トップページ > 市長の部屋 > 市議会での表明 > 市政概要報告要旨(平成23年12月7日)

市政概要報告要旨(平成23年12月7日)

平成二十三年十二月定例市議会にあたり、市政の概要について申し上げます。

平成二十三年度の財政見通しについて

歳入について申し上げます。
自主財源の根幹をなす市税収入では、個人市民税と固定資産税の低迷が続いているものの、法人市民税が好調に推移し、総額としては、概ね予算額に見合う収入を見込んでおります。
また、地方交付税については、年度末に交付額が決定する特別交付税は、東日本大震災などを考慮しますと、前年度決定額よりある程度の減額が予想されるところですが、普通交付税が当初予算額を約一億三千万円上回る三十三億八千万円余の決定額となったことから、予算額を下回るまでの落ち込みはないものと考えております。
これらのことから、いわゆる一般財源ベースでとらえますと、当初予算額に見合う額が確保できるものと見込んでおります。
一方、歳出につきましては、予定しております諸事業は、概ね順調に実施できるものと考えております。

平成二十四年度予算編成方針について

国の財政事情は、毎年度多額な赤字国債の発行に頼らざるを得ない状況に加え、東日本大震災の復旧・復興などへの対応により、本年度末には「国の借金」が一千兆円を超える見込みとなるなど、極めて深刻な状況にあります。
一方、地方においても、景気の低迷により税収の大幅な回復が見込めない中、社会保障関係経費などの増加により、財政構造の硬直化が一層進んでいる状況であります。
本市の財政状況を見ますと、平成十五年度から取り組んでいる徹底した行財政改革によって、一時期の危機的な状況から脱した感はありますが、市税収入は減少し、地方交付税などの依存財源の比率が年々増してきていることや夕日ヶ丘団地の開発に起因する多額の債務が残っていることなどを考慮しますと、未だ将来にわたって楽観できる状況ではありません。
このような状況の中、平成二十四年度につきましては、第二中学校の改築などの大型投資事業が集中することにより、大幅な財源不足が見込まれ、市債の借入れや基金の取り崩しに頼らざるを得ない厳しい予算編成となりますが、将来にわたって自立持続可能な財政基盤を確立するために策定した「中期財政計画」の財政運営方針を基本に、これまで以上に規律ある財政運営に心がけて編成していく考えであります。
ただし、市民生活に密着したサービスの堅持や喫緊課題への時機を逸することのない対応などについては、最大限配慮していく所存であります。

 環日本海国際フェリー航路について

十一月二十五日、DBSクルーズフェリー社の副社長が鳥取県を訪れ環日本海国際フェリー航路の運航継続に向けた強い意思表明とともに、来年六月に期限を迎える本航路への支援の継続要請がありました。
平成二十一年六月の就航以来、利用客は韓国人を中心に順調に推移し、貨物量も増加傾向にあることに加え、徹底的な経費削減を行ったことにより収支の改善が図られていること、新規貨物を取り込むために中国を視野に入れた事業計画を進めていること、また、親会社が新たな増資を決定したことなど、航路の安定化に向けた取り組みの説明を受けたところであります。
しかしながら、東日本大震災の影響や燃料費の高騰、競合する航路の運航再開等を勘案し、本航路の一層の安定化と定着化のため支援の継続を要請されたものであります。
この要請に対し、本航路はこの圏域の発展に欠かすことが出来ないインフラであるという認識の下、運航会社の経営状況等を十分見極めた上で、鳥取県や中海市長会をはじめ関係機関と協議を行い、前向きに検討してまいりたいと考えております。

中海圏域の連携について

本市と米子市、松江市、安来市の四市で構成する中海市長会では、港湾や空港といった社会基盤に加え、観光資源や豊かな自然環境など、圏域の特色や魅力を生かした四十六の連携事業に取り組んでいるところであります。
環日本海国際フェリーの運航支援や公的病院への支援、圏域情報の発信などに加え、本年度の新たな取り組みとして、環境にやさしい電気自動車の普及・啓発を進めるために、四市に電気自動車と急速充電器を導入し、平日は公用車として、土日祝日は観光客や市民の方へのレンタカーとして活用しております。このほか、昨年末から年始にかけての豪雪を教訓に、歩道用除雪機を購入することとし、本市には十一台が設置される予定となっております。
また、本市と安来市では、結婚支援事業として未婚の男女の親を対象にした「ゲゲゲのふるさとお見合い交流会」を八月と十一月に開催したところであります

観光振興について

「水木しげるロード」の観光入込客数は、十一月末現在で三百六万四千人と「ゲゲゲの女房ブーム」に沸いた昨年に引き続き、三百万人を突破しました。
また、この度、「第三回観光庁長官表彰」に、本市と境港市観光協会会長の桝田知身氏が選ばれ、十月三日には、観光庁で表彰式が行われました。これは、観光振興に功績のあった団体・個人に贈られるもので、テレビドラマ「ゲゲゲの女房」効果と相まって、本市を国内有数の観光地に成長・定着させた点が評価されたものであり、山陰両県では初の受賞とのことであります。
  
三月に策定した「境港市観光振興プラン」に沿って、十一月の「妖怪トーテムポール」の設置や、来年三月八日に予定している「水木しげる記念館」の全面リニューアルなど、着実に進めているところであり、今後とも関係者と連携して、更なる重点施策の実現化に向け、鋭意努力してまいりたいと考えております。

水産業について

境漁港における本年一月から十月末までの水揚量は十一万三千トン余で、一日に千トン以上水揚げされた「大漁日」は二十二回を数えました。
二月のスルメイカ、五月のマイワシに続き、十月にウルメイワシの豊漁もあり、前年同期と比べ百二十一%となっております。
また、水揚金額に関しましても、前年同期と比べ百二十九%の百五十六億二千五百万円余と好調に推移しております。
八月には、日本水産株式会社の本市への進出が決定し、今月から美保湾においてギンザケの養殖を試験的に始められると伺っております。来年四月から五月にかけて、約二百トンの生産を目標とされているところであり、本市の基幹産業である水産業に新たな活力が加わりました。
また、魚市場内には鳥取県によって魚体選別機(セレクター)が設置され、荷捌き処理時間の短縮による鮮度向上と販売先の拡大などが見込まれ、念願の魚価の向上に繋がるものと考えております。

農業について

九月に山陰地方を通過した台風十二号により、白ネギの倒伏など農作物が大きな被害を受け、生産者の方は修復作業と大雨後の病害対策などに追われました。
鳥取県は、農家の負担軽減のために防除に要した経費を助成することとしておりますが、本市としても白ネギと冬ニンジンについて、県の支援策に独自の助成を上乗せし、支援してまいりたいと考えております。

伯州綿の商品化について

財団法人境港市農業公社は、平成二十一年度から伯州綿の栽培に取り組んでおりますが、このたび商品化と販路開拓の取り組みが実り、伯州綿を使ったタオルなどの綿製品と茎から作った伯州和紙の販売が、東京の大手百貨店や通販会社のカタログ販売で始まりました。
 また、昨年収穫された伯州綿を使い、百歳を迎えられる方には「ひざ掛け」を、新たに誕生した赤ちゃんには「おくるみ」を贈呈いたしました。

商工業について

日本銀行松江支店によれば、山陰地方の景気は、「持ち直しの動きが鈍っている」とされ、鳥取県西部地区の雇用状況も、依然として一倍を大きく割り込む厳しい状況が続いています。
このような厳しい経済・雇用情勢ではありますが、十一月二十九日には、米子市にある株式会社エムコと進出協定を締結しました。西工業団地で、黒にんにく製品・コラーゲン製品の製造を行い、地元で数名の新規採用を予定されています。
今後も、企業誘致の取り組みを進め、地域経済の活性化・雇用拡大に繋げたいと考えております。

境港の港湾整備事業について

対岸諸国の経済成長を我が国に取り入れることや国際競争力強化などを目的に、国土交通省は日本海側拠点港の選定を進めておりましたが、十一月十一日に結果が公表され、境港は、「国際海上コンテナ輸送」、「背後観光地クルーズ」並びに「原木取扱い」の三機能の拠点港として選定されました。
この選定は、境港が北東アジアに向けた西日本のゲートウェイとして位置づけられたと考えており、圏域全体の発展に大きく役立つと期待しております。
今回、選定されなかった「国際フェリー・国際RORO船」などの機能につきましても今後の選定を目指し、関係機関とともに、引き続き条件整備に努めてまいりたいと考えております。
また、国土交通省が計画している「中野地区国際物流ターミナル整備事業」と「竹内南地区貨客船ターミナル整備事業」につきましては、この度の拠点港選定が事業実施に向けた力強い後押しとなるものと考えており、選定後直ちに、鳥取県知事や関係機関とともに国の直轄事業として実施していただくようお願いしてまいりました。

美保基地における次期輸送機への機種変更について

航空自衛隊美保基地における次期輸送機C2への機種変更につきましては、地元の意向並びに市議会の意見を勘案した上で、十月十一日に鳥取県知事に対し、同意することを伝えたところであります。
また、同意の条件として、昭和五十四年一月二十六日閣議了解された「美保飛行場周辺における生活環境の整備、地域振興等について」の趣旨を十分に尊重し、住民生活の安定、福祉の向上並びに地域発展のために、「航空機の安全運航」と「周辺環境整備」への配慮を強く要望したところであります。
なお、十月十九日には、米子市も同意の回答をされ、これを受けて鳥取県知事は十一月二日に中国四国防衛局長に対し、両市の条件を含む五つの条件を付した上で同意する旨の回答をされたところであります。

防災対策について

「鳥取県津波対策検討委員会」が十月五日に示したシミュレーションの中では、佐渡島北方沖を波源とした場合、本市で想定される津波の高さは、最高三・五六メートルでありました。引き続き同委員会において、津波の浸水予測図が検討されており、本市では防災計画の見直しの中で、この結果を反映させたハザードマップの修正を行うこととしております。
「津波防災の日」と定められた十一月五日には、市内全地区の小学校など九箇所を避難所とする津波避難訓練を実施し、千二百六十人の市民に参加をいただいたところであります。
原子力防災対策につきましては、鳥取県、米子市とともに、安全協定の早期締結に向けた協議を進めておりましたが、十一月二十五日、協定内容について中国電力の考え方が示されました。その内容は、本市が求めていたものと異なるところが一部あるものの、国の防災指針の見直しなどがまだ行われていない状況の中で、島根原子力発電所が立地する島根県と松江市が中国電力と結んでいる安全協定に近い内容であります。このことから、「今後の国の原子力防災対策の状況などを踏まえ、協定内容の改定について適宜協議していく」ことなどを新たに追加した上で、議会とも相談し、年内の締結を目指したいと考えております。
また、鳥取県は、島根原子力発電所から三十キロ圏内に位置する本市と米子市の一部住民を対象とした広域避難計画の案を示しました。
この計画では、本市の避難先として、鳥取市を想定しておりますが、具体的な避難手段の確保などは今後の協議となっており、引き続き本年度末までの策定に向けて取り組んでまいります。

学校教育について

九月二十六日から五日間、市内百十七事業所の協力を得て、中学二年生を対象とした職場体験活動「ワクワク境港」を三校一斉に実施しました。
地域を愛し、地域の人々とともに生きる喜びや感謝の心を育み、「生きる力」の基礎となる豊かな人間性や、自ら課題を見つけ解決していこうとする意欲・態度を育成することをこの活動の目的としています。
このため、本市のすべての大人が「地域の先生」としての自覚を持っていただき、未来を担う生徒の心を育んでいただきたいという強い思いから、「みんなでならいや地域の先生」をキャッチフレーズとさせていただいており、今後もこのような機運を高めていきたいと考えております。

国民健康保険及び介護保険の状況について

本市の国民健康保険費特別会計につきましては、医療費が増え続ける中にあっても、これまでは前年度からの繰越金や国民健康保険基金の活用等により収支を保ってきましたが、平成二十一年度以降、単年度の実質収支で赤字が続き、本年度末には基金のほとんどを取り崩すこととしております。
このままでは平成二十四年度以降大幅な財源不足に陥る見込みであり、本市国民健康保険運営協議会におきまして、保険税の改定をはじめ平成二十四年度の保険財政の運営について審議いただいているところであります。
また、介護保険につきましても、現在、本市高齢者福祉計画・介護保険事業計画策定委員会におきまして、順次審議いただきながら第五期事業計画を策定中であります。
この計画では向こう三か年の介護給付費等を見込み、これに見合う介護保険料を設定することとなりますが、高齢者人口や要介護認定者数が増え続ける中で、大幅な保険料の引き上げが不可欠な状況となっております。


以上、市政の概要についてご報告申し上げましたが、議員並びに市民各
位の格段のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。