トップページ > 市長の部屋 > 市議会での表明 > 施政方針要旨(平成26年3月5日)

施政方針要旨(平成26年3月5日)

 今期定例市議会において、平成二十六年度予算案をはじめとする諸議案をご審議願うにあたり、所信の一端を述べるとともに、主要課題等について基本的な考え方を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願いするものであります。 

 議員各位におかれましては、このたびの市議会議員一般選挙において、めでたく当選を果たされましたことに対し、お慶びを申し上げます。
 これからも皆様と一緒になって、境港市勢の伸展と市民福祉の向上に、誠心誠意取り組んでまいりたいと存じます。

 圏域の自治体が強く連携し、それぞれの特性・優位性を最大限に生かしながら一つのまちのように機能し合い、圏域全体の活力を生み出すことで、一体的な発展を図る。私は、この考えのもと「連携と共栄」を市政運営の柱に掲げ取り組んでまいりました。
 「境港中野地区国際物流ターミナル整備事業」の本格的な事業着手や竹内南地区の貨客船ターミナル整備に向けての「先導的官民連携支援事業」採択、また「米子鬼太郎空港」における新規航空路線の就航など、圏域の共有財産である「海と空の港」の拠点機能の充実が着実に進展しつつあり、手応えを感じているところであります。
 本市が目指す、「北東アジアに向けた西日本のゲートウェイ」は、この「二つの港」の能力を生かしきることが不可欠であり、幅広い連携のもと一層の利活用促進に努め、圏域での役割をしっかりと果たしてまいります。
 そして、本市に上昇気流が吹いているこのときを逃すことなく、果断に施策を講じ、持続的な発展につなげていきたいと考えております。

 一方、市民の暮らしに根差した施策につきましては、市民の立場・視点に立って、これまで重点的に取り組んでまいりました子育て支援や高齢者福祉の充実、教育環境の整備、そのほか、市民の皆様が安全・安心に暮らしていただくための防災対策などの喫緊の課題にも適切に対応し、「市民福祉のさらなる向上」に努めてまいります。

 私の政治理念である「公明正大」な市政運営に徹し、人や物が寄り集まり活気にあふれ、誰もが心豊かに安心して暮らせるまち「環日本海オアシス都市」を市民の皆様が実感できるよう、引き続き全力を傾注してまいります。

一.規律ある行財政運営と協働の推進

○平成二十六年度当初予算案について

 本市の財政状況につきましては、人件費の削減など行政内部コストの徹底した抑制による行財政改革が、「市債残高の大幅な縮減」や「財政調整基金をはじめとする基金残高の増加」などの成果につながったことにより、一時の危機的な状況から脱し、これまで本市が目指した「自立・持続可能な財政基盤」が整備されつつあるものと考えております。

 一方、国に目を転じますと、国と地方の借金が一千兆円を超える財政状況の抜本的な改善を図るため、四月から実施される消費税率引き上げを柱とした「社会保障と税の一体改革」等に着手し、国家レベルでの財政健全化に踏み出したところであります。これらの国の制度改正による本市への影響について、十分に注視・検証しながら、引き続き「規律ある財政運営」に努めてまいります。

 平成二十六年度の当初予算編成につきましては、国の経済対策に対応し、一部事業を前倒しする平成二十五年度三月補正予算と一体化することで、より有利となる財源の確保に努めたところであります。また、引き続き、経常的経費及び継続する政策的経費の見直しに努めるとともに、市民生活に密着したサービスの堅持や喫緊の課題には時機を逸することのないよう最大限配慮して編成しております。

 さらに、平成二十四年度の国の緊急経済対策による交付金を積み立てた「地域活性化基金」を財源として、本市の重点施策であります「子育て支援」「教育」の分野や市民の生活環境の向上・充実を目的とする投資を行うなど、「魅力と活気あふれるまちづくり」「心豊かに、安心して暮らせるまちづくり」の実現に向けて、積極的な予算措置を行ったところであります。


○協働のまちづくりの推進について

 私は「自分たちの住むまちは自分たちで考え、自分たちで創り上げていく」ことが、まちづくりの原点であるとして、市民、市民活動団体、事業者などと行政が、役割と責任を担い、連携・協力しながらより良いまちを創り上げていく「協働のまちづくり」を提唱しております。
 現在、市民の皆様にもご理解をいただき、子どもたちへの読み聞かせ活動をはじめ、公園や広場の清掃活動、芝生化されたグラウンドの管理、ケヤキ並木の落ち葉の清掃活動など、まちづくりの様々な場面で取り組みが展開されております。
 多様化する市民ニーズに対応していくためには、行政、市民活動団体などが、それぞれの特性を生かし、連携・協力し合いながら地域課題を解決していくことが、これまで以上に重要になってくると考えており、引き続き、協働のまちづくりを推進してまいります。

二.経済の活性化と都市基盤整備

○中海・宍道湖・大山圏域の連携について

 中海・宍道湖・大山圏域市長会では、圏域が一体的に発展していくために、構成各市が有する特徴的な資源や優位性を生かした連携を推し進めております。
 平成二十六年度は、これまでの広域観光や産業支援の連携、環境保全や防災対策の連携などの取り組みに加え、新たに若者の就業支援などを行うこととしております。
 また、圏域の発展には、行政間にとどまらず経済団体と協力関係を築き、ともに取り組んでいくことが重要であることから、引き続き、課題や連携のあり方などについて、中海・宍道湖・大山圏域ブロック経済協議会と議論を重ねていくこととしております。
 今後も連携した取り組みを広げるとともに、協力関係を強化していくことにより、圏域のさらなる発展につなげてまいりたいと考えております。


○環日本海交流の推進について

 世界的に景気が低迷する厳しい状況の中、運航会社の英断により開設された環日本海国際フェリー航路は、当圏域の発展に欠かすことのできない極めて重要な「海の道」であることから、本市は寄港地として、鳥取県や「中海・宍道湖・大山圏域市長会」と協調し、五年間、運航の初動支援を行ってまいりました。
 その成果として、開設以来定期運航が続けられ、二万七千トン余の貨物と延べ十二万人を超える旅客が境港・東海間を往来し、この圏域と対岸諸国とを結ぶ物流、観光のインフラとしての地歩を着実に固めつつあります。
 また、懸案でありました日韓間の貨物の取り扱いも、新たな物流ルートの開拓が進むなど、今後の利用増加が期待されています。
 しかしながら、最近では我が国と環日本海諸国との外交問題や競合航路の開設など新たな問題が生じ、航路を取り巻く環境は依然厳しく、運航会社の自立的な運航は不透明な状況であります。
 本航路は開設以来、企業の国際物流競争力の向上や外国人観光客の誘致など、大きな経済効果をもたらしており、当圏域に不可欠な共有の財産であることから、航路の定着・安定化に向けて、鳥取県や「中海・宍道湖・大山圏域市長会」と協調し、支援額を減額したうえで当面一年間の支援を継続してまいりたいと考えております。 
 その他、環日本海諸国で行われるスポーツ・文化交流に市民団体等が参加する際の渡航費用などへの助成や、ウラジオストク市において大学生を対象に開催される「国際青少年フェスティバル」への派遣など、引き続き市民交流の促進に取り組んでまいります。
 「米子―ソウル便」につきましては、平成十三年就航以来の日本人搭乗者が昨年九月に二十五万人を達成しました。一方で、山陰国際観光協議会を中心に様々な利用拡大対策を継続して行っているところでありますが、昨年四月から本年一月までの搭乗率は、外交問題や円安などの影響により、四十七・三%と、前年度に比べ、五・六ポイント減少し、非常に厳しい状況となっております。
 本年は鳥取県と韓国江原道が友好提携二十周年を迎えることから、交流事業も多く計画されており、山陰地方唯一の国際定期航空路線の安定運航に向け、関係機関とさらなる連携を図り、支援を行ってまいります。

○観光振興について

 
 昨年、誕生二十周年を迎えた水木しげるロードは、様々な記念イベントを実施したこともあり、前年を上回る二百八十三万人の観光客をお迎えし、大いに賑わいました。 
 平成二十七年春には、JR境港駅前にホテルが開業する予定であり、「夜の水木しげるロードの仕掛け」をはじめ、「滞在型観光」の充実を図るため、夜の観光案内マップの作成や夜間イベントの検討など、関係団体と連携して取り組んでまいります。

 本年、境港にはクルーズ客船の寄港が昨年の十七回を上回る二十回以上予定されております。昨年に引き続き、オプショナルツアーに参加されないお客様の二次交通手段であるシャトルバスを運行するとともに、民間・行政の関係団体で組織する「境港クルーズ客船環境づくり会議」を中心に、公衆無線LANの整備、各店舗における外国語表記の推進、語学研修の充実など、外国人観光客へのさらなるおもてなしの向上を図ってまいります。

 スカイマーク株式会社が来月新規路線を開設される予定であります北海道と沖縄、来年度、中国横断自動車道尾道松江線の全線開通を控えた広島、四国圏域との相互連携を図りながら「さかなと鬼太郎のまち境港」のPRを積極的に進めてまいります。
 また、「中海・宍道湖・大山圏域市長会」や昨年世界ジオパークに認定された隠岐諸島、松江市と構成する「松江・境港・隠岐観光振興協議会」などの関係団体とともに、圏域一体となった観光PR、情報発信などに引き続き取り組んでまいります。


○水産業の振興について

 全国主要漁港の取扱高速報値によりますと、境漁港における平成二十五年の水揚量は、イワシ類の増加により十三万六千トン余と、前年比約十九%増で全国第三位、水揚金額につきましても、アジや夏場のマグロ漁が好調に推移し、百七十八億円余、前年比約十%増で全国第八位となり、水揚量、金額ともに前年を大きく上回りました。しかしながら、本市の基幹産業である水産業を取り巻く環境は、燃油価格の高騰、魚価の低迷、漁業の担い手の減少や高齢化など、依然として厳しい状況が続いております。
 このような中、安全で安心な水産物の安定的な供給に向けて、水産物の高度な衛生管理を実現するための基本的な考え方と講ずる措置等を示す「高度衛生管理基本計画」の策定が国により進められております。市としましても、漁港機能の強化による、供給体制の整備拡充にできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。
 漁業就業者育成支援対策につきましては、漁船乗組員や養殖業従業員を新たに雇用し研修事業を行う企業等への助成を引き続き実施してまいります。
 水産加工品のブランド発信対策につきましては、「みんなで選ぶ境港の水産加工大賞」で入賞した商品の魅力を全国に情報発信するとともに、販路開拓等を支援するため、県外で開催する鳥取県フェアへの出展経費を助成するなど、産地としての知名度向上を目指して取り組んでまいります。
 また、子育て支援と連携した魚食普及の取り組みにつきましては、園児たちが境漁港の見学を行う「おさかな探検事業」や、実際に魚を捌く「フィッシュ・キッチン事業」など、魚に直接触れる体験を通じ、魚に親しむ食育事業を引き続き進めてまいります。
 美保湾で「つくり育てる漁業」として取り組まれていたギンザケ養殖につきましては、二年間の実証試験を踏まえ、昨年末から本格的に事業がスタートしたほか、ヒラメの試験放流についても好結果が得られ、平成二十六年度から放流事業の再開が決定されたところであります。市としましても本格的にこれらの事業が軌道に乗るように引き続き支援してまいります。
 境港水産加工汚水処理場改築事業につきましては、平成二十七年度の完成に向け、平成二十六年度から処理施設及び管渠工事を本格的に実施することとしており、水産加工業の安定操業や地域の生活環境の保全を図ってまいります。

〇農業の振興について

 本市農業は、砂地を生かした特産白ネギ等の野菜作りが主であり、この野菜産地を維持していくために、引き続き、「弓浜農業未来づくりプロジェクト事業」等の諸事業を鳥取県などと連携しながら実施し、生産拡大や経営の改善を目指す農家を支援してまいります。
 農業への新規参入者や企業参入につきましても、就農条件整備事業等、諸事業の活用により、就農初期の負担軽減等、円滑な就農を促し、次代の農業の担い手育成を図ってまいります。
 また、平成二十六年度から各都道府県に「農地中間管理機構」が設置されますが、機構による農地集積事業、農地基盤整備事業を活用し、耕作放棄地の解消を図ってまいります。

 農業用水路につきましては、農家の高齢化により個人や地域で清掃が十分に行えないため、農地の十分な活用に至っていない箇所が多く見受けられます。農家による清掃を原則としながらも、困難な箇所については、市が年次的に清掃を行うこととし、平成二十六年度は、農家の皆様の意見を伺いながら計画を策定し、平成二十七年度からの実施に向け準備を進めてまいります。なお、緊急性がある箇所については、平成二十六年度に前倒しして実施します。

 境港市農業公社における「伯州綿」の栽培につきましては、栽培サポーターと連携を図り、一・五ヘクタールの作付けをすることとしております。
 新たにインターネットや大手百貨店での販売も計画しており、販路拡大による収入の確保を図ってまいりたいと考えております。
 また、昨年発足した「伯州綿連絡協議会」、「伯州綿ファンクラブ」と連携して伯州綿を素材としたワークショップ等を開催し、伯州綿が市民の皆様のより身近な存在となるよう努めてまいります。

○商工業の振興について

 内閣府が発表した二月の月例経済報告によりますと、我が国の景気は「緩やかに回復している」とのことですが、地方においては未だ十分な実感がありません。引き続き、国や鳥取県の金融施策と連携して、制度融資の充実に努め、市内企業の経営を支援してまいります。
 平成二十六年度は、小規模事業者が日本政策金融公庫の「小規模事業者経営改善資金融資」を活用する際に支払う利子の二分の一を補助し、経営改善を支援してまいります。
 企業誘致につきましては、「境港市企業立地の促進及び雇用の拡大に関する条例」を改正し、支援措置の要件を緩和することで、市内に進出する企業及び既存企業が行う設備投資に対して、これまで以上にきめ細かく支援してまいります。着実に整備が進む本市の物流・人流を支える港湾・空港などの社会基盤を積極的にPRし、今後も鳥取県などの関係機関と連携を取りながら、市内への企業誘致に取り組んでまいります。
 雇用対策につきましては、松江市が運営し新卒大学生に対して地元企業への就職を支援するウェブサイト「まつえ就職ナビ」に、本市も米子市、安来市とともに運営に加わり、中海圏域内での定住及びUターンの促進に結びつくように取り組んでまいります。
 その他、弓浜絣産地維持対策につきましては、第三次弓浜絣振興計画に基づき、鳥取県弓浜絣協同組合の商品開発や販路開拓を国や鳥取県とともに支援し、伝統的工芸品「弓浜絣」の伝承と産地の維持、発展に努めてまいります。


○水木しげるロードのリニューアルについて

 平成五年に「水木しげるロード」を開設して以来、本市を取り巻く環境も大きく変化しております。
 ロードの賑わいが続く今こそ「十年・二十年先を見据えた次の一手を打つべきとき」との考えから、水木しげるロード全体のリニューアルに取り組むこととしました。
 先月十九日に堀繁東京大学教授を委員長とし、境港商工会議所、境港市観光協会、水木しげるロード関係者などからなる「基本構想策定検討委員会」を立ち上げ、検討を進めているところです。
 また、市職員によるプロジェクトチームを組織し、検討委員会と並行して様々な角度から検討を進めております。
 この基本構想は本年度末を目標に取りまとめることとしており、基本構想をもとに平成二十六年度は基本計画を策定し、平成二十七年度以降のできるだけ早い時期に工事に着手できるよう取り組んでまいります。

○中海護岸整備について

 国土交通省が実施する中海護岸整備事業のうち、渡漁港につきましては、漁港北側の護岸工事がおおむね完了し、現在、平成二十七年度の完成を目指して南側の護岸工事が進められております。
 一方、工事が未着手でありました外江貯木場の護岸整備につきましては、先月入札が行われたところであり、今後、貯木場所有者との調整を行いながら、工事の進捗を図る方針であると伺っております。これにより本市の短期整備箇所はすべて工事に着手されることとなります。
 また、この事業にあわせて本市が取り組んでおります渡漁港周辺整備につきましては、防災避難用道路ともなる市道渡八十四号線の工事を本格化させるとともに、内水排除対策として、樋門改修と排水路改修を行うこととしております。
 今後も地元と十分に調整を図りながら、国や鳥取県と連携して取り組んでまいります。

○港湾整備について

 竹内南地区の貨客船ターミナル整備事業につきましては、国の先導的官民連携支援事業による「竹内南地区の貨客船ターミナルの機能と周辺の賑わいづくり方策を協議する委員会」による協議が先月終了し、最終計画が取りまとめられました。今後は、計画に盛り込まれた岸壁や背後の貨物ヤード等の整備を境港港湾計画に反映するため、境港地方港湾審議会等の諸手続きを経て、本年夏頃には変更される予定となっております。
 環日本海国際フェリーに加えクルーズ客船の寄港が相次ぎ、国内外の観光客が増加しております。これらの観光客をお迎えする専用の貨客船ターミナル整備は急務であり、引き続き、周辺自治体や経済団体等とともに新規事業採択に向けて国や関係機関に働きかけていくこととしております。

 国の直轄事業である「中野地区国際物流ターミナル整備事業」につきましては、平成二十八年度の完成を目標に、昨年十月から本格的に工事着手されたところであります。しかしながら、港湾利用企業からは一日も早い完成が切望されており、早期の供用開始に向け、予算の確保を国や関係機関に働きかけてまいります。

 境港管理組合では、境港と新潟港、苫小牧港を結ぶRORO船による試験輸送を、本年度に引き続き平成二十六年度も実施される計画であります。定期航路の開設には貨物確保が最も重要であり、利用企業へのPRや、新たな荷主への呼びかけなど、境港管理組合とともに取り組んでまいりたいと考えております。

○地籍調査事業について

 土地境界をめぐるトラブルの未然防止や災害復旧の迅速化などを目的に実施する地籍調査事業につきましては、東日本大震災において、実施済みの自治体で復旧・復興が迅速に進んでいることから、その重要性が再認識されております。
 本市では、平成二十五年四月、地籍調査準備室を設置し、平成二十七年度の事業着手に向けて準備を進めているところです。
 約二十九平方キロメートルとコンパクトな市域でありますが、地籍調査の事業期間は約四十年に及ぶものと考えており、平成二十六年度においては、長期的視点に立った基本計画と、国の第六次国土調査事業十箇年計画にあわせた、平成三十一年度までの実施計画を、国土交通省と協議しながら策定することとしております。
 また、地籍調査を円滑に進めるために国土交通省に要望していた都市部官民境界基本調査が、平成二十六年度から本市の約七割をしめる市街地・集落において、開始される予定となっており、今後も国の制度を最大限に活用しながら地籍調査事業を推進してまいります。

○道路・橋りょう等の整備について

 
 安全・安心な道路環境を確保するため、外浜線の舗装改修を行うほか、損傷が著しい道路から計画的に整備してまいります。また、中海干拓地へ通じる弓浜北橋の補修工事と未点検の橋りょうの点検を行います。
 通学路の安全対策として、学校、警察との合同安全点検等を踏まえ、路側帯のカラー舗装やガードパイプ改修などを行います。
 狭あい道路解消につきましては、「狭あい道路拡幅整備要綱」を基にモデル事業を実施することとしており、市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、取り組んでまいります。
 街路灯と防犯灯につきましては、平成二十二年度から通学路を中心に蛍光灯から長寿命で消費電力の少ないLED照明に順次切り替えてまいりましたが、地域活性化基金を活用し、残りのすべてをLED照明に切り替え、省エネルギー対策と維持管理費の削減を図ってまいります。

○夕日ヶ丘団地の市街化促進について

 夕日ヶ丘団地の分譲につきましては、子育て世代を中心に定期借地制度の利用が引き続き好調で、平成二十一年の導入以来一月末現在で百二十一件の契約が成立しており、夕日ヶ丘二丁目における市・土地開発公社の分譲中区画は、商談中を含めると、ほぼ分譲先が決まった状況となっております。夕日ヶ丘団地全体では、民有地にも九十件を越える住宅が建築されており、約五百世帯、千五百人余の方が暮らし、市街地の形成が着実に進んでおります。
 引き続き、テレビ、ラジオ、雑誌等によるPRなどを通じ、夕日ヶ丘団地の魅力と定期借地制度の周知に努めるとともに、商業・利便施設の誘致にも取り組み、分譲促進を図ってまいります。
 また、墓地を併設した公園の整備につきましては、公園全域と墓地の一部造成工事が間もなく完成し、スポーツ広場や親水公園と連なる新たな憩いの空間が誕生します。なお、墓地の供用は、七月から七百三十区画のうち五十区画程度を予定しております。
 今後は、夕日ヶ丘地区において、中海の水辺空間の利活用を推進するまちづくり計画を策定し、公園墓地西側につきましても周辺と同様に親水護岸が整備されるよう国に働きかけてまいります。


○公共下水道事業について

 平成二十六年度の下水道整備事業につきましては、境地区のJR境線周辺や上道町、中野町などで整備を進める予定としており、これにより、平成二十六年度末の下水道普及率は六十%を見込んでおります。
 第二中学校前の県道余子停車場線では、渡駐在所東側から鳥取西部農業協同組合境港支所までの間で境港二号汚水幹線の築造工事を行います。平成二十八年度までに幹線の整備を終え、その後、渡地区の整備を進める計画としております。
 下水道センターにつきましては、平成二十七年度の完成を目標に、引き続き水処理施設の増設工事を実施してまいります。
 また、現在の事業認可区域の整備が、おおむね平成二十八年度に完了することから、平成二十六年度に計画の変更に取り組む予定です。
 平成二十七年度以降の事業認可区域としましては、渡地区全域と市道外港外江線以南の外江地区の一部、及び米川東側の米川町など約二百五ヘクタールの拡大を行う考えであります。
 今後も、効率的な整備を行い、下水道の普及促進を図り、中海などの水質保全と快適な生活環境の確保に努めてまいります。

○防災対策について

 防災対策につきましては、東日本大震災を教訓とした災害対策に、引き続き取り組んでまいります。
 原子力災害対策においては、昨年十一月、中国電力は国に、島根原子力発電所二号機の新規制基準適合性確認申請をするにあたり、安全協定に基づく初めての事前報告を本市へ行いました。これに対して、本市では汚染水対策など七項目の意見を付して回答しました。
 中国電力は、十二月に申請を行い、現在審査を受けているところです。
 この問題は、先行地域、国の動向にも注視しながら、鳥取県、米子市と連携し対応してまいりたいと考えております。

 平成二十三年度から行っております、原子力防災訓練につきましては、住民避難訓練などを継続して行ってまいります。また、昨年策定した広域住民避難計画等につきましては、国の指針の改正、避難時間推計シミュレーション結果などを踏まえ見直しを行うこととしております。
 その他、遠隔地との情報伝達が可能なMCA無線の整備、さらに、NTT西日本と協力し小・中学校、公民館などへの災害時優先電話の設置、また、引き続き自主防災組織の育成強化、災害時要援護者対策等を行うこととしております。
 市民の安全・安心の確保は、最優先の課題として認識しており、今後も万全を期してまいります。

○環境政策について

 ごみ行政につきましては、平成二十八年度から実施する米子市への可燃ごみ処理委託に向けて、さらなる減量化に努めてまいります。
 現在、各地区のふれあいの家などにおいて、古紙類分別の徹底や生ごみの分別などについて、ご協力をお願いしているところですが、市民の皆様のご理解をいただくため、引き続き、きめ細かく説明会などを行ってまいります。
 さらに、米子市クリーンセンターに可燃ごみとして持ち込めない発泡スチロールや、現在可燃ごみとして取り扱っている廃プラスチック等について、分別方法などを検討してまいりたいと考えております。

 再生可能エネルギーを利用した発電事業につきましては、鳥取県が昨年のFAZ倉庫に続き、竹内西緑地で太陽光発電の取り組みを進めておられるほか、民間事業所におきましても、竹内団地、西工業団地、昭和町などで取り組まれております。
 その他、民間事業所が西工業団地において、間伐材などを加工した木材チップを燃料とする木質バイオマス発電事業に着手されております。
 今後も引き続き、家庭用太陽光発電システムの導入に対する補助を継続するとともに、家庭用太陽熱温水器の導入に対する補助にも新たに取り組むなど、再生可能エネルギーの利用促進を図ってまいります。


三.市民一人ひとりを大切にする教育と福祉の充実

○学校教育の充実について

 学校教育におきましては、「いじめ・不登校対策」と「学力向上」を義務教育の柱に据え、引き続き重点的に取り組んでまいります。

 いじめ・不登校対策につきましては、子どもの側に立ち、保護者や地域・関係諸機関と連携を図るスクールソーシャルワーカーを新たに一名配置し、家庭環境等の複雑な要因を背景とした諸問題の解決へ取り組んでまいります。

 学力向上につきましては、少人数学級の実施と各校への指導補助員の配置を継続し、きめ細かで個々のつまずきに寄り添った教育を実践してまいります。また、「地域の子どもは地域で育てる」との考えのもと、小中高の連携による学びの場の創出にも取り組んでまいります。

 施設整備につきましては、給食センターの建設と給食を受け入れる各校の配膳室の設計を実施し、平成二十七年度二学期の稼働に向け準備を進めてまいります。
 現在、旧校舎の解体を行っております第二中学校につきましては、テニスコートや駐車場などの整備を含む外構工事を行い、本年末には改築事業に伴う一連の工事が完了いたします。
 このほか、体育館と武道場の天井や照明器具などの落下防止対策に二箇年計画で取り組み安全性の向上を図るほか、教職員用のパソコンを更新し業務の効率化と情報管理のさらなる徹底に努めてまいります。

○社会教育について
 

 生涯学習の推進につきましては、各公民館が幅広い年齢層の皆様が気軽に集い、「世代を超えた交流」や「生きがいづくり」「地域づくり」の中心となるように、積極的に情報発信し、学習機会の提供及び充実に努めてまいります。
 また、平成十七年から開催している「境港市読書活動推進大会」が本年で十回目を迎えることから、市民図書館では読書活動のさらなる推進を目指し、赤ちゃんから大人まで読書の楽しさを知っていただけるように、大型絵本・大活字本などの蔵書の充実、利用者サービスの向上に努めてまいります。

 文化の振興につきましては、市民の自主的な活動を支援するとともに、芸術・文化に親しむ機会の提供や、地域の歴史を次世代に継承する活動などに引き続き努めてまいります。なお、文化ホール及び海とくらしの史料館が、いずれも開館二十周年を迎えることから、コンサート、写真展及び講演会などの記念事業を開催することとしております。

 文化・体育施設につきましては、「安全性の確保」や「利用者の利便性の向上」「生涯学習活動の活性化」を目的に、竜ヶ山球場・陸上競技場・市民温水プールなどの改修、中央テニスコートのオムニ化、文化ホールの調光設備の更新などを行い、施設の整備充実を図ってまいります。また、高齢者の「健康づくり」「生きがいづくり」「経済的負担の軽減」のために、一部施設の料金体系の見直しを図ることとしております。
 なお、市民会館につきましては、耐震診断の結果、昨年十二月十二日からホールの使用を停止しております。市民会館の今後の方向性については、市民の皆様のご意見や利用実態を踏まえ検討を進めてまいります。  
 公民館につきましては、年次的に施設の耐震改修等工事を実施しているところですが、平成二十六年度は、渡公民館の耐震診断、上道公民館と誠道公民館の実施設計を計画しております。

○子育て支援の充実について

 少子化が進む中、「子育てするなら境港市」を標榜し、保育料の引き下げや三歳未満児の入所枠拡大をはじめ、夕日ヶ丘への子育て世代の定住促進やチャイルドシートの購入費助成なども含め、子どもを産み育てやすい環境づくりに重点をおいて取り組んでまいりました。
 平成二十六年度においても、拡充してきた保育サービス、地域子育て支援センターでの親子支援、乳幼児健診から療育指導へとつなぐ母子保健など、引き続き充実を図ってまいります。

 保育所・幼稚園につきましては、三歳未満児の入園希望者の増加に応えるため、美哉幼稚園の認定こども園移行のための増築、栴檀保育園の園舎増築などの整備費に助成するほか、公立保育所の園舎の大規模改修を行い、安全・安心で良好な保育環境へと整備します。
 平成二十七年度から施行される子ども・子育て支援法での新たな保育所・幼稚園制度の開始に向けて、平成二十七年度から五年間を計画期間とする「境港市子ども・子育て支援事業計画」を策定することとしており、ニーズ調査の結果や利用者・関係者の意見を勘案しながら、就学前の子どもたちの保育・教育の提供体制の確保と実施時期などについて検討してまいります。

 また、先天性風しん症候群の予防のため、本年度風しんワクチン接種費の助成を実施したところですが、風しんの流行再燃に備えて、平成二十六年度は風しん抗体検査について国と県が助成することとなりましたので、抗体検査で抗体価が低かった人に対して、引き続きワクチン接種費の助成を行い、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに配慮してまいります。

○障がい者福祉の充実について

 障がい福祉施策につきましては、障害者総合支援法の制度改正に対応するとともに、平成二十六年度は障がい者のための施策に関して基本的な方針を示す、「境港市障害者計画」と、障害福祉サービス等の提供体制の確保に関して定める「第四期境港市障害福祉計画」を策定することとしています。
 また、重度の肢体不自由と知的障がいが重複する、「重度障がい児者」が在宅でも安心した生活を送ることができるように、鳥取県と連携し、生活介護や短期入所等を行う福祉サービス事業所に対し、新たに運営費の一部を助成して、重度障がい児者を受け入れる事業所の確保を進めることとしています。
 障がい者の就労支援に関しましては、障害者優先調達法に基づき、障がい者就労施設等が提供する物品やサービスについて市からの発注増加に努めるとともに、一般企業にも障がい者の雇用を働きかけるなど、働く障がい者等の工賃向上と雇用の場の確保に努めてまいります。
 また、障がいへの理解を深める「あいサポート運動」を通じて、「様々な障がいの特性」や「障がいのある人への必要な配慮」などの普及啓発を行い「誰もが暮らしやすい地域社会」の実現に向けて取り組んでまいります。

○高齢者福祉の充実について

 六十五歳以上の人の人口に占める割合を示す本市の高齢化率は二十八%を超え、他の多くの自治体と同様に高齢化が進んでおります。
 そのような中、高齢者が、いつまでも健康で自立した生活が送れるよう、地域での貴重な交流の場となっている「高齢者ふれあいの家事業」をはじめ、認知症予防対策や介護予防事業などを引き続き実施するほか、地域包括支援センターや地域などと連携しながら、相談体制の充実や見守り支えあい体制の構築に努めてまいります。

 また、平成二十六年度は、「第五期介護保険事業計画」の最終年度となりますので、事業計画策定委員会を設置し、平成二十七年度から三年間を事業期間とする「第六期介護保険事業計画」を策定することとしております。

 さらに、今後、後期高齢者人口の増大に伴い、医療や介護を必要とする高齢者や一人暮らしの高齢者が今以上に増加する将来を見据え、高齢者がたとえ介護等を要する状態となっても、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、医療をはじめ、介護、生活支援サービスなどが一体的に提供される「地域包括ケア体制」の整備に向け、昨年十二月に設立した「境港市包括ケア推進協議会」で、医療と介護の連携による在宅医療・介護の充実や、関係機関の連携による体系的な見守り体制の構築などについて検討してまいります。


○市民の健康づくりについて

 誰もが健康で安心して暮らすために、妊産婦と乳幼児の健診、成人や高齢者の各種健診の実施と健康教育や啓発活動などを通して、市民の健康づくりを推進します。

 がん検診につきましては、休日に複数のがん検診を同じ日に受診できる日数を増やすなど、検診を受けやすい環境を整えるとともに、市内事業所へのがん検診実施状況の聞き取り調査や周知を図るなど、早期発見の大切さについての啓発を強化し、受診率向上に取り組んでまいります。

 五大疾病の一つとされる精神疾患を抱える方は、本市にも多数おられます。これらのこころの病気を抱える方への支援や、自死(自殺)の予防・啓発など、引き続きこころの健康づくりにも取り組んでまいります。



 以上、本市を取り巻く状況並びに平成二十六年度に臨む市政運営の基本的考え方について、その概要を申し述べました。
 具体的な施策につきましては、予算案、その他の議案の提案理由で申し上げたいと存じますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。