観点から、外浜地区を中心に、約二百四十ヘクタールの調査を進めていく方針としております。
 平成二十八年度は、福定町と竹内町の市道外浜線より東側、五十ヘクタールについて、地元自治会のご協力をいただきながら実施してまいります。

○道路・橋りょう等の整備について

 
 安全・安心な道路環境を確保するため、老朽化による損傷が著しい道路や、橋りょう並びに通学路などから順次計画的に整備してまいります。

 道路整備につきましては、老朽化調査や自治会要望等を踏まえ、老人福祉センター前の市道竹内誠道線の舗装修繕工事など、生活道路の舗装補修や側溝整備を行います。

 橋りょう整備につきましては、平成二十六年度に実施した点検結果に基づき、優先性の高い、済生会病院北側の米川に架かる済生橋の修繕工事などを行います。

 また、通学路の安全対策につきましては、学校、警察との合同安全点検等を踏まえ、路側帯のカラー舗装やガードパイプ改修などを行うこととしております。

○夕日ヶ丘団地の市街化促進について

 夕日ヶ丘団地につきましては、分譲を開始した平成十一年からの累計契約件数が、昨年、三百件を突破いたしました。このうち定期借地権制度につきましては、平成二十一年の導入以降、大変好評をいただき、これまで累計百六十五件となっております。
これらにより、民有地等を含めた団地全体で、世帯数は五百六十を超え、千七百人余りの方が生活されており、若い世代を中心とした活気あふれる街なみが形成されているところであります。

 また、定期借地権制度は、子育て世代の住環境の充実や本市の移住定住の促進に大きく寄与しており、平成二十七年度に行った五十五区画の新規分譲に続き、平成二十八年度は県営住宅北側の保留地につきまして、住宅用区画への整備を実施いたします。引き続き、制度周知に努め、市街化の促進を図ってまいります。

 さらに、団地内の商業用地につきましては、分譲開始以来の念願でありました大型商業施設「スーパーセンタートライアル境港店」が二月に開店いたしました。このことにより、団地全体の活性化や魅力度の向上につながるものと大いに期待するところであり、これに続く、商業施設の誘致にも積極的に取り組んでまいります。

○都市環境の整備について

 危険空家対策につきましては、国の法整備に先駆け、平成二十六年度に条例を施行し、老朽化が進む家屋の調査を手始めとして、本格的に取り組みを進めているところであります。
 調査の結果、適正な管理がなされず倒壊のおそれがあるなど、特に危険な空家として条例に定める特定空家が三十七棟ありましたが、解体費用に対する補助制度を活用する等、所有者と粘り強い交渉を重ね、二月末現在、残る特定空家は十八棟となったところであります。
 今後も、鋭意交渉を行い、特定空家の解消に努めてまいります。

 公園の維持管理につきましては、年間を通じて快適に利用していただけるよう、効率化を図りながら繁茂期の除草回数を増やす等の新たな体制を構築し、公園の状態は大きく改善されたと考えております。
 引き続き、これまでの実践で得られた課題等を踏まえ、さらなる効率化に努めてまいります。
また、アンケート等により、大規模公園に対する要望や身近な公園の有り様について調査を行い、今後の整備に活用してまいりたいと考えております。

 市営住宅につきましては、現在、一部の団地を経年による劣化に伴い、入居者の退去後に新たな募集を行わず政策的に空家としています。これらの団地は、各棟の入居状況もまばらとなり何らかの対策が必要な状態にあることから、昨年十一月に、入居世帯の方々に市の方針をお伝えし、あわせて他の市営住宅への住替えに関する考え等をお尋ねしたところであります。
 今後、各世帯の意向を踏まえながら協議を重ね、空家となった棟の順次解体や一部建替えの検討等の対策を進めてまいります。

○公共下水道事業について

 公共下水道の整備につきましては、中海側の早期整備を図るため、概ね平成三十三年度までの六年間に整備を行う区域として、渡地区のほぼ全域と、県道米子境港線及び市道外港外江線以南の外江地区、並びに米川町など約二百十三ヘクタールを定めたところであります。

 平成二十八年度は、渡中継ポンプ場のマンホールポンプの設置を完了し、これを起点とする境港二号汚水幹線などの整備に着手いたします。
 また、渡町の東側、西森岡の南側、米川町の西側などで汚水管渠の面整備を予定しており、平成二十八年度末の公共下水道の普及率は約七十%を見込んでおります。

 下水道センターの整備につきましては、くみ取りし尿と浄化槽汚泥を、平成二十九年度から下水道センターで処理できるように、汚泥等受入施設の完成を目指すとともに、既存の水処理設備や主ポンプ設備の長寿命化を図る改築工事を行います。

○防災対策について

 本年は、正月二日に市内全域で停電が発生し、また、一月下旬には、寒波による水道管等の破損により水圧が低下する事態が発生しました。電気や水道といったライフラインの供給停止時に、素早く対応ができるよう、関係機関との連携強化と情報伝達の方法の見直しを行うとともに、各家庭での最低限の備蓄を呼びかけてまいります。

 原子力防災訓練と津波避難訓練につきましては、住民参加型の訓練として、継続して取り組んでまいります。

 津波対策につきましては、鳥取県地震防災調査研究委員会におきまして、国が示した津波想定を基に、浸水域の想定の見直しなどが行われており、この結果を反映した、津波防災ハザードマップを改めて作成し、市民の皆様に配布し周知を図ってまいります。

 防災力の強化につきましては、自主防災組織で指導的役割を担っている方に加え、新たに消防団員の防災士の資格取得を支援することで、消防団員の資質向上と地域における消防団と自主防災組織の連携による地域防災力の強化につなげてまいりたいと考えております。

 防衛省の補助事業を活用した「美保飛行場周辺まちづくり計画」につきましては、今月中に、基本計画を取りまとめ、平成二十八年度は、市民会館周辺エリアの基本設計に着手することとしております。

○環境政策について

 可燃ごみの処理につきましては、四月から米子市クリーンセンターでの焼却処理が始まります。
清掃センターでのごみ焼却は終了しますが、直接搬入ごみの受入れについては、現在の清掃センターで引き続き行い、ごみの定期収集等にも変更はありませんので、市民の皆様には、これまでどおりのごみ出しをお願いいたします。

 ごみの減量化・資源化につきましては、引き続き循環型社会の実現に向けて推進してまいります。
これまでもごみの有料化をはじめ、生ごみや枝木、軟質プラスチック類、衣類など、分別収集と資源化に取り組んでおり、これらに加えて平成二十八年度からは、使用済み小型電子機器をリサイクルセンターに直接搬入する場合、無料で引き取ることとし資源化を一層進めてまいります。また、家庭系の使用済み紙おむつについても、分別・資源化に向けモデル事業に取り組みたいと考えております。

 快適な生活環境に関わる側溝の清掃につきましては、泥の堆積が多く地元住民では対応が困難な箇所を、平成二十六年度から市で地区別に順次清掃してまいりました。平成二十八年度は、余子・誠道・中浜地区を集中的に実施し、これにより排水不良箇所の改善が全市域で一巡することとなります。

 また、再生可能エネルギーの利用促進につきましては、家庭用太陽光発電システムに対する補助限度額を引き上げ、支援を充実させるとともに、家庭用太陽熱温水器等の導入に対する支援を引き続き行い、地球環境への負荷低減や環境保全意識の高揚に努めてまいります。

三.市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実

○学校教育の充実について

 学校教育につきましては、昨年策定した「境港市教育施策推進大綱」において、「一人一人を大切にした質の高い学校教育の推進」を目標として掲げ、道徳教育や国際理解教育、英語教育の充実を図ることなどを重点的に取り組む施策として位置づけております。

 中学生の国際理解教育推進事業につきましては、訪問先を東北の被災地から根室市へ変更し、我が国とロシアとの歴史を学ぶ研修を実施いたします。

 本市の特色を生かした、英語教育の充実につきましては、小学五・六年生を対象とした、留学生などと楽しく英語を学ぶ「土曜学習」に新たに取り組むほか、中学生は、一人一人の「読む」、「聞く」、「書く」、三つの力を測りながら総合的なコミュニケーション能力を高めていきたいと考えております。

 学校の適正規模・適正配置等につきましては、校区審議会に諮問するとともに、教育委員会においても将来の小中学校のあり方について協議を進めてまいります。

 学校給食の提供と食育の推進につきましては、安全・安心でおいしい給食の提供に努めるとともに、地産地消、食育の推進等、食に関する指導の充実を図ってまいります。

 児童クラブにつきましては、誠道児童クラブに続き、平成二十八年度からは、外江児童クラブと境児童クラブで、六年生までの受け入れを開始し、今後も順次拡大を図ってまいります。

○社会教育について

 平成二十八年度は、市制施行六十周年を記念し、株式会社かんぽ生命保険などとの共催で、「特別巡回ラジオ体操・みんなの体操会」を、四月十七日に誠道小学校グラウンドで開催いたします。

 文化事業につきましては、本市出身の日本画家、(あや)()いづみ氏による絵画展・講演会及び市内在住のピアノ演奏者や声楽家のコンサート、同じく本市出身の木版画家、松本(まつもと)英三(えいぞう)氏の版画展を計画しております。
 また、市内にある文化財を広く知っていただくことを目的として、市内の指定文化財の写真などを掲載したハンドブックを製作することとしております。

 市民体育館につきましては、耐震補強などの工事に着手し、平成二十九年四月からの使用再開に向けて鋭意努力してまいります。

 その他、施設整備につきましては、上道公民館、余子公民館の改修工事や渡公民館集会室の新築工事を行うほか、平成二十九年度のスポーツ広場全面芝生化に向けた散水設備工事などを行うこととしております。

○子育て支援の充実について

 妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに対して、総合的に相談支援を提供するワンストップ拠点として、境港版ネウボラ「子育て世代包括支援センター」を保健相談センター内に開設いたします。
全ての妊産婦の面接をはじめ、必要に応じて支援プランを策定するコーディネーターを配置するとともに、助産師による妊産婦の孤立感の解消のための産前・産後サポート事業や出産後の「一ヶ月健診」の無償化、満一歳になるまでの乳児期の「おむつ利用の助成」など、切れ目のない支援を行ってまいります。

 平成二十八年度は、国が行う、保育料軽減からさらに踏み込んで、低所得世帯を対象に同時に二人以上通う場合の第二子の保育料の無料化制度を鳥取県と協調して取り組み、負担の軽減を図ってまいります。

 また、現在、中学校を卒業するまでの子どもを対象としている小児の特別医療費助成制度を、鳥取県と協調して、四月から、十八歳到達後の最初の年度末までの子どもに拡充し、子育て世帯の医療費負担のさらなる軽減を図ってまいります。

○生活困窮者への支援について

 
 子どもの将来が経済的な環境に左右されることなく、夢と希望をもって成長できるよう、生活保護を含む生活困窮世帯の小学三・四年生を対象に、学習教室を開き、学習習慣を身につけてもらう新たな取り組みを行います。
また、世帯が抱える多様な課題について相談支援の充実を図り、ケースワーカー、就労支援員、自立相談支援員の一体的な支援により、生活環境の改善と世帯の自立を促してまいります。

○高齢者福祉の充実について

 地域包括ケア体制の構築を最重要課題に位置づけた「第六期境港市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の核となる「地域包括支援センターの機能強化」といたしまして、本年十月から、これまで委託により二カ所に設置していたセンターを、市直営により一カ所で運営してまいります。新たな体制のもと、統一的な生活支援と介護予防、医療や介護等の連携による在宅医療の推進など、今後の介護サービス基盤の整備となる地域のネットワークの充実を図ることとしております。
 また、医療と介護の連携体制の整備につきましては、市内の医療従事関係者にお集まりいただき、医療現場の現状を確認し、課題を共有したところであり、今後、介護従事者や地域の方々のご意見をいただきながら進めてまいりたいと考えております。

 認知症予防対策事業につきましては、「認知症予防サークル」の活動を支援するとともに、認知症についての講演会の開催などを通じて、高齢者を地域で見守る「土壌」を築き上げていきたいと考えております。

 また、会員増強と組織の活性化に取り組んでおられる、ことぶきクラブ連合会やシルバー人材センターなどの活動支援を通じて、高齢者が住み慣れた地域で、地域の一員として社会参加をしながら、いきいきと暮らし続けることができる環境づくりに取り組んでまいります。

○国民健康保険について

 本市の国民健康保険費特別会計につきましては、平成二十七年度以降大幅な財源不足が見込まれることから、本市「国民健康保険運営協議会」に保険税の改定について諮問しておりましたところ、一月二十一日、協議会から「国民健康保険財政を健全に運営するためには、被保険者の経済的負担を考慮した上でなお、保険税の改定により保険税収入を確保することもやむを得ない」として、平成二十八年度の保険税について一人当たり平均十二・七%引き上げる答申をいただいたところであります。

 国民健康保険制度は、国民皆保険の基盤的な役割を果たしておりますが、被保険者の多くが低所得者や無職者などで、財政基盤が脆弱であるという構造的な課題を抱えております。
 市といたしましては、引き続き、一般会計からの繰入れを考慮しながら、答申に沿って保険税の改定を行うとともに、これまで以上に医療費の適正化や健康づくり事業に取り組んでいくこととしております。
 被保険者の皆様には、大きな負担の増加となりますが、制度を維持していく上で、必要不可欠なものとして、何とぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。

○市民の健康づくりについて

 平成二十六年度からがん検診等の受診率の向上を重点課題として取り組んだ結果、順調に受診率が向上しております。平成二十八年度はすべてのがん検診において、前年度を上回ることを目標にさらに取り組みを進めてまいります。
引き続き、境港医師協会や健康づくり地区推進員、食生活改善推進員、検診すすめ隊の皆様方のご協力をいただきながら、地域に根ざした健康づくり活動を展開し、がん検診や生活習慣病の予防活動の定着を進めてまいります。

 また、平成二十八年度から、国立研究開発法人理化学研究所による市民の健康データの解析結果を基に、生活習慣病対策や重症化予防、介護予防対策などの保健事業を効率的に行なってまいります。
これらの施策を着実に実施していくことで医療費の削減や健康寿命の延伸を図ってまいります。

 自死予防対策につきましては、福祉・保健・教育機関の関係者で構成する「こころの応援団をひろげる会」を中心に思春期のこころの現状とその対応などを伝える「こころの出前講座」を地域で展開し、子どもたちのこころに寄り添う支援のネットワークを広げてまいります。


 以上、本市を取り巻く状況並びに平成二十八年度に臨む市政運営の基本的な考え方について、その概要を申し述べました。
  
具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。