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施政方針要旨(平成27年3月4日)

 今期定例市議会において、平成二十七年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考え方を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。 
 人口流出や少子化により加速する地方の人口減少を食い止めるとともに、地域活力の創造に取り組む「地方創生」が動き出しました。本市においても、先月、地方創生先行型として事業を実施するための、関係予算について議決をいただき、地域消費喚起・生活支援の事業とあわせ、取り組みを進めているところであります。
 基本的な考え方といたしましては、本市の有する「境港」、「境漁港」、「米子鬼太郎空港」という極めて重要な社会基盤と水産資源、観光資源を生かしたまちづくりを進め、本市の魅力を高めることにより、「ひと」「もの」の交流を一層促進し、観光の振興、産業の活性化を図り、雇用の拡大、移住・定住促進を実現させていく、このことが一つめの大きな柱であります。
 そのためには、私が市政運営の主軸として取り組んでまいりました、中海・宍道湖・大山圏域が一つの圏域として、一体的な発展を目指す「連携と共栄」の視点による事業展開が一層重要になってまいります。市長会を中心に「産・官・学」などの関係機関との連携をより強めながら地域の活力を創出していきたいと考えております。

 もう一つの柱が、子どもを産み育てやすい環境整備のさらなる推進であります。「子育てするなら境港」を標榜し、これまで限られた財源の中、重点施策として少子化対策に懸命に取り組んできたところでありますが、結婚から妊娠・出産・子育てに至る一連の支援をより充実させることで、出生率・出生数の増加を目指してまいります。本市の将来を展望し地方創生に先駆けて取り組んでまいりましたこの二つの柱を、「境港市創生」への道筋として力強く推進していくべきものと考えております。
 なお、平成二十七年度中に策定する本市の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、国、県の動向にも十分に注視し、国の財源を有効に活用するとともに、戦略策定の段階から市民の皆様にも積極的に参画いただき、本市としての施策を幅広く展開していくための実効性ある「総合戦略」を策定いたします。また、圏域各市の総合戦略を圏域共有のものと捉え、人口減少、地域活性化という大きな課題に対して、一体となった取り組みを積極的に行ってまいります。

 さらには、次代を担う子どもたちの教育環境整備や文化・体育施設整備などのハード事業、防災・環境・福祉など市民の暮らしに根ざした基本的な施策につきましても、市民福祉の向上という行政の果たすべき役割の要として進めてまいります。引き続き、本市のまちづくりの基本理念である「魅力と活気にあふれ、心豊かに安心して暮らせるまちづくり」の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。

一.規律ある行財政運営と協働の推進

○平成二十七年度当初予算案について

 国においては、地方創生に取り組むための、「まち・ひと・しごと創生関連事業費」を地方財政計画の歳出枠に新設するとともに、
子ども・子育て支援新制度の実施等により社会保障の充実を図る一方、歳入においては、新規国債発行額は平成二十六年度から四兆円を超える大幅な減額を行い、経済再生と財政再建の両立を目指した予算となっております。

 本市におきましては、行財政改革の取り組みにより、市債残高の大幅な縮減や基金の増加など、一定の財政健全化が図られたことから、第二中学校の改築や給食センター建設などの大型事業に取り組んだところであります。しかしながら、今後見込まれる少子高齢化の進行に伴う社会保障関係経費や公共施設の耐震化及び老朽化対策経費の増大などを考慮すると、本市の財政状況は楽観できる状況にはないと考えております。

 平成二十七年度の当初予算につきましては、「入るを量りて出ずるを制す」を基本姿勢に歳入の積極的な確保に努め、歳入規模に見合った予算の編成を基本とし、真に必要な施策の取捨選択を行って編成したところであります。また、人口減少問題や地域の活性化などの喫緊の課題に取り組むため、「まち・ひと・しごと創生関連事業費」など、国の補正予算を活用し、二十六年度予算において一部事業を前倒しすることで、より有利となる財源の確保に努めたところであります。

 歳出におきましては、社会保障関係経費の自然増への対応、小中学校体育館の天井の耐震化等の投資的経費、企業立地促進に関する施策などを計上する一方、引き続き「規律ある行財政運営」に努めながら、市民生活に密着したサービスの堅持や、市民福祉の向上を図る諸施策についても、時機を逸することのないよう最大限配慮して編成しております。

○協働のまちづくりの推進について

 「自分たちの住むまちは自分たちで考え、自分たちで創り上げていくことが、まちづくりの原点である」との思いから、提唱しております「協働のまちづくり」でありますが、市民の皆様の間にも、協働のまちづくりの意識が広がり、今日では様々な場面で協働による取り組みが展開されるようになっております。行政、自治会、市民活動団体、事業者など、それぞれの特徴を生かしながら、地域の課題を解決していくための対等なパートナーとして、様々なかたちで連携、協力し合い、よりよいまちを創り上げていく、そのような市民参加による協働のまちづくりを、引き続き推進してまいりたいと考えております。

 また、これから始まる地方創生の取り組みにつきましても、総合戦略の策定を含め、市民参画によって進めてまいります。

○まちづくり総合プランについて

 「境港市まちづくり総合プラン」につきましては、平成二十二年度から平成二十六年度までの計画期間が、終了するところでありますが、基本理念をはじめ、市政運営の大きな方向性は、引き継いでいく考えであります。
 また、平成二十七年度は、国の新しい政策である地方創生に係る「総合戦略」や「美保飛行場周辺まちづくり」の基本計画などの策定を行うことから、「まちづくり総合プラン」につきましては、これら計画の策定後に、その内容を包含した計画として、平成二十八年度に策定したいと考えております。

二.経済の活性化と都市基盤整備

○中海・宍道湖・大山圏域の連携について

 中海・宍道湖・大山圏域市長会では、広域観光や環境保全、産業、若者の就業、婚活の支援など、圏域が一体的に発展していくために、構成各市が有する特徴的な資源や優位性を生かしながら連携した取り組みを進めてまいりました。平成二十七年度は、新たに圏域の観光情報を一冊にまとめた多言語対応型のパンフレットの作成や、中海・宍道湖がラムサール条約湿地に登録されてから十年を迎えることから、鳥取・島根両県や関係団体と連携した、記念事業を実施することとしております。
 また、圏域の発展には、経済団体と共に取り組んでいくことが重要であることから、インバウンド対策などについて、中海・宍道湖・大山圏域ブロック経済協議会と協議を重ねていくこととしております。今後も圏域としての取り組みを積極的に展開し、活性化を図ってまいりたいと考えております。

○環日本海交流の推進について

 平成二十一年に開設された環日本海国際フェリー航路は、当圏域の発展に欠かすことのできない極めて重要な「海の道」であり、これまで鳥取県や中海・宍道湖・大山圏域市長会と協調して、運航支援を続けてまいりました。この間、定期・定時運航が続けられ、三万二千トンの貨物と延べ十三万人を超える旅客が境港・東海間を往来し、観光や経済活動を支える重要なインフラとして、この圏域に大きな経済効果をもたらしております。 また、二〇一八年の平昌オリンピック時の輸送手段や中国東北部とも連結した航路として、今後の発展性も見込めることから、航路を維持していく必要があるものと認識しております。
 しかしながら、韓国の旅客船沈没事故の影響や急激なルーブル安に伴うロシア経済の低迷など、航路を取り巻く環境は依然厳しいことから、航路の定着、安定化に向けて、県と市長会の負担割合を見直したうえで、当面一年間の支援を継続してまいりたいと考えております。

 
 また、本市での開催が決定している第二十一回環日本海拠点都市会議につきましては、本年八月、中国・韓国・ロシアの各都市の代表をお招きし、圏域の一体的発展について意見交換を行い、交流と連携の強化を図ることとしています。
 「米子―ソウル便」につきましては、山陰国際観光協議会を中心に取り組んだアシアナファンクラブの会員拡大などの利用促進対策により搭乗率が増加しております。引き続き、各種支援制度や旅行商品のPRに努め、山陰地方唯一の国際定期航空路線の安定運航に向け、関係機関とさらなる連携を図り、支援を行ってまいります。

○観光振興について

 昨年は、水木しげるロード開設以来の観光入込客数が二千五百万人を突破し、年間の観光入込客数も二百三十一万人余と五年連続で二百万人を達成いたしました。また、水木しげる記念館も平成十五年の開館以来、入館者数が三百万人を突破するなど、官民一体となったおもてなしの成果であると考えております。
 JR境港駅前のホテル開業にあわせ、夜の水木しげるロードの魅力向上のため、「河童の泉」や「水木しげる記念館前庭」での夜間における音と光の演出を充実するほか、夜の観光案内マップの作成や夜間イベントの開催など、「滞在型観光地」へ向け、関係団体と連携して取り組んでまいります。

 本年すでに、境港にはクルーズ客船の寄港が二十回以上予定されております。オプショナルツアーに参加されない乗客及び乗務員の二次交通の手段としてシャトルバスを運行するほか、間もなく運用を開始する水木しげるロード一帯をエリアとした無料公衆無線LANサービスの提供、水木しげる記念館における外国語表記の充実や音声ガイドの利便性向上、さらには、夢みなとタワー内の「みなとまち商店街」での免税店コーナー設置など、さらなるおもてなしの向上を図ってまいります。

 また、米子鬼太郎空港の国内線就航地である東京、神戸、沖縄や今月、全線開通する中国横断自動車道尾道松江線で結ばれる広島、四国圏域へ「さかなと鬼太郎のまち境港」のPRを積極的に進めていくほか、中海・宍道湖・大山圏域一体となったおもてなしや情報発信にも引き続き取り組んでまいります。

○水産業の振興について

 境漁港における平成二十六年の水揚量は、十一万五千トン余と、前年比約十五%減で全国第六位、水揚金額につきましては、前年比約八%増の百九十二億円余で全国第八位でありました。
 本市の基幹産業である水産業を取り巻く環境は、水産資源の減少や漁業就業者の減少、高齢化など、依然として厳しい状況が続いている中、「特定漁港漁場整備事業計画」が、昨年十月末に国から公表されました。より安全・安心な水産物の提供を行うために、今後、この計画に沿って、まき網漁業、かにかご漁業、底びき網漁業等の漁業種ごとに陸揚エリアを設定した高度衛生管理型荷さばき所の整備や岸壁の耐震化などの流通基盤整備事業に鳥取県と連携して取り組んでまいります。

 また、漁業就業者育成支援対策につきましては、漁船乗組員や養殖業従業員を新たに雇用し研修事業を行う企業等への助成を引き続き実施してまいります。

 魚食普及の取り組みとしては、園児たちが境漁港の見学を行う「おさかな探検事業」や、実際に魚を捌く「フィッシュ・キッチン事業」など、魚に直接触れる体験を通じ、魚に親しむ食育事業を継続するほか、給食センターの稼働にあわせ、これまで以上に地元水産物を給食メニューに取り入れていきたいと考えております。

 境港水産加工汚水処理場改築事業につきましては、概ね管渠工事が終了し、平成二十七年度は工事の最終年度として、汚泥脱水機・乾燥機等の設備機器の更新を実施することとしております。

〇農業、商工業の振興と雇用の創出について

 都会から本市への移住を促進するため、国の制度を活用し、「地域おこし協力隊員」の募集を行ったところであります。平成二十七年度は、三人を予定しており、主に伯州綿産業化支援事業に係わりながら、将来、本市で定住していただくことを目指してまいります。伯州綿産業化支援事業は、地域おこし協力隊員のほか栽培サポーターも合わせて、二ヘクタールの栽培を行うこととしております。販売につきましては、従来からのインターネットや「まちなかアスパル」での加工品販売のほか、綿そのものの販売にも努めていく考えであります。江戸時代から受け継がれてきた伯州綿は、全国的にも貴重なものであり、伝統的地域資源としてその活用を図りながら次の世代に継承してまいります。

 農業の振興につきましては、引き続き、鳥取県等と連携しながら農地集積や生産拡大、経営の改善を目指す農家を支援するとともに、都会で暮らしながらも農業に関心のある方に対して、本市農業の特長や就農支援策のPRを行い、新規就農を促してまいります。

 企業誘致につきましては、着実に整備が進む港湾・空港などの社会基盤を積極的にPRし、今後も鳥取県をはじめ関係機関との連携のもと取り組んでまいります。

 創業支援につきましては、昨年設置した相談窓口のほか、新たに地方創生交付金を活用して初期投資の負担軽減を図るなど、
積極的に支援してまいります。

○水木しげるロードリニューアル事業について

 水木しげるロードリニューアル事業につきましては、今月中に取りまとめる「水木しげるロードリニューアル基本計画・基本設計」に基づき、道路の詳細設計及び付随する照明計画等に着手いたします。
 
 また、沿道の修景につきましては、引き続き、地元商店街や水木しげるロード振興会をはじめとする関係者の皆様とともに、街並みに関する一定のルールづくりなどに取り組んでまいりたいと考えております。

○中海護岸整備及び内浜地区内水対策事業について

 国土交通省において整備が進められている渡漁港の移設工事につきましては、漁港北側と南側の護岸工事が概ね完了し、現在、中央部の護岸工事の準備が進められており、平成二十七年度中の供用開始が予定されております。 
 また、この事業にあわせて本市が実施しております渡漁港周辺整備につきましては、災害時の避難用道路ともなる市道渡八十四号線の道路整備や、内水排除対策としての樋門改修と排水路改修を行うこととしております。

 さらに、これまでに、高潮や豪雨による浸水被害が発生している、内浜地区における内水排除対策として、西工業団地の主要排水路に樋門を設置するとともに、エリア全体の排水路整備計画を策定し、今後年次ごとに改修してまいります。

○港湾整備について

 
 これまで周辺自治体や経済団体等とともに、国に働きかけてまいりました竹内南地区の貨客船ターミナル整備事業につきましては、現在、国において、平成二十七年度予算の配分作業が進められており、新規に事業採択されることを期待しております。

 また、中野地区国際物流ターミナル整備事業につきましては、平成二十八年度の完成を目標に、今後、背後地の埋立てやふ頭用地の造成工事が進められることとなっており、早期の供用開始に向け、国や関係機関への働きかけを続けてまいりたいと考えております。

 境港管理組合では、境港と新潟港、苫小牧港を結ぶRORO船による試験輸送がこれまで四回実施されたところであります。今後は試験輸送の結果を踏まえ、国土交通省や境港管理組合が中心となり、定期航路開設に向けての、課題などについて話し合う官民合同の協議会の設立が計画されております。定期航路の開設には貨物確保が最も重要であり、利用可能な企業へのPRや、新たな荷主の開拓など、国や境港管理組合とともに取り組んでまいりたいと考えております。

○地籍調査事業について

 地籍調査事業につきましては、平成二十七年度に、幸神町全域と隣接する新屋町の一部、計〇.二七平方キロメートルに着手いたします。国の第六次国土調査十箇年計画に対応する、本市における向こう五年間の調査計画といたしましては、津波による浸水予測箇所や狭あい道路の状況など防災の観点から、外浜地区を中心に、約二.四平方キロメートルの調査を進めていくこととしております。
 また、地籍調査事業のより円滑で効率的な推進を図るために、地籍調査に先行して道路など官民境界の現況等を測量する、国土交通省の「都市部官民境界基本調査」を活用することとしており、市域の約七割を占める宅地において順次実施されるよう、国土交通省に要望をしているところであり、国の制度等を最大限に活用しながら、本市の地籍調査を進めてまいります。

○道路・橋りょう等の整備について

 
 安全・安心な道路環境を確保するため、利用頻度が高く、損傷が著しい主要幹線道路の改修や通学路の安全対策、街路灯など道路の安全施設の整備等を、順次計画的に行っていくこととしております。
 主要道路の改修といたしましては、国道四三一号線北端に続く四車線の市道境百二十九号線、境港総合技術高校西側の市道中野高松線などの舗装改修を行うとともに、大型の道路附属物や橋りょうでは、境小学校前の横断歩道橋の長寿命化のための改修工事、済生会病院北側の米川に架かる済生橋改修のための実施設計などを行います。
 

 通学路の安全対策につきましては、学校、警察との合同安全点検等を踏まえ、主に中浜小学校東側道路の路側帯のカラー舗装や渡小学校前のガードパイプ改修などを行います。
 

 街路灯と防犯灯の整備につきましては、平成二十六年度に市が管理する全ての街路灯、防犯灯をLED照明へ切り替えたところであり、今後は、道路交差点照明等の大型照明施設のLED化に着手いたします。

 また、狭あい道路対策につきましては、拡幅のために必要となる用地の提供や補償費についての方針を定め、土地所有者や自治会等のご理解とご協力をいただきながら、鋭意取り組んでまいります。

○夕日ヶ丘団地の市街化促進について

 夕日ヶ丘団地の分譲につきましては、定期借地権制度による契約が、子育て世代を中心に本年一月末現在で累計百三十九件成立しており、販売による分譲も含め、市および土地開発公社の分譲地で累計二百九十六件の契約が成立しております。民有地には集合住宅を含め百件近い住宅が建築されており、団地全体では、約五百三十世帯、千六百人余の方が暮らし、市街地の形成が進んでおります。
 分譲当初から取り組んでまいりました商業施設の誘致につきましては、福岡市に本社を置く、株式会社トライアルカンパニーと
本年二月に事業用定期借地権設定の覚書を締結し、進出が決定したところです。十月頃から店舗工事に着手され、食品・家庭用品・衣料品等を取り扱う二十四時間営業の郊外型総合販売店として、平成二十八年二月の開店を予定されております。今後の夕日ヶ丘団地の分譲にも弾みがつくものと期待しており、定期借地契約のさらなる促進に努めてまいります。

 また、夕日ヶ丘団地の中海沿いにおける親水護岸整備を柱とした「夕日ヶ丘中海かわまちづくり計画」の策定につきましては、今月末に策定作業を終え、国への提出・登録を経て、計画に基づくまちづくりを展開し、新たな賑わいの創出と魅力向上に取り組んでまいります。

○空家対策について

 適正な管理がなされず、市民の生活環境に深刻な影響を及ぼす空家については、昨年七月に施行した「境港市空家の適正管理に関する条例」に基づき、所有者等に必要な措置を講じるよう助言するなど、危険な状況の解消に向けた取り組みを進めているところであります。

 これまでの調査で外観上問題があるとされた建物のうち、特に危険と思われる建物の詳細な調査を行い、三十七棟が条例に規定する「特定空家」に該当いたしました。これらの建物について、所有者が特定できたものから、面談や文書送付などの改善を促す交渉を重ね、これまでに三棟が解体されたところであります。残る特定空家についても、引き続き、改善を促す交渉などを行い、空家対策の推進に取り組んでまいります。

○公共下水道事業について

 平成二十七年度の公共下水道整備につきましては、JR境線周辺の馬場崎町、蓮池町や上道町、中野町などで汚水管渠の面整備を行うこととしており、これにより現行の事業計画区域内は予定より一年前倒しで整備がほぼ完了し、平成二十七年度末の下水道普及率は約六十四%を見込んでおります。

 また、渡方面に向かう境港二号汚水幹線は、JA鳥取西部境港支所前から渡緑地までの間において整備を行い、渡中継ポンプ場については、暫定施設としてマンホールポンプの設置を行います。
 平成三十三年度までの事業計画区域につきましては、平成二十七度早々に渡地区全域と市道外港外江線以南の外江地区の一部、並びに米川町など約二百五ヘクタールの拡大を行う予定であり、平成二十八年度における渡地区での面整備着工を目指して、汚水管渠の実施設計などにも着手いたします。

 下水道センター整備につきましては、水処理施設の増設工事が本年十二月頃に完成する予定であり、加えて既存の水処理設備や主ポンプ設備の長寿命化を図るための改築工事にも着手いたします。

○防災対策について

 市民の安全・安心の確保は、最優先課題として取り組んでまいります。
 平成二十七年度は鳥取県西部地震から十五年の節目にあたることから、市民の防災意識の高揚を図るとともに、防災対策の実効性を確認するために、鳥取県西部地域で開催される「鳥取県防災フェスタ」にあわせて、本市でも市民参加型のシェイクアウト訓練と津波避難訓練を実施いたします。

 また、島根原子力発電所の事故を想定した原子力防災訓練を実施するほか、広域住民避難計画の説明会を引き続き自主防災組織や各種団体などを対象に開催したいと考えております。

 「災害に強いまちづくり」をコンセプトとして、防災施設の充実・強化、自衛隊員とのさらなる交流の促進を目的に、防衛省の補助を受けて取り組んでおります「美保飛行場周辺まちづくり構想策定支援事業」につきましては、今月中に構想を取りまとめ、この構想をもとに「市民会館周辺エリア」と「竜ヶ山公園周辺エリア」の二つのエリアについて、基本計画を策定してまいります。

 その他、避難所案内看板の改修や自主防災組織の育成強化にも引き続き取り組んでまいります。

○環境政策について

 ごみの処理におきましては、平成二十八年度から米子市に処理委託することとしている可燃ごみについて、昨年十一月から実施している軟質プラスチック類の分別収集をはじめ、古紙類の分別の徹底、生ごみのグループ収集の拡大などにより、さらなる減量化を促進してまいります。

 再生可能エネルギーの利用につきましては、鳥取県企業局において進められていた「竹内西緑地太陽光発電施設」が三月二日に完成し、平成二十七年度にはさらに、旧境水産高校跡地での整備が計画されております。また、民間事業者においても、西工業団地で、間伐材などの木材チップを燃料とする「木質バイオマス発電施設」が二月十六日に稼働したところであります。本市としても、家庭用太陽光発電システムや家庭用太陽熱温水器等の導入に対する支援を引き続き行い、再生可能エネルギーの利用促進を図ってまいります。

 側溝清掃におきましては、泥の堆積が多いなどで地元住民では対応が困難な箇所を市で清掃する地区別側溝清掃を、平成二十七年度は境地区・上道地区で集中的に実施し、排水不良等の解消を図ってまいります。

三.市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実

○学校教育の充実について

 四月に施行される「新教育委員会制度」では、教育の中立性や継続性を尊重しながら教育委員会と連携強化を図ってまいります。
新たに総合教育会議を招集し、大綱の策定を行うとともに、責任の明確化と危機管理体制の構築を行ってまいります。

 学校教育におきましては、「学力向上」と「いじめ・不登校対策」について、引き続き重点的に取り組んでまいります。全国学力学習状況調査結果の分析検討を行うとともに、標準学力検査(CRT)の実施や心理検査(ハイパーQU)を活用した細やかな手立てを行い、子どもたちの健全な育成に努めてまいります。

 魅力ある学校環境づくりのために、新たに学校活動用バスを導入し、社会科見学やスクールバスへの活用、各種大会への参加など、学びの機会の拡充を図るとともに保護者の負担軽減を図ってまいります。また、新たに特別支援コーディネーターを教育委員会に配置し、特別な支援を必要とする子どもやその保護者に対して、就学の支援や発達の相談を行い、子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。

 そのほか、総合的な放課後対策の一環として、新たに誠道児童クラブにおいて四年生から六年生までの受け入れを開始し、順次拡大を図ってまいります。

 施設整備につきましては、給食センターの建設も順調に進み、今後、各小学校の配膳室の改修工事にとりかかるなど、平成二十七年度二学期の稼働に向けて鋭意準備を進めております。また、各小中学校体育館と武道場の天井や照明器具などの落下防止対策工事、小学校二校の体育館の床の改修工事を予定しております。

○社会教育について

 
 生涯学習の推進として、公民館は「集い、ふれあい、まなびあい」のスローガンのもと、ホームページや公民館報等を活用した積極的な情報発信を行いながら、地域活動の拠点として活気あふれ、愛される公民館づくりに努めてまいります。
 
 市民図書館につきましては、四月から、開館時間を三十分早め九時三十分とし、平日の閉館時間につきましても三十分延長し、十八時三十分とすることといたしました。
 また、従来毎週月曜日としていた休館日を月一回、第二木曜日とし、利便性の向上を図ったところであります。

 文化の振興につきましては、自主的な活動を支援するとともに、市民が気軽に芸術・文化に親しめる機会の提供に努めてまいります。なお、平成二十七年度は、本市出身のオペラ歌手、小鉄(こてつ)和広(かずひろ)氏によるコンサートを計画しており、シンフォニー少年少女合唱団との競演などにより、親しみのある温かいコンサートにしたいと考えております。

 また、戦後七十周年を迎え、戦争体験の記憶が薄れつつある今、戦争の悲惨さから平和の尊さを再認識するためにも、企画展覧会と体験談を語っていただく講演会を開催いたします。

 市民体育館につきましては、耐震診断の結果を受けて、二月一日から第二体育館を除き使用停止としており、利用者の皆様には大変ご不便をおかけしております。今後は、地区体育館や小中学校の施設などを活用いただき、市民の健康づくりが損なわれることのないよう、境港市体育協会をはじめとする関係団体の皆様にご理解とご協力いただく一方で、平成二十七年度予算において、
耐震補強工事の実施設計費を計上したところであります。一刻も早い使用再開に向け鋭意努力してまいります。

 その他、施設整備につきましては、上道公民館の改修工事や余子公民館および渡公民館集会室の実施設計を行うほか、スポーツ広場の芝生化、市民温水プール空調機器改修工事など、安全・安心な施設整備を進めてまいります。

○子育て支援の充実について

 平成二十七年度からは、子どもや子育てを取り巻く様々な課題に対応するために「子ども・子育て支援新制度」がスタートいたしますが、これに伴い本市でも平成二十七年度から五年間を計画期間とする「境港市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に進めてまいります。

 また、「境港市児童発達相談センター(陽なた)」で事業を展開しておりました、就学前の児童の発達相談や支援につきましては、三月末をもって同センターでの事業は終え、今後は、市内に開設される児童発達支援事業所をはじめ関係機関と連携を図りながら、引き続き、子ども達の発達相談などのサポートを行ってまいりたいと考えております。今後も、拡充してきた保育サービスをいっそう充実させ、子育て拠点施設での親子支援や乳幼児健診から療育支援へとつなぐ母子保健などの諸事業と合わせ引き続き充実を図ってまいります。

○障がい者福祉の充実について

 昨年、全国障がい者芸術・文化祭とっとり大会の関連事業として、障がいのある方の作品展を中心とした、「さかいみなとアートフェスタ『ほっとはあと』」を開催いたしました。このイベントを通して、障がいのある方の作品製作意欲も高まり、より社会参加の促進につながるとともに、市民の障がいへの理解と認識を深めることができたものと実感しております。
 今後は、展示数を増やすなど、より多くの方に参加していただけるイベントとして定着するよう努めてまいります。

○生活困窮者への支援について

 全国的に、生活保護受給者が過去最高となるなど、経済的困窮または社会的孤立の状態にある方々が増加している中、本年四月から、新たに「生活困窮者自立支援法」による支援制度がスタートいたします。この制度は、生活困窮者が抱える多様な課題についての包括的な相談窓口を設置し、就労に向けた支援や住宅の確保などの支援を行うことで、生活保護に至る前の段階での自立促進を図るものであります。

 本市での事業実施といたしましては、福祉課に相談支援員を配置し、生活保護のケースワーカーや就労支援員と十分連携を図りながら、一体的に相談援助を行ってまいります。

○高齢者福祉の充実について

 高齢者が住み慣れた地域で、地域の一員として社会参加をしながらいきいきと暮らし続けることができるよう、医療、介護、介護予防、生活支援の各種サービスが切れ目なく一体的に提供される地域包括ケア体制の構築に向けた初期の計画である、「第六期境港市高齢者福祉計画・介護保険事業計画案」が、二月の策定委員会において了承されたところであります。平成二十七年度からの三年間を事業期間とするこの計画に盛り込まれている、介護予防事業の拡充、医療や介護等の連携による在宅医療の推進、地域包括支援センターの機能強化などに取り組みながら、今後の介護サービス基盤の整備、充実を図ることとしております。

 あわせて、この計画の中で、今後三年間の介護給付費等の見込みをもとに、介護保険料の設定を行っておりますが、介護サービス受給者数の増加が見込まれることなどにより、六十五歳以上である第一号被保険者の平成二十七年度からの年額基準額は、現在の七万一千七百円から七万四千七百円と三千円の引き上げとなります。市民の皆様には、負担増となりますが、制度を健全に維持していく上で必要不可欠なものとして、何とぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。

○市民の健康

 
 がん検診につきましては、受診率の向上を重点課題として、検診を受けやすい環境づくりに取り組んでまいりましたが、平成二十七年度は、新たに肺がん検診に個別検診の導入を予定しております。
 また、鳥取大学医学部附属病院や境港医師協会と連携した講演会の実施のほか、健康づくり地区推進員や平成二十六年度から立ち上げた「検診すすめ隊」を中心に、地域に根ざした健康づくり活動を展開し、がん検診の継続的な受診や生活習慣病の予防活動の定着を図ってまいります。

 自死予防対策につきましては、これまでの予防活動に加え、保健・福祉・教育分野の関係機関が連携して取り組んでいる「いのちとこころのプロジェクト事業」のなかで、思春期からの予防に力点を置いた幅広い啓発に努めてまいります。


 以上、本市を取り巻く状況並びに平成二十七年度に臨む市政運営の基本的な考え方について、その概要を申し述べました。
 
具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。